ポーラ化成工業が、加齢による線維構造の変化とその影響を示す研究を発表しました。新しいエキスの発見が期待されます!🌱
解説
ポーラ化成工業が新たに発見した「顔面のたるみ」に関連するRL(Retaining Ligament)の研究は、加齢に伴う皮下構造の変化に焦点を当てています。細かく断片化するRL構造が皮膚のたるみと関連し、特にPiezo1という因子の発現が年齢とともに減少していくことが示され、今後の研究開発に期待が寄せられています。また、皮膚の奥深くまでアプローチするための研究が進められ、具体的にはワレモコウとローヤルゼリーから得られるエキスがPiezo1の発現を促進する可能性があり、使用することで肌のたるみの改善が期待できるとのこと。これからの対策や効果に注目したいですね!✨🌟
この記事のポイント!
1. 加齢によるRL構造の断片化が肌のたるみの原因。
2. Piezo1の加齢による発現量の減少が影響を与える。
3. ワレモコウとローヤルゼリーのエキスの効果が期待される。
4. 皮下組織の深部にテクノロジーが注目される。
5. 今後も肌悩みに対する多角的な研究が続けられる。
ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:片桐崇行)は、顔面のたるみ印象に関連することが示唆されている線維構造RL(Retaining Ligament)の研究を進め、以下を発見しました。
1.加齢に伴い、皮下組織に存在する線維構造RLが細く断片化する
2.RLの構築に関わる因子Piezo1(※)の発現量が加齢に伴って減少する
3.ワレモコウとローヤルゼリーの複合エキスがPiezo1の発現量を高める
本知見は、2025年3月26日~29日に開催された日本薬学会第145年会にて発表されました。
※ 機械刺激に応答するメカノセンサーチャネル。RLの構成成分であるI型コラーゲンの産生促進に関わることが知られている。
加齢に伴い皮下組織の深部に存在するRLが断片化する
肌は、表皮・真皮・皮下組織の3層で構成されており、肌の奥には筋肉や骨が存在します。RLは何層にも重なる組織を横断する線維状の組織で、皮膚を柱のように支える役割を果たしています。 目の周りや頬などRLが存在する部位は、加齢に伴い皮膚が重力方向に引き下がる“たるみ”が生じる部位と一致しています。このことから、RLの状態とたるみの関連性が示唆されています。しかし、RLの加齢変化については不明な点が残されていました。
今回、皮下組織の深部を含む顔の皮膚組織を用いてRL構造の加齢変化を検証したところ、加齢に伴いRL構造が細かく断片化する様子が確認されました(図1)。柱のような役割を果たしているRLが弱く脆くなりその構造が断片化することで、組織を支えきれずに下垂し、たるみ印象につながることが考えられました。
RL構成細胞のPiezo1発現量が加齢によって低下する
RL構造の加齢変化の検証結果からRL構造の断片化を防ぐことができれば、たるみ印象の改善につながると考えられます。そこで、断片化の要因として線維成分の産生に関わる因子として知られているPiezo1の加齢変化に着目しました。年齢の異なるドナー由来のRL構成細胞を用いてPiezo1発現量を調べたところ、加齢に伴い細胞内のPiezo1発現量が低下することが分かりました(補足資料1)。このことから、Piezo1の発現量が低下しRL成分の産生量が減少することがRL構造の断片化につながる可能性が示唆されました。
Piezo1の発現量を高めるエキスを発見
RL構造の断片化を防ぐために、RL構成細胞を用いてPiezo1の発現量を高めるエキスを探索した結果、ワレモコウとローヤルゼリーの複合エキスが有効であることを確認しました(補足資料2)。Piezo1の発現量を高めることにより、RL成分の産生を促進し断片化を防ぐことができると考えられます。
ポーラ化成工業では、表皮や真皮だけではなく肌の深部に存在する構造にも着目し研究を進めてきました(補足資料3)。今後も肌の全ての領域を対象にし、さまざまな肌悩みに対する解決策を提供するための研究を進めていきます。
【補足資料1】 Piezo1の加齢変化
RL構成細胞である腱細胞を用いて実験を行いました。年齢の異なるドナー由来の細胞についてPiezo1の発現量を確認したところ、加齢に伴いPiezo1の発現量が低下することが明らかになりました(図2)。
【補足資料2】 Piezo1の発現量を高めるエキス
RL構成細胞(腱細胞)においてPiezo1の発現量を高めるエキスを探索したところ、ワレモコウとローヤルゼリーの複合エキスが有効であることが分かりました(図3)。
【補足資料3】 関連する過去の研究について
ポーラ化成工業では、たるみに関連する研究として、真皮より深い場所にある皮下組織下部の皮膚支持帯(RC)と呼ばれる線維状の網目構造に新たに着目した研究を行っています。この研究では、皮膚のタルミとの関連性について世界で初めて検討を行い、2015 年 9 月 21 日~23 日にスイス・チューリッヒで開催された第 23 回国際化粧品技術者会連盟(以下 IFSCC) 中間大会(Conference)の口頭発表部門において「最優秀賞」を受賞しました。その後も、肌深部を対象とした研究を継続し、2017年ごろからはRCよりさらに深い場所に存在するRL構造に対しても研究を行い、今回の知見を見出すに至りました。
参考リリース
「権威ある化粧品技術者学会でポーラ化成工業が『最優秀賞』を連続受賞」(2015年9月24日) https://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20150924.pdf
「タルミの原因“『RC』成分減少”を改善するエキスを発見」(2017年7月11日) https://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20170711.pdf
「『赤色光によるRCの改善を助けるエキス』と『近赤外線によるRCの分解を抑制するエキス』を開発」(2019年12月4日) https://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20191204_2.pdf