約2億7450万円で落札された、19世紀の英国コイン「ウナ&ライオン金貨」の最高鑑定を含む、そうそうたるラインナップの落札結果をご報告します。
また、これに伴いコインパレスでは、2024年4月に開催予定のMDCモナコオークションにおける、出品代行サービスおよび入札代行サービスの受付を本日より開始いたします。
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MDCモナコ第12回・13回オークションの概要
2010年、”コインを愛してやまない鑑定士” ニコラ・ジャンベールによりモナコに設立されたMDCモネ・ド・コレクション。
コインの第三者鑑定機関、「PCGS」と「NGC」の認定ディーラーであり、これまで様々なコインやメダルなどの買取・販売・鑑定・および自社オークションの開催を手掛けてきました。
鑑定付きコインの売買に強みを持つ当社によって毎年2回開催されているオークションには、数億円以上の価値のあるコインが度々出品されることから、レアコインの入手先として世界中のコインコレクターに支持されています。
2020年10月に開催された第6回オークションでは、1839年発行のイギリスコイン「ウナ&ライオン5ポンド金貨」が82万ユーロ(現在のレートで約1億7000万円)で落札。
また、2021年10月に開催された第8回オークションでは、1937年に同じくイギリスで発行されたエドワード8世の5ポンド試作プルーフ金貨が211万ユーロ(現在のレートで約3億7000万円)で落札され、当時の英国コインの歴代最高額を更新したことは記録に新しいでしょう。
今や貨幣界の年間カレンダーの最重要イベントとされる当オークションは、この度、2023年10月11日から13日にかけて、第12回と第13回の開催を迎えました。
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落札結果一覧
イギリス 1656年 オリバー・クロムウェル 20シリング金貨 NGC MS 63+ PL
■ロット番号 :2132
■スタート価格:70,000 €
■落札価格 :約2,110万円(€100,000)
ロット番号2132の20シリング金貨は、英国史上最初にして最後の共和政下イングランドにて、その最後期の1656年に発行された品です。
表面には共和政イングランドの立役者であった護国卿オリバー・クロムウェル(1599-1658)の有名な左向き肖像が描かれています。
それ迄の王政に対する反動からか、共和政初期のコインでクロムウェルの肖像付きのものは見当たりませんでしたが、後期になるにつれて当時を代表するコイン彫刻家として歴史上に名を残したトマス・サイモンの原画によるクロムウェルの有名な肖像を描くこのタイプのコインが主流となります。
肖像周囲にはラテン語にて「神の恩寵によるオリバー、イングランド、フランス、及びアイルランド護国卿」と格調の高さを感じさせる文言が刻まれています。
裏面には大型の宝冠を戴く四分割された盾形の紋章の中に共和国の国旗が描かれており、一世を風靡した共和政時代の最期を飾る金貨の面目躍如となっています。
10万ユーロの最終落札額は、当コインに付与されたMS63+プルーフの鑑定結果と審美性に相応しいものです。
イギリス 1935年 ジョージ5世 在位25周年記念プルーフクラウン金貨 NGC PF 66 ULTRA CAMEO
■ロット番号 :2198
■スタート価格:100,000 €
■落札価格 :約3,380万円(€160,000)
ロット番号2198のクラウン金貨は、現在も続くウィンザー朝の創始者として英国史上に名を刻んだジョージ5世の即位25周年を記念して1935年に発行された歴史的な逸品です。
表面にはジョージ5世の左向きの肖像が描かれていますが、大英帝国の後期に差し掛かっていた時期に発行されたため、周囲の碑文には「インド皇帝」のタイトルが含まれており時代を感じさせます。
また裏面には、英国貨幣デザインの永遠の定番である「聖ジョージの竜退治」の意匠が、20世紀初頭様式を基調とする洗練された鋭角的なデザインによって忠実に再現されています。
しかし、当コインの真価は、プルーフ66ウルトラカメオの驚異的な鑑定結果と、在位25周年に因む25枚限定の超絶的な発行枚数から算出されたものであることは間違いないことと思われます。
イギリス 1847年 ヴィクトリア女王 ゴチッククラウン銀貨 PCGS PR67CAM
■ロット番号 :2179
■スタート価格:120,000 €
■落札価格 :約2,530万円(€120,000)
ロット番号2179のゴチッククラウン銀貨は、8000枚発行されたことが記録に残っている1847年初版に当たり、PCGS社によるプルーフ67カメオという非常に高い査定結果と、目視しただけでも顕著な保存状態を特徴とします。
