やなせたかしの人生には、喜びだけじゃなく苦しみもあったんだ。そんな彼の物語を読んで、アンパンマンがどれだけ特別な存在なのか、再確認できる内容だよ!📚
解説
この新刊『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』は、アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんの波乱に満ちた人生を描いているんです。🌟戦争を経験した彼がどのようにして、子どもたちを魅了するキャラクターを創り上げたのか、その裏側には様々な困難がありました。記事では、彼の幼少期から作家への道、そしてアンパンマンの誕生までが描かれていまるんですよ。やなせさんが心に抱えていた感情や思いを知ることで、アンパンマンがどれだけ特別な存在なのか、もっと深く理解できるかもしれません!😊物語の持つ力には本当に驚かされるので、ぜひ手に取ってみてください。
この記事のポイント!
1. やなせたかしの波乱万丈な人生
2. アンパンマン誕生の秘密
3. 戦争体験が与えた影響
4. 感受性豊かな少年時代
5. アンパンマンの普及とその背景
株式会社文藝春秋(本社:東京都千代田区 社長:飯窪成幸)は、本日から放送が始まった連続テレビ小説「あんぱん」でも話題の、梯久美子さんによる新刊『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』の増刷を決定。多くのメディアからの注目を集めています。
■一穂ミチさんの書評から抜粋
アンパンマンは「飢え」という根源的な危機に瀕した人々を、自らの身を以て分け隔てなく救う。お釈迦さまであると同時に、焚き火に飛び込むうさぎでもある。思えば、何と特異で壮絶なキャラクターだろうか。
父と死に別れ、母と生き別れた嵩(やなせたかし)の少年時代は、うっすらと青いフィルターがかかったようにさみしく澄んでいる。伯父夫婦にやさしくされても、見上げた星の美しさに心慰められても、やわらかな魂に空いた穴ぼこは埋まらない。嵩のように感受性の鋭い人間ならいっそうそのことを強く意識せずにいられなかっただろう。
アンパンマンは、大げさでなくすべてのちびっ子たちにとっての守護天使だ。本書を読めば、どんな子どももアンパンマンに祝福されているのだと思える。本当の言葉しか使わない嵩が「みんなの夢 まもるため」と書いたのだから。アンパンマンが守るから、光る星が消えないうちに、人生の幸せや喜びを求めて羽ばたいてほしい――アンパンマンは、いる。誰にも言えない胸の穴ぼこを知ってくれている。そう信じることができた時、フィクションは温かな血肉を備えた魂の伴侶になる。そうか、魔法って、こういうことだったんだ。
▼『文春オンライン』より
https://bunshun.jp/articles/-/77339
■『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』の紹介
梯 久美子が書き下ろす「アンパンマン」の作者・やなせたかしの本格評伝
栗林忠道、島尾ミホ、原民喜などの評伝を手がけてきたノンフィクション作家・梯 久美子が、綿密な取材をもとに知られざるエピソードを掘り起こした「やなせたかし」評伝の決定版。
高知県で生まれた嵩(たかし)は、幼少期に父を亡くし、再婚した母とも別れて伯父の家で育つ。
東京で美術を学び、デザイナーとなるが、徴兵され中国大陸へ。
戦場で飢えを経験したことと、たったひとりの弟が23歳の若さで戦死したことが、のちに「アンパンマン」の誕生につながっていく。
戦後に就職した高知新聞社で「韋駄天おのぶ」とあだ名される元気いっぱいの女性・暢(のぶ)と出会った嵩は、再度上京し、妻となった暢とともに子どもの頃からの夢だった漫画家を目指す。
たくさんの挫折を経験し、ようやくアンパンマンを生み出すが、
「顔を食べさせるなんて残酷だ」「気持ち悪い」と大人たちからは大ブーイング。
だが子どもたちは、無垢な心でアンパンマンを愛してくれた――。
著者はかつて『詩とメルヘン』編集者として、やなせたかしのもとで働き、晩年まで親交があった。
子ども向けに書いた伝記『勇気の花がひらくとき やなせたかしとアンパンマンの物語』(フレーベル館)はロングセラーとなり、小学校の教科書に採用されている。
2011年の東日本大震災直後、被災地からラジオ局にリクエストが殺到した「アンパンマンのマーチ」。避難所で大合唱する子どもの姿に、92歳だったやなせは感動し、94歳で亡くなるまで、復興のために力を尽くした。
愛と勇気に生きた稀有な生涯を、評伝の名手が心を込めて綴る感動作。
<文庫オリジナル>
■著者プロフィール
梯 久美子(かけはし・くみこ)
1961年熊本市生まれ。北海道大学文学部卒業後、やなせたかしが編集長をつとめた雑誌『詩とメルヘン』の編集者となる。40代でノンフィクション作家としてデビューし、『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。同書は米、英、仏、伊など世界8か国で翻訳出版されている。読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞ほかを受賞した『狂うひと「死の棘」の妻・島尾ミホ』(新潮文庫)など著書多数。ジュニア向けに書いたやなせたかしの伝記『勇気の花がひらくとき やなせたかしとアンパンマンの物語』(フレーベル館)の内容が、小学校5年生の国語教科書に掲載されている。
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■書誌情報
書名:『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』
著者:梯 久美子
判型:文庫判
発売:2025年3月5日
定価:770円(税込)
ISBN:978-4-16-792346-4