コロナ禍を経てSBNR層が拡大している現状を捉え、新しい経済活動と組織デザインへの影響を考察する一冊です。🌍💖
解説
『SBNRエコノミー』は心の豊かさを追求する人々、いわゆるSBNR層に光を当てた初のビジネス書だよ!😄 現代社会が物質的な豊かさの限界に直面する中、この本は新しいマーケティングや組織デザインの方法を模索しているんだ。特に、無宗教でありながら精神的豊かさを求める日本人の文化を理解することがビジネスにどんな影響を与えるのか、そこが本書の魅力だよ📖✨。著者は博報堂のプロフェッショナルたちで、実際のケーススタディも交えながら実践的な知識を提供しているよ。
この記事のポイント!
1. SBNR層の拡大を探求し、新たなマーケットの可能性を示す。
2. 心の豊かさを重視したマーケティング戦略の提案。
3. 日本の精神文化との関連性を深掘り、無宗教層の特徴を分析。
4. コロナ禍による社会の変化とSBNRの関わり。
5. 実際の事例を通して、具体的な応用と影響を考察。
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広告・マーケティングの専門出版社 株式会社宣伝会議(本社:東京都港区)は、『SBNR エコノミー 「心の豊かさ」の探求から生まれる新たなマーケット』を3月21日、全国の有力書店とオンライン書店で発売します。データでは測れない「心の豊かさ」を探求する人々(SBNR層)の広がりを明らかにし、マーケティングや組織デザインへの応用を説く初めてのビジネス書です。
内容紹介
人間の文化・思想・感性に目を向けることで生まれる、
新たなマーケティングと組織デザインの方法論。
著者は博報堂のストラテジックプラナーチーム。
広告・マーケティングの視点にとどまらず、私たちの社会や組織が向かうべき未来も描いた一冊。
「SBNR(Spiritual But Not Religious)」は「宗教的ではないがスピリチュアル」という意味を持ち、特定の宗教を信仰していないものの、精神的な豊かさを求める人々(無宗教型スピリチュアル)を指します。このSBNR層は欧米を中心に拡大しており、例えばアメリカでは国民の約5人に1人が該当するという調査結果もあります。
コロナ禍を経てSBNR層はさらに拡大し、再び注目を集めています。この現象は、物質的豊かさの限界に直面した現代社会が選択した新たな方向性を示しているとともに、企業や経済活動、社会、共同体、そして私たちの幸福のあり方をアップデートするタイミングが来ていることを示唆しているのではないでしょうか。
本書は、SBNR層の拡大に注目し、精神的な豊かさや幸せを求める同層の拡大の理由、そしてビジネスへの応用可能性を論じる日本初の書籍です。もともと無宗教層が多く自然との繋がりや精神文化を重んじる日本人は、43%がSBNRに該当すると言われ、その価値観を理解することはマーケティングや経営にも有効です。本書では、彼らの価値観やライフスタイルを分析するとともに、マーケティング・組織デザインにSBNRの考え方を応用していく具体的な方法を提案します。
著者プロフィール
株式会社博報堂ストラテジックプラニング局
博報堂フィロソフィーである「生活者発想」を基盤に、データ分析、消費者インサイトを踏まえた課題発見・課題創出から、解決策としてのアウトプットまで、戦略立案を軸に企業のマーケティング課題を解決する専門部門。市場の変化を捉え、ブランドの成長を支援する多様かつ独自なプラニング手法を駆使し、統合コミュニケーション戦略を立案。広告だけでなく、新規事業開発や社会課題解決などの戦略立案にも貢献し、企業と社会の未来をデザインする役割を担っている。
株式会社SIGNING
「社会課題解決とマーケット創造の両立」をテーマに活動する博報堂DYグループのソーシャルデザイ
ン専門組織。「新しい世界に道標を」をフィロソフィーとして掲げ、先行き不透明な時代に新しい一
歩を踏み出す道標となる未来の兆し(=SIGN)の発掘と実装を行っている。企業・官公庁・自治体・
官民共創プロジェクトを手掛けるほか、独自の研究レポート、プロダクト・サービス開発、アートギャラリーの運営など多岐にわたる活動を行っている。
本書は、博報堂ストラテジックプラニング局およびSIGNINGに所属する以下の5人のメンバーによって執筆されています。
牧 貴洋(まき・たかひろ) SIGNING Strategist/代表取締役CEO
宮島達則(みやじま・たつのり) 博報堂 マーケティングプラニングディレクター
橋本明意(はしもと・めい) 博報堂 マーケティングプラニングディレクター
伊藤幹(いとう・もとき) 博報堂 マーケティングプラニングディレクター
坪井克諭(つぼい・かつとし) 博報堂DYホールディングス グループ人材開発室 室長補佐
目次
はじめに なんでも「見える化」のエビデンスの時代に目に見えない価値を考えたい
1章 SBNR なライフスタイルの実態
アメリカでは5人に1人!欧米で拡大するSBNR層
「SBNRな人」ってどんな人?