イギリス 1692年 ウィリアム&メアリー 5ギニー金貨 NGC MS 63
■ロット番号 :2133
■スタート価格:150,000€
■落札価格 :約3,380万円(€160,000)
ロット番号2133の5ギニー金貨は、17世紀末の名誉革命の後にイングランドにおける共同統治体制を確立した二人の国王ウィリアム3世とメアリー2世のポートレートを表面に掲げる稀有の作品です。
コイン裏面には二人の国王の出自を示す数々の由緒ある紋章が刻まれており、英国憲政史上未曾有の共同統治体制に華を添えています。
NGC社によるMS63の数値は当コインの鑑定結果としては上位に位置するものであり、夥しい数の傑作コインを生み出したステュアート朝の後期を代表する一枚と言えることでしょう。
イギリス 1643年 チャールズ1世 トリプルユナイト金貨 PCGS MS63
■ロット番号 :2128
■スタート価格:150,000 €
■落札価格 :約3,800万円(€180,000)
ロット番号2128のトリプルユナイト金貨は、清教徒革命期の初頭に国王チャールズ1世率いる王党派のお膝元であったオックスフォードで発行されました。
王権神授説を根拠として絶対王政に固執した孤高の王チャールズ1世の治世を象徴するこの英国金貨の大作は、通常の3倍の額面を保有していることから「トリプルユナイト」と名付けられました。
表面の国王の肖像から裏面の碑文に至るまで、絶対王政の熱烈な信奉者として名を馳せたチャールズ1世の治世下に発行されたコインらしい独特の風格を何よりも特徴としています。同コインの現時点における最高鑑定品に当たるこの輝かしいコインは、その桁外れの保存状態によって18万ユーロの落札額を記録しました。
イギリス 1839年 ヴィクトリア女王コイン15枚セット NGC PF62~67
■ロット番号 :2169
■スタート価格:200,000 €
■落札価格 :約6,750万円(€320,000)
ロット番号2169は、ヴィクトリア女王の即位3周年の年である1839年に発表された記念プルーフコインセットであり、英国貨幣の傑作「ウナ&ライオン5ポンド金貨」を含むヴィクトリア期の名品15点を網羅する芸術品です。
3枚の金貨、9枚の銀貨、そして3枚の銅貨から成るこの壮絶なコインセットは、その中核を成す「ウナとライオン」に付与されたプルーフ62ウルトラカメオの査定結果を付加価値とするものであり、コインセットそのものもヴィクトリア朝初期の完品セットとして非常に高い希少価値を誇るものであることは間違いありません。
値がつけられないほどの歴史的価値を秘めた当コインセットには32万ユーロの最終落札値が与えられ、第13回MDCオークションならではのスリリングな結末を演出しました。
イギリス 1839年 ヴィクトリア女王 ウナとライオン5ポンド金貨 PCGS PR67DCAM
■ロット番号 :2170
■スタート価格:1,000,000€
■落札価格 :約2億7,450万円(€1,300,000)
今回のMDCオークション最大の目玉出品物として登場したロット番号2170の1839年発行「ウナ&ライオン」の史上最高鑑定品のご紹介です。
6つの渦巻きと11枚の葉をあしらった独特のデザインを描く女王の頭上のヘアバントを特徴とするこのタイプの「ウナとライオン」の稀少度は既存の全バージョンの中でも傑出しており、正に英国貨幣史を代表する傑作との偶然の出会いに貨幣界全体が陶酔していたようなものでした。
このような奇跡的なコンディションを誇るアンティークコインが現存する事実そのものが驚嘆に値することですが、この「ウナとライオン」の出品は英国貨幣史にとっての「大事件」として各界の注目を集めました。
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コインパレスの出品代行サービスについて
2024年の4月に同じくモンテカルロで開催される次回のオークションに先駆け、コインパレスでは出品手数料を業界最安値水準の「3%」、「オークションハウス出品手数料」および「日本から現地への送料」を無料にて、出品代行サービスの受付を開始いたします。
募集の締め切り期限は2023年11月18日(土)とさせていただきますので、お早めにお申し込みいただきますようお願い申し上げます。
<申込方法>
出品をご希望のコインの、
・コイン名
・鑑定番号
・コインのお写真
・ボックス等の付属品のお写真
・税関への申告価格
を2023年11月18日(土)の午後5時までにお知らせください。
申請方法の詳細はこちら:
https://www.coinpalace.jp/user_data/auction_exhibit
