レゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は2023年10~12月、20~50代の既婚者男女4,000人を対象にセックスレスの実態に関するアンケート調査を行いました。現時点で日本最大規模かつ最新のセックスレス調査です(2023年12月現在)。今回は「レス当事者」に絞った調査結果を報告します!
セックスレスはもはや日本の社会問題です。セックスレス夫婦の割合は年々増加しており、多くの調査では5~6割に達するとの結果が出ています。
レゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は2023年10~12月、過去に様々な機関が行ったセックスレス調査を大きく上回る、既婚者男女4,000人を対象とした夫婦のセックスレス調査を行いました(調査名「夫婦のセックスレスに関する実態調査」)。現時点において、日本最大規模かつ最新の調査になります(2023年12月現在)。
第1報では、20代~50代既婚者の68.2%が配偶者とセックスレス傾向にあり、このうち43.9%が完全なセックスレス状態(完全レス)にあると報告しました。
今回の第3報では、第1報の回答者4,000人のうち「完全レス」と回答した人の中から無作為に635人を抽出し、「配偶者と最後にセックスしたのはいつか?」「夫・妻のどちら側が拒否しているのか?」を尋ねた結果を報告します。
分析すると、多くのセックスレス夫婦で
・レス期間が長期にわたること
・30代がターニングポイントになること
・妻側の拒否が多数に上ること
などが判明しました。年代別・テーマ別など様々な視点から詳細に分析していますから、どうぞ最後までご覧ください。
<結果のポイント>
●レス夫婦の64.1%が「1年以上セックスなし」、「5年以上なし」は37.0%
→1年以上なし18.6%、3年以上なし8.5%、5年以上なし37.0%
→男女別では男性の約6割、女性の約7割が1年以上セックスなし
●30代→40代で「5年以上なし」が急拡大
→男性で5年以上なしは30代8.8%→40代36.3%
→女性で5年以上なしは30代20.0%→40代55.0%
●「妻が拒否」の割合は高いが、最も多い回答は「どちらでもない」
→男性の回答:「妻が拒否」が25.6%、「どちらでもない」が60.3%
→女性の回答:「自分が拒否」が31.1%、「どちらでもない」が61.6%
●女性は年齢層に関わらず約3割が夫とのセックスを拒否
→夫側の拒否は年齢層が高くなるにつれて減少傾向
→妻側の拒否は年齢層に関わらず約3割
<調査概要>
・調査タイトル:夫婦のセックスレスに関する実態調査 第3報
・調査期間:2023年10月30日~12月18日
・調査対象者:20~59歳の既婚男女635人(男性320人、女性315人)
※第1報の回答者4,000人のうち「完全レス」と回答した人から無作為に635人を抽出
・調査方法:インターネット(セルフ型アンケートツールFreeasyを利用)
・エリア:全国
・調査機関:レゾンデートル株式会社(https://raisondetre-inc.co.jp/)
・調査報告の掲載:https://healmate.jp/survey/
・本報告の発表日:2023年12月27日
<調査対象者について>
下表の通り男女、年齢層ともに均等なサンプルになっています。
男性(320人) |
女性(315人) |
|
20代 |
80人(25.0%) |
75人(23.8%)※ |
30代 |
80人(25.0%) |
80人(25.4%) |
40代 |
80人(25.0%) |
80人(25.4%) |
50代 |
80人(25.0%) |
80人(25.4%) |
※第1報に回答した20代女性500人のうち「完全レス」と答えた人が少なく80人を確保できなかった。
回答者は鳥取県・島根県・大分県を除く全都道府県に分布しており地域的な偏りはありません。東京都(95人)、愛知県(62人)、神奈川県(53人)、大阪府(50人)、埼玉県(44人)、千葉県(37人)、福岡県(28人)、北海道(24人)など、概ね人口分布にも沿っています。
子どもの有無は、子ども有が474人(74.6%)、子ども無が161人(25.4%)でした。
1 レス当事者が最後に夫・妻とセックスしたのはいつ?
