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京都大学・早稲田大学で開催された緊急セミナーを書籍化
10月7日に起きた「ハマース・イスラエル戦争」を受けて、パレスチナ問題を長年研究する岡真理・早稲田大学教授による緊急セミナーが京都大学・早稲田大学で10月末に開催されました。
「パレスチナ問題の本質は何なのか」という歴史的な文脈、今起きていることの論点を、平易かつ力強い言葉で語ったこのセミナーは、「圧倒された」「凄まじい講演」「何が起きているのかを、歴史も振り返りながら伝える渾身の2時間半」「圧倒的にわかりやすく、説得力があり、人間味に充ちて胸を打つ」「イスラエルの武器についてや、BDSについても網羅された濃厚な知識を得られる」など反響を呼んでいます。
本書は、早稲田大学・京都大学で行われたこの講演に加筆修正を加えて書籍化。パレスチナ問題を知るための年表・ブックガイドなども付し、ここからパレスチナ問題を知る人にとって最良の入門となります。
今起きていることは何なのか?
パレスチナ問題の根本は何なのか?
イスラエルはどのようにして作られた国か?
シオニズムとは?
ガザは、どんな地域か?
ハマースとは、どのような組織なのか?
いま、私たちができることは何なのか?
さまざまな疑問に答え、単なる解説にはとどまらず「これから私たちが何を学び、何をすべきか」その足掛かりとなる、まさに「いま、最初に手に取るべき」一冊です。
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目次(仮)
■第1部 ガザとは何か
4つの要点/イスラエルによるジェノサイド/繰り返されるガザへの攻撃/イスラエルの情報戦/ガザとは何か/イスラエルはどのように建国されたか/シオニズムの誕生/シオニズムは人気がなかった/なぜパレスチナだったのか/パレスチナの分割案/パレスチナを襲った民族浄化「ナクバ」/イスラエル国内での動き/ガザはどれほど人口過密か/ハマースの誕生/オスロ合意からの7年間/民主的選挙で勝利したハマース/抵抗権の行使としての攻撃/「封鎖」とはどういうことか/ガザで起きていること/生きながらの死/帰還の大行進/ガザで増加する自殺/「国際法を適用してくれるだけでいい」
■第2部 ガザ、人間の恥としての
今、目の前で起きている/何度も繰り返されてきた/忘却の集積の果てに/不均衡な攻撃/平和的デモへの攻撃/恥知らずの忘却/巨大な実験場/ガザの動物園/世界は何もしない/言葉とヒューマニティ/「憎しみの連鎖」で語ってはいけない/西岸で起きていること/10月7日に何が起きたか/明らかになってきた事実/問うべきは「イスラエルとは何か」/シオニズムとパレスチナ分割案/イスラエルのアパルトヘイト/人道問題ではなく、政治的問題
■Q&A
ガザに対して、今私たちができることは?/無関心な人にはどう働きかければいい?/パレスチナ問題をどう学んでいけばいい?/アメリカはなぜイスラエルを支援し続けるのか?/BDS運動とは何?
■付録
もっと知るためのガイド(書籍、映画・ドキュメンタリー、ニュース・情報サイト)
パレスチナ問題 関連年表
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著者略歴
岡真理(おか まり)
早稲田大学文学学術院教授。1960年、東京生まれ。現代アラブ文学研究者。東京外国語大学アラビア語科在学中に、パレスチナ人作家ガッサーン・カナファーニーの作品を読み、「パレスチナ問題」に出会う。以来、文学作品を通して、パレスチナ問題や第三世界の女性たちの問題を現代世界に生きる人間の思想的課題として考察し続けている。著書に『アラブ 祈りとしての文学』(みすず書房)、『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房)など。
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書籍概要
書名 :ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義
著者 :岡真理
発売日:2023年12月24日
判型 :四六判
頁数 :208頁
定価 :1540円(税込)
発行元:株式会社大和書房 https://www.daiwashobo.co.jp