<費用>
・出品代行手数料:3%(業界最安値水準)
・オークションハウス出品手数料:無料
・日本から現地への送料:無料
<受付締切日時>
2023年11月18日(土)の午後5時
<出品代行特設ページはこちら>
https://www.coinpalace.jp/user_data/auction_exhibit
※出品をご希望の際は、あらかじめ下記リンク先の「代理出品利用規約」にご同意の上、ご申請くださいますようお願い申し上げます。
https://www.coinpalace.jp/user_data/auction_exhibit
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コインパレスの入札代行サービスについて
<申込方法>
ご希望のロット番号と、最大入札金額をお知らせ後、総費用の20%を一時預かり金としてお支払い願います。
<費用>
【1】の落札諸費用と【2】の出品代行手数料の合計金額が費用となります。
【1】落札諸費用
(落札額+オークションハウス落札手数料+送料+保険料)
×為替
×1.1(輸入消費税10%)
※MDCモナコオークションの場合、オークションハウスの落札手数料は落札額の20%です。
【2】出品代行手数料
【1】の金額
×0.01~0.03(入札代行手数料率)
×1.1(国内消費税10%)
▼入札代行手数料率一覧
・落札諸費用【1】が2千万円未満…3%
・落札諸費用【1】が2千万円~3千万円未満…2%
・落札諸費用【1】が3千万円以上…1%
<受付締切日時>
オークション開催日の5営業日前
<入札代行特設ページはこちら>
https://www.coinpalace.jp/user_data/auction_bid
※本記事に掲載されている落札価格は落札手数料、輸入消費税などの諸費用を含み、1ユーロ=160円にて換算されております。
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株式会社コインパレスについて
海と山に囲まれた光彩陸離たる神戸のパノラマを借景とする神戸芸術センターの30階にショールームを構えるコインパレスは、英国コインの精髄をあらゆる角度から堪能するために演出された現代の桃源郷です。
第三者コイン鑑定機関であるPCGS社とNGC社による厳格な審査を通過して認証を取得した公式認定ディーラーであり、その膨大な英国コインコレクションは、一世一代の才人ウィリアム・ワイオン畢生の大作「ウナ&ライオン」の極品を始めとする英国貨幣史の変遷を彩る博物館級の傑作を網羅するものです。
英国王立造幣局(ロイヤルミント)の公式代理店として、英国コインの代表作をご紹介させていただいております。
2012年12月に神戸の地にて創業。2013年2月には自社オンラインショップを開設し、国際化の時代を迎えて多様化しつつある英国コインを取り巻く社会に対応させていただいております。
その他、英国コイン関連の書籍の出版と翻訳、世界有数のオークションにおける入札・出品代行、委託販売のサポート、英国コインをテーマとするレクチャーやワークショップの開催等、その業務内容は多岐にわたります。
それぞれのお客様のニーズを最優先しながら、アンティーク・モダンを問わず、英国コインを媒体とする最善の資産運用法をアドバイスをさせていただきます。
我が国における英国コインと文化の発信源として、今後一層の精進を重ねてまいる所存でございます。
<公式オンラインショップ「コインパレス」>
<日本最大級の会員制エグゼクティブラウンジ / ショールーム>
https://www.coinpalace.jp/user_data/about_access
<公式SNS>
YouTubeをはじめとしたSNSを通じ、コインの持つ2つの魅力「資産的な魅力」「情緒的な魅力」を発信しております。
・YouTubeチャンネル「Coin Palace」:https://www.youtube.com/channel/UCC37n9SmLq09_q_F6BYV7lg
・Twitter:hhttps://twitter.com/coinpalace
・Instagram:https://www.instagram.com/coinpalace/
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<コーポレートサイト>
株式会社コインパレス
代表者:安井 将弘
所在地:神戸市中央区熊内橋通7丁目1-13神戸芸術センター30階
設 立:2016年2月(創業2012年12月)
事業内容:
・コインの売買
・出版事業
・セミナー事業
・オークション代行事業
・鑑定代行事業