■なぜ、展示会デザイナーが手掛けるのか
東京ビッグサイトなどで開催される展示会の一般的な開催期間は僅か3日間。その出展者ブースをデザインする展示会デザイナーは、その3日間で集客の結果が出るようにブース内の全ての箇所を戦略的にデザインをします。単に空間をデザインするだけでなく、「結果が出ること」を最優先に考えた戦略的な空間デザインを行うことが特徴です。今回のラクセーヌ専門店街に限らず、昨今の商業施設では、どのように集客をするか、悩みを抱えている店舗は少なくないのではないでしょうか。
今回、依頼主である正眼堂(株式会社正眼堂、代表取締役 西村慎司)様は、店舗デザイナーではなく、敢えて展示会デザイナーに声を掛けられました。
■店舗デザインの方針は「メガネの話をする店」
洛西ニュータウンの中に位置するラクセーヌ専門店街の主な客層は、近隣の住民の方々がほとんどになります。近くに大型ショッピングセンターもあることから、京都市内等広域の様々な方が訪れる場所というよりは、近隣の方々が日常的に利用する、という場所であることが特徴です。
そこで、今回の店舗デザインでは「メガネを売る店」ではなく、「メガネについて会話をする店」として、近隣の方々が毎日会話に訪れたくなるような、コミュニケーションを大切にする空間として設えることとしました。
■具体的なデザイン/言葉の表現を重視し、「可変性」を持たせる。
具体的なデザインの方針として、まず「キャッチコピー」を設けています。展示会において、集客を実現するためには、何を扱っているブースなのかが「瞬間」に理解できるキャッチコピーが不可欠。今回は、「365日、眼鏡を考える店」というキャッチコピーを大きく店の入口に掲げています。また、店主の人柄を表し、自然にお声がけの雰囲気を出すように、店内に「言葉」を散りばめました。さらに、展示会デザイナーらしく、空間の軸の一つは「仮設性」。オープン時が店舗の完成ではなく、店舗を運営していく中で、自由な変更ができるように、壁面棚の高さなどの設えが自由になるワイヤーシステム什器(荒川技研工業)や、「展示会仕様」で製作した什器類を設置するなど、今後の運営状況によって自由に変化ができるような店舗の作りにしています。
■「展示会デザイン」が持つ可能性とは?
展示会に限らず、店舗デザインにおいても、デザイナーは「空間デザイン」という概念でその空間を構築します。これは、いわゆるVMDとは異なる概念です。中でも展示会はわずかな時間で集客の結果を出さなければならず、「集客の結果」という観点において、店舗デザイナーよりもシビアにデザインを考えます。このことをスーパーペンギンでは「ビジネス空間デザイン」と呼んでいます。空きテナントの増加やキラーテナントに頼らざるを得ない商業施設の現状において、どのように集客を考えるかはますます必要とされることでしょう。そのような時に、展示会デザインが持つノウハウは、商業施設集客における何らかの突破口になるのではないか、と考えています。
■正眼堂
商号 : 株式会社 正眼堂 代表者 : 代表取締役 西村慎司
所在地 : 〒610-1143 京都府京都市西京区大原野東境谷町2-5-8 ラクセーヌ専門店内
TEL: 075-332-5531
https://rakuseinu.com/
■SUPER PENGUIN/会社概要
商号 : SUPER PENGUIN 株式会社 代表者 : 代表取締役 竹村 尚久 設立 : 2005 年 6 月 2 日
所在地 : 〒141-0021 東京都品川区上大崎 3-10-50 SEED 花房山 405 TEL:03-6417-4497
事業内容: 展示会ブースデザイン、展示会集客セミナーの企画・開催
https://www.superpenguin.jp/
スーパーペンギンは、日本の各産地の展示会出展をサポートする空間デザイン会社です。日頃は東京ビッグサイトなど、大型展示会場において、展示会ブースをデザインしています。また、東京都、石川県をはじめや奈良県・福井県など様々な行政とタイアップし、集客や商品陳列を解説するセミナーを開催、独自ノウハウにより、展示場内でもっと集客のできるブースをデザインするなど成果を出す展示会支援手法で、現地の産業のサポートを行っています。
SUPER PENGUIN株式会社
代表取締役・展示会デザイナー
竹村尚久
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スーパーペンギン代表。ブースのデザインを自ら行い、集客のためのセミナー、商品陳列指導、会場での立ち位置、キャッチコピーの考案等、展示会出展に関わるサポートを全て行っています。展示会業界において、デザインとセミナーをまとめて行えるのは、日本唯一。具体的な手法まで説明するブースセミナーは全国の自治体や中小企業支援団体等からの依頼が年々増加しています。
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