伝統製法の味噌造りを守る萬年屋が、腸内フローラに与える影響を研究した結果、エクオール産生菌が多く存在することが判明。健康をサポートしてくれるよ!💪
サイキンソーは、「細菌叢で人々を健康に」をテーマに、腸内環境を改善するための取り組みを行っています。特に、萬年屋の味噌は伝統的な製法で作られており、その中には酪酸菌が含まれています。この酪酸菌は腸内環境を整えるのに非常に重要で、健康維持に役立つ可能性があるんです!💡サイキンソーは、研究を通じてその効果を科学的に証明し、より多くの人に健康的な食生活を提供したいと考えています。味噌の持つ力を広めて、消えゆく伝統文化を守るのも大切な役割です。🥰
1. 萬年屋は江戸時代から続く伝統の味噌蔵。
2. 酪酸菌入り味噌は腸内環境を改善する可能性がある。
3. 地元松本市と協力し健康産業の推進に寄与。
4. 腸内フローラ検査を通じて効果を検証。
5. 0次予防の概念を基にした健康社会の実現を目指す。
「細菌叢で人々を健康に」を掲げ、ヘルスケアサービスを展開する株式会社サイキンソー(本社:東京都渋谷区、代表取締役:沢井 悠、以下サイキンソー)は、伝統の味噌玉造りで地元の味を守り続ける創業193年の老舗味噌蔵、株式会社萬年屋(本社:長野県松本市、代表取締役:今井 誠一郎、以下萬年屋)と共に、萬年屋が製造する「酪酸菌入り味噌」を食べている方の腸内フローラ(腸内細菌叢)を調べることで腸内環境に与える効果を検証したことをお知らせいたします。
取り組みの結果、萬年屋の味噌を日常的に食べ続けている人は、スーパー善玉菌と言われる酪酸産生菌や大豆に含まれるイソフラボンをエクオールに代謝することのできるエクオール産生菌の保有割合が多いことが分かりました。
本取り組みは、松本市が市民の健康維持・増進・健康産業推進のために定めた「松本市ヘルスケアサービス等実用化検証事業助成金」を活用し、事業の実施に至りました。
萬年屋は江戸時代後期の天保三年、1832年に創業した老舗の味噌蔵です。萬年屋の味噌の特徴は、最古来の味噌製法といわれる ” 味噌玉造り ” で製造されていることです。
味噌玉造りとは、味噌蔵に住みつく常在菌を大豆の中に取り込み味噌を仕込む製法です。信州松本の風土と長年にわたり蔵に住みついてきた様々な菌を上手に取り込むことで、萬年屋独自の味噌の風味を作り上げてくれます。
現在の萬年屋では3週間ほど大豆を熟成させた後に、味噌玉を水に漬けて周りのカビをふやかし、一つずつタワシでカビを落とし砕いてから塩と糀を混ぜ、味噌を作っています。そのため萬年屋の味噌には、通常の味噌には存在しないスーパー善玉菌と言われる「酪酸菌」が入っているのです。酪酸菌は健康長寿な方やアスリートなどが多く保有している菌として知られ、腸活動の活性化やがん細胞の抑制など健康への好作用を発揮してくれます。こうした嬉しい作用を持つ酪酸菌が入っている点が、萬年屋の味噌が持つ魅力のひとつです。
味噌玉造りは米糀を使わずに味噌を発酵させるため、米が貴重であった江戸時代までは全国各地で主流の製造方法でした。しかし、時代の流れと共に手間や時間のかかる味噌玉造り製法は減少の一途をたどり、全国でも継承する味噌蔵は5軒ほどに留まっています。1,500年来続く先人たちの教えが詰まった伝統の味噌造りを守るべく、サイキンソーと萬年屋は「酪酸菌入り味噌」の腸内環境への効果を検証することで、伝統文化を後世に伝える活動をスタートいたしました。
長野県松本市では市民の健康維持・増進・健康産業推進のため、「松本市ヘルスケアサービス等実用化検証事業助成金」を定めています。今回の検証は本補助金を活用させていただき、3ヵ年計画で行う予定です。
萬年屋の味噌を日常的に食べている、萬年屋の従業員やそのご家族ら10名の方にご協力いただき、腸内フローラ検査を実施いたしました。サイキンソーが保有する腸内細菌叢データの中から、「健常者」として分類された 2664名の菌組成の菌組成データと比較し、腸内環境の状態を確認しました。
<本取り組みの健常者定義>
腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」の利用者のうち、質問票の回答より以下の条件の方を抽出し、健常者と定義。
病歴なし
慢性的な下痢・便秘の症状なし
BMI30未満
年齢20歳~59歳まで
味噌の原材料である大豆には大豆イソフラボンが多く含まれています。大豆イソフラボンは、腸内細菌の働きによって女性ホルモンに似た働きをするエクオールに変換されます。萬年屋の味噌を日常的に食べている人と健常者のエクオール産生菌の占有率を比較したところ、萬年屋の味噌を日常的に食べている人は、エクオール産生菌の割合が健常者の平均よりもさらに高いことが分かりました。また、一般的にエクオール産生菌の保有割合は2人に1人と言われているため、今回の検証に参加した10人のうち9人が保有していたことは驚きの結果でした。日本を含む大豆の食習慣がある地域では、欧米などと比較してエクオール産生者が多いという報告がある※1ことから、日常的に萬年屋の味噌から大豆イソフラボンを摂取することで、エクオール産生菌の占有率を上げる要因につながったのではないかと考えています。
※1:Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi, 62(7),356-363, 2015
味噌は主原料が大豆であることから、大豆由来の栄養素や食物繊維が豊富に含まれている食材として健康効果が期待されています。また酪酸産生菌が作り出す酪酸は、健康効果を発揮するとして近年注目が高まっていますが、萬年屋の味噌にはこの酪酸菌が含まれており腸内細菌にとって大変魅力的な食品であると考えています。これらのことから、萬年屋の味噌を日常的に食べている人と健常者の腸内細菌叢データを比較したところ、健常者と同程度に酪酸産生菌の割合が多いことが分かりました。
初年度の取り組みを経て、次年度(2025年)は「日常的に味噌を食べていない人」が萬年屋の味噌を摂取した際に、腸内環境がどのように変化するか萬年屋の味噌が腸内細菌叢に与える影響を調査する計画を立てています。
サイキンソーは今後も松本市と協力し、” 萬年屋の味噌 ”の魅力を発信するサポートを行うことで、より多くの方が地元で大切にされている伝統食品の魅力を知り商品を手に取ることで、自然と腸内環境が良くなり、自然と健康になる、そんな「0次予防※2」が実現する社会づくりに貢献していきたいと考えています。
※2:サイキンソーは、誰もが自然と健康になれる生活を送れるように環境を整える概念を「0次予防」と定義しています。健康増進や疾患の発症を予防するセルフケアを「1次予防」、疾患の早期発見・治療を行うことを「2次予防」、治療や重症化予防を行うことを「3次予防」と定義し、これらのどの予防段階よりもさらに手前の根源的予防として「0次予防」を掲げています。健康には、職場や住環境、学校や家庭のヘルスリテラシー格差、経済格差など個人のみでは対応できない様々な要素が複雑に絡み合っています。これらの全てを鑑みて、多くの人が自然と健康になれるための社会づくりを行うことが「0次予防」社会の実現に重要であると考えています。
「細菌叢で人々を健康に」を企業理念に掲げ、腸内フローラをはじめとする常在細菌叢と心身の健康・疾患リスクとの関連を解明し、全ての人々の日常に個別最適な解を提供することで、誰もが自然と健康になれる社会を目指しています。その一環として、腸内環境の状態を把握することが健康維持・増進に繋がるとの考えから、自宅で手軽にできる腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」を開発しました。日本人の大規模な菌叢データベースと高度なデータサイエンス技術を活用し、検査サービスの拡張やOEM開発、システム構築支援、匿名加工情報の研究利活用推進など、菌叢データに基づく事業を多角的に展開しています。
会社名:株式会社サイキンソー
設立 :2014年11月19日
所在地:東京都渋谷区代々木1-36 -1 オダカビル2階
代表者:代表取締役 沢井 悠
主な共同研究先:大阪大学微生物病研究所