推し活も!?「心をととのえる」ための様々な実践例
「S・B・N・R」の再定義:Soul,Body,Nature,Relationship
「S・B・N・R」はそれぞれがつながり合っている
「メンタル↔︎フィジカル」や「自分↔︎他者・世界」を統合的に捉える日本人の感性
日本人のSBNRな行動の多くはその背景に宗教的なルーツがある!
SBNR層の4つのタイプ分類
SBNRは伝統的価値観の現代的な再解釈である
2章 SBNRと日本人の宗教観
アメリカ発の概念であるSBNR
アメリカにおいては価値観の革命だった
マインドフルネスに傾倒したジョブズの影響
2020年代にSBNRが再注目される理由
日本人の「無宗教率」の実態は?
宗教的行事は盛んでも「無宗教」、その背景にある宗教観とは
特定の教義や教祖に由来しない信仰心を持つということ
日本人の宗教心に広がる「精神的緩衝地帯」
Religious/NotReligious/Spiritual/NotSpiritualの4象限で考えるSBNRの立ち位置
世界各国で進む無宗教化、その実態は
価値観のパラダイム・シフトと根源的な問いに向き合う私たち
日本人ならではの宗教心意識こそがSBNR理解のカギ
3章 SBNRの実践メソッド:「脱・宗教」と「転・精神文化」
「脱・宗教」と「転・精神文化」:現代日本におけるSBNRムーブメントの解明
1「脱・宗教」
インバウンドツーリズム:世界のSBNR層が注目する精神文化大国日本/出羽三山:宗教色を薄めることでインバウンドの殺到する観光地に/「脱・宗教」で地域をリデザインするメリット/ヨガ:「脱・宗教」によって一大マーケットに/「脱・宗教」的演出でスタイリッシュな健康習慣へ/「脱・宗教」しながら、本質的価値は見失わない/禅:「脱・宗教」によって多様なカルチャーへ/世界のニーズに応える禅の思想/世界で広がる「脱・宗教」ムーブメント
2「転・精神文化」
日本の精神性を取り入れ進化したサウナ文化/道化:マンガ『サ道』による精神的探求/型化:サウナ体験のシンプルな過程と反復/聖地化:サウナの聖地化と巡礼の文化/「サ道」の示唆する文化的価値拡張/「推し活」として市民権を得たファンカルチャー/「推す」とは、「南無」することである―「道化」した推し活/推し活をクリエイティブに発展させた「型化」/推し活を一大産業に発展させた「聖地化」/「転・精神文化」した推し活が、日本人の「生きがい」になった/「転・精神文化」を取り入れる意義
「脱・宗教」と「転・精神文化」から得られる新たなヒント
4章 シン(心・信)消費をとらえる「SBNRマーケティング」
SBNRのマーケティングへの活用可能性を探る
モノ消費、コト消費、そして、「シン消費」
SBNRマーケティングとは、テクノロジーの時代の「人間中心マーケティング」
1 観光産業と地域創生
宗教体験も解釈を変えれば市場が広がる/地域には観光資源として活用できる精神文化が溢れている/身近なところでも観光価値を生む精神文化がある/世界のツーリズムの新潮流と日本の可能性/SBNRの4つの視点で地域資源を捉え直す
2 施設・空間・体験
ライトな入口で親しみやすさを/奥深い体験への道筋も用意する/精神文化体験は「自然」とかけあわさることでより深い体験になる/自然と人間の融合が生む価値/自然の持つ「Awe体験」の効果/テクノロジーは精神文化体験を「楽行化」する/ジャーナリングアプリ「muute」:デジタル化で進化する「書く瞑想」
3 ライフスタイルに関わる消費全般
「道化」は、そのジャンルを楽しむ「文化的な奥行き」を作るアプローチ/「型化」は、消費行動のなかに特別なストーリーや哲学・美意識を作るアプローチ/「聖地化」は、特別な意味を持った場を作り、物語性を強化するアプローチ「リチュアル化」によるマーケティングの実践例:7つの「道」の提案
