今回の交流展は、ガラス工芸が持つ芸術性と実用性に注目し、両国の生活文化芸術の交流を実現すると同時に、多様な工芸分野での作家交流の活性化を目的としています。展示には韓国から1名、日本から2名の作家が参加し、作品が放つ美しいガラスの色でギャラリーを彩りました。
韓国側の朴鐘海(パク・ジョンヘ)作家は金沢でガラス工芸を修行したのち、韓国の江陵大学(現 江陵原州大学)の講師を経て、三陟市ガラス特性化事業団(2011年)で研究員として活躍するなど韓国と日本を往来しながら作品制作や教育活動を盛んにしている作家です。また、ガラスの中にまるで銀河を込めたような「コスモ」連作が観覧客の好評を博しています。
一方、日本側の井住哲司作家は大阪工芸協会の理事として活躍しており、繊細な作業で作り上げた美しい切子ガラスの作品が観覧客を魅了しています。
また、同じく日本側の細井基夫作家も大阪工芸協会の理事であり、作品としては抽象的なオブジェをガラスという素材で表現した大作が注目を集めています。
「2023ガラス工芸交流展」は、作家たちが出品作一部の制作のために、互いの工房を行き来しながら交流し、協力することでより交流展開催の意味が深くなっています。作業の過程を互いに共有し、アドバイスなどをし合う過程を通じて自然に両国の作家の交流が行われました。
そして、展示初日(11月16日)の午後には工芸及び美術関係者と共に一般の観覧客が集まり、 オープニングセレモニーを開催しました。
また、工芸の専門家の交流のみならず、専門家と一般の市民や愛好家間での工芸を通じた文化交流を実現するために韓国側の朴鐘海作家が講師を務める「ステンドグラス手鏡作り体験ワークショップ」も計8回開催されます。
駐大阪韓国文化院の鄭泰九(ジョン・テグ)院長は、「ガラス工芸には、素材の透明さと輝きが込められている特別な芸術です。韓国と日本の作家において、同じに見えるがまた各自の透明さや輝きを見つける交流の様子を見届けることができます。」と展示開催の挨拶を述べました。