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成功している人は、なぜ占いに行くのか?
パナソニックの創業者・松下幸之助は、幼少期の名前は「幸吉」でしたが、戦後に占い師の進言をもとに「幸之助」に改名したといわれています。武田信玄も、占い師の助言によって「武田晴信」から改名したといいます。それだけではなく、敵方の大将が証文に押した手形を取り寄せ、手相占いによって戦術や戦略を立てていたという逸話もあります。
また、ビル・ゲイツが創業したマイクロソフトは、1983年に米ワシントン州ベルビューに自社ビルを建てたあたりから業績が急伸。建物の完成後に、実は設計者がインド風水「ヴァーストゥ」に基づいてデザインしたことがわかったのですが、そこからの同社の段違いの快進撃に、ゲイツ自身がインド風水の信奉者となり、自宅や別荘の設計に取り入れるようになったといわれます。
このように、古今東西を問わず、多くの傑出したリーダー、ビジネスパーソンたちは「占い」を活用してきました。「怪しいもの」「根拠のよくわからないもの」という見方をする人もいますが、たとえば日本では娯楽的な要素が強い占星術は、西洋では天文学と同じルーツを持つ「学問」や「統計科学」、あるいは「文化」としての側面を持っています。早稲田大学の文化構想学部では、文化として西洋占星術の基礎を学ぶ授業が開講されたりもしています。
本書の狙いは、占いが持つそうした文化的な背景なども解説しつつ、その活用の仕方やメリット、あるいは問題点や注意点なども含めて解説することで、占いの「意味」と「意義」を知っていただくことです。
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自分を知り、判断するための材料を増やす
本書の著者で、これまで2万2000人を鑑定してきた「予約の取れない占い師」早矢(はや)さんによると、最近は最前線で働くビジネスパーソンの相談者が増えていて、特に男性の数がより多くなってきているとのこと。誰もが知っている一流企業の経営者や社員、大学教授や医師など、いわゆる「エリート層」と呼ばれる人たちが、早矢さんのもとへ足しげく通っています。
男性で多いのは「転職」に関する相談。女性で多いのは「結婚」や「出産」のタイミングに関する相談だといいます。彼らの悩みはもちろん千差万別ですが、共通するのは、鑑定結果を「結論」や「正解」と捉えるのではなく、「判断材料のひとつ」として考えていることです。
早矢さん自身も、占い師の言葉に一喜一憂したり、振り回されたり、鵜呑みにしたりすることは勧めません。そうではなく、占い師の鑑定によって「自分では思いつかなかった新たな選択肢」を手にすることで、より広い視野、高い視座に立って物事を判断することができます。つまり、鑑定を「予言」ではなく、客観的な「助言」と考えることで、自分を知り、判断するための材料を増やしていくのが、占いの正しい活用法なのです。
実際に、冒頭で挙げた松下幸之助は、現在の大阪府門真市に本店と工場群を移転した際、占い師からは「わざわざ方位の悪いところ(鬼門である北東の方向)に行くのはやめたほうがよろしいで」と忠告されたそうです。それに対して最終的には、「南西から北東へ長く伸びる日本は、どこへ行っても鬼門ばかりやないか。気にせんとこ」と移転の決断を下したといいます。
そうした点を踏まえて、早矢さんは占いの役割は次の3つだといいます。
1.選択に迷ったとき、判断の「手がかり」や考え方の「ヒント」が得られる
2.ぼんやりとしていたことがリアルに理解できるようになる
3.自分の判断に対して、背中を押してくれる
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キャリアコンサルタントの知見も持つ異色の経歴
早矢さんは、20歳のころに大病を患ったのがきっかけで、占い師の世界に入ったといいます。周囲の人の支えで病を克服した後、サポートされる側から差ボートする側に回り、困った人に寄り添える仕事がしたい、と考えるようになったといます。
彼女の占いの特徴は、西洋占星術とタロットの技能をベースに、国家資格であるキャリアコンサルタントの知見も踏まえた鑑定を行っていること。特にリーマン・ショックの後に、仕事の悩みの相談が大きく増えてきたことで、「より実践的で体系化されたアドバイスができるように」と大学でキャリアコンサルタントとしての専門知識を学んだそうです。鑑定中のメモや録音もオーケーにしていることにも、早矢さんの真摯な人柄がにじみ出ています。
また本書で早矢さんは、占い業界が持つ問題点にも言及しています。最近では、YouTubeなどで占い師を名乗り、「何月何日までに、これをしないとヤバい!」などと煽っている人もいます。ただ、「占いのスキルが低い人ほど、派手なパフォーマンスに走る傾向がある」といいます。
現在では、占い師になろうと思えば、その日から占い師を名乗ることが可能な状態ですが、大正時代の東京では、占い師になるには警察に届け出て、審査に合格する必要があったそうです。「いつまでも現状のような「野放し」の状態が続くと、相談者を不安がらせてしまったり、傷つけたりすることが多くなるだけでなく、占い全体のスキルアップが期待できず、相談者離れが起こる可能性がある」と、業界に対しても警鐘を鳴らします。
本書を通じて、占いとは何か、その活用法や問題点を知ることで、ぜひ「自分とは何か」を知る手がかりにしていただければと思います。
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著者紹介
早矢(はや)
占い師/西洋占術実践研究家/キャリアコンサルタント。
占い師として活動する傍ら、法政大学キャリアデザイン学部で「キャリアデザイン・キャリアカウンセリング」を学んだ後、国家資格のキャリアコンサルタントを取得。コンサルタントの知見と西洋占星術、タロットの技能を融合させた独自の鑑定を実践する。これまで鑑定した人数は2万2000人超。
「やさしく懇切丁寧にとことんサポートする」をモットーに、「占いカウンセリングサロン インスパイア吉祥寺」を主宰。TV・新聞・雑誌・WEB等メディア出演・連載多数。著書に『パワーストーン事典』(マイナビ文庫)がある。産経学園にて西洋占星術・タロット専任講師を務める。YouTube公式サイト「早矢の占いチャンネル」更新中。
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本書の目次
第1章 日本人が知らない占いのパワーと活用法
第2章 成功者と占いの親密な関係
第3章 なぜ未来がわかるのか? 西洋占星術の「構造」を読み解く
第4章 この悩みはこの占いで解決! 占いの4分類
第5章 占い師を選ぶ際の7つのチェックポイント
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書籍情報
『世界のビジネスエリートが身につける教養としての占い』
著者:早矢
体裁:四六判/224ページ
定価:1,738円(本体1,580円+税)
ISBN:978-4-295-40868-0
発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング(クロスメディアグループ株式会社)
発売日:2023年9月1日
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株式会社クロスメディア・パブリッシング https://www.cm-publishing.co.jp/
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