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本日、日本文学振興会(理事長・飯窪成幸)より、第169回芥川龍之介賞が発表され、市川沙央さんの『ハンチバック』(「文學界」2023年5月号)が受賞作となりました。市川さんは初めてのノミネートでの受賞となります。
◆作品概要
主人公・井沢釈華は、先天性の遺伝性筋疾患のために背骨が湾曲しており、電動車椅子と人工呼吸器を使い、裕福な両親が遺したグループホームから、ほとんど外に出ない生活を送っている。十畳の自室で彼女は、某有名私大の通信課程を履修し、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」とつぶやく。
ところがある日、グループホームのヘルパー・田中にTwitterのアカウントを知られていることが発覚し――。
◆著者略歴
市川沙央 (いちかわ さおう)
1979年生まれ。早稲田大学人間科学部eスクール人間環境科学科卒業。筋疾患先天性ミオパチーによる症候性側弯症および人工呼吸器使用・電動車椅子当事者。2023年「ハンチバック」で第128回文學界新人賞を受賞しデビュー。同年「文學界」5月号掲載、単行本は6月22日文藝春秋刊。
◆書誌情報
書名:『ハンチバック』
著者:市川沙央
初出:「文學界」2023年5月号掲載
発売:2023年6月22日 文藝春秋より刊行
定価:1,430円(税込み)
ISBN:978-4-16-391712-2