SBNRには、人と世界を「つなげる力」がある
5章 心の豊かさを起点に組織を考える「SBNR経営」
「目に見えない価値」が人材・組織にもたらすもの
1「道化」に関連する事例分析
1 NTT「京都哲学研究所」:哲学者と経営者とのコラボレーション/2 JTグループパーパス「心の豊かさを、もっと。」/3 パーソルキャリア「“はたらく”を考えるワークショップ」/「内省=道化」を積み重ねて形成される「価値軸」/倫理を持った人材・組織が育つ/内的動機によって動ける人材・組織が増える/“本質”の問いなおしの習慣化が、「道化」を作る
2「型化」に関連する事例分析
1『グッド・アンセスターわたしたちは「よき祖先」になれるか』/2 ダイセル「教育訓練センターでの体験型教育」/「先人に学び、よき先人になる」ことで「時間軸」をひきのばす/ナラティブを共有している人材・組織が育つ/未来に希望を持てる人材・組織を育む/「型化」によってブレない軸を“来し方行く末”にひきのばす
3「聖地化」に関連する事例分析
1 大手IT企業に見られる出社回帰の動き/2「土徳」が引き出す精神性/3 地方への本社移転の動き/場の力や身体性を取り込むことで「空間軸」を拡張する/身体でわかりあえる人材・組織を増やす/使命感をもってチャレンジする人材・組織を生み出す/AI時代の人間らしさは「リアルな場に“身体”を置けること」にある
経営者はなぜ「山伏体験」に魅かれるのか?
6章 世界の課題にSBNRができること
ホモ・サピエンス最大の武器は「想像力」だった
「想像力の喪失」と精神性の危機
1 SBNRが「孤独」を癒やす
「山で孤独を感じる人はいない」/孤独を受け入れることで孤独から解放される
2 SBNRが「利他」意識を育む
自分の大切なものを知ることで、他人の大切なものにも気づく/人だけでない、自然や社会への利他意識/個人主義の時代の新たな倫理基盤へ
3 SBNRが「家族」のつながりを再構築する
家族という伝統的共同体を「楽行化」する/より自由で快適な新しい家族のあり方の探求へ
4 SBNRが「環境問題」への解決策に新しい視点を提供する
テクノロジー、ルール、そして「感性」を通じた環境問題解決へ
5 SBNRが世界の「二元論的対立」を統合・融合する
成長か、脱成長か/保守か、リベラルか/制度的・文化的な「緩衝地帯」で融合を模索する/多様な価値観を包摂し、世界がつながりあう「目に見えないプラットフォーム」へ
おわりに SBNRとは、人間を自由にする感性である
イベントのご案内
出版を記念し、SIGNINGが企画・プロデュースするソーシャルイシューギャラリー「SIGNAL(シグナル)」にて、以下の2つのイベントを開催いたします。
読書会「What’s SBNR Economy?」
開催:4月7日(月)8:00-9:00
内容:著者による書籍内容のレクチャーと参加者からの質問・意見交換
トークセッション「Try! SBNR Economy!!」
開催:4月22日(火)19:00-20:30
内容:SBNR をビジネスでどう活かせるか?をテーマに著者とゲストが対談形式で語り合う実践編
場所:Social Issue Gallery SIGNAL
(東京都港区虎ノ門1丁目2-11 The ParkRex TORANOMON 1F)
※参加費無料
詳細・お申込みは https://signing.co.jp/signal/
株式会社宣伝会議について
広告マーケティングの専門出版社として、マーケティング・コミュニケーション分野、環境分野などのメディア・教育・イベント事業を展開。月刊『宣伝会議』は2024年で創刊70周年を迎えた。ほか月刊誌『販促会議』『ブレーン』『広報会議』、書籍・年鑑を発行。教育事業では年間約3万人の修了生を輩出。