第2報では結婚3年未満ですでに51.8%がセックスレス傾向(完全レス+ややレス)という衝撃的な結果を紹介しました。今回の第3報以降は「完全レス」の人に限定した調査の結果になります。「完全レス」の人は、いつから夫・妻とセックスしていないのでしょうか? 尋ねたところ、次の結果となりました。
「完全レス」の人の64.1%が配偶者と1年以上セックスしておらず、うち37.0%は5年以上していないことが分かりました。長期間のレス(長期レス)が大半を占めるという結果です。続いて、男女別にみると次の結果になりました。
男性の59.4%、女性の68.9%が1年以上レスという結果になりました。1年以上・3年以上・5年以上の長期レスの割合は、いずれも男性よりも女性の方が高いです。
本来なら男女同割合になるはずですが、「男性で長期のレスに悩む人の一部がアンケートに応じていない」「女性で1年未満のレスの人の一部がセックスに関するアンケートを忌避する傾向がある」などのバイアスがあるかもしれません。
※なお、「完全レス」なのに「1か月以内」と回答した人が4.7%いました。日本性科学会の定義(1994年)では「(挿入と伴わない性的コンタクトも含む)性的接触が1か月以上ないカップル」をセックスレスとしますが、今回の「夫婦のセックスレスに関する実態調査」では本人がセックスレスととらえるかという主観的な意識を重視しています(第1報参照)。そのため、この4.7%は「セックスレス状態ととらえているが(たまたま)1か月以内にした」ということでしょう。
■男性・年齢層別:いつからレスか
男性の結果を年代別にみてみましょう。すると、年齢層により大きな違いがあることが分かりました。
20代→30代→40代→50代と年齢層が上がるにつれて1年以上の長期レスの割合(青帯全体)が27.6%→48.8%→71.4%→90.1%と、約20%ずつ上昇していくのは興味深いところです。半年以上なし~その他の層が20%ずつ長期レスに加わっていくというイメージになるでしょうか。
また、長期レスの内訳も各年齢層で大きく異なるのが興味深いところです。特に30代→40代での「5年以上なし」の割合の急拡大が注目でしょう(後述)。また、40代→50代の「5年以上なし」の倍増も注目されます。50代男性のレスのほとんどは固定した長期レスと言えそうです。
■女性・年齢層別:いつからレスか
次に、女性の結果を年代別にみてみましょう。
20代→30代→40代→50代と年齢層が上がるにつれて1年以上の長期レスの割合(ピンク帯全体)が42.6%→59.3%→80.1%→92.6%と、男性と同様に漸増していきます。20代~40代は男性よりも長期レスの割合が10%高くなっているのが興味深いところです。
各年齢層における長期レスの内訳も男性と似た傾向を示します。男性同様に30代→40代での「5年以上なし」の割合の急拡大が特に注目です(後述)。特に女性の場合は40代で5割以上が「5年以上なし」となっていて、すでに40代からレス当事者の半数以上が固定した長期レス状態にあると言えそうです。
■セックスレス解消は30代がカギ?
次のグラフは、男女別・年齢層別ですでに紹介したデータの再掲です。30代と40代の「5年以上なし」の変化を掘り下げたいと考えます。セックスレス解消の重要なカギになると思えるためです。
30代から40代にかけて「5年以上なし」のレス当事者が、男性では約4倍、女性では約3倍に急拡大しています。これは30代で「3年以上なし」「1年以上なし」がほとんどそのまま移行していると考えられるでしょう。
30代といえば多くの場合、子どもがある程度、成長して小学生くらいになる時期です。子育てにも少し余裕が生まれる頃ですが、この時期にセックスを再開できない夫婦が多いため、全体のセックスレス割合を押し上げているのかもしれません。
第2報で紹介した通り、結婚早期から多くのカップルがレス傾向にあるため、そもそも夫婦の在り方、夫婦の性の在り方を再考する必要はありますが、セックスレスを解消したいなら30代での対策が重要になるでしょう。
一般的には、屋外で2人きりのデート日を設ける、家事・育児の分担をさらにすすめる、話し合う、寝室の環境を変えるなどが効果的とされています。
2 夫と妻のどちらが拒否しているのか
夫婦間のセックスレスのイメージは「一方はしたいと思っているが片方が応じない」というものでしょう。家事や育児などで疲れた妻が夫の求めに応じないイメージがありますが、実際はどうでしょうか。
男性・女性別に「どちらが拒否しているのか」を聞いてみました。すると意外な結果が…。
男性側・女性側ともに「夫よりも妻が拒否している」という認識で、そこは予想通りでした。しかし予想と大きく異なり、最も多い回答は「どちらでもない」だったのです。男女ともに60%以上を占めています。
つまり、どちらかが明確に拒否をした訳ではなく自然にセックスレスになっているという状態が大半のようです。
性に対して淡泊になっている(草食化傾向)、代替手段が多くある(婚外パートナー・アダルトコンテンツ・性産業)、性について夫婦で話し合える関係にない(関係性の浅薄化、繊細性、衝突を避ける傾向など)などの理由が考えられますが、今後の調査課題になります。
■男性・年齢層別:どちらが拒否しているか?
男性の結果を年代別にみてみましょう。
「どちらでもない」が最も多く、次に「妻が拒否」で、「自分(夫)が拒否」は最も少ないという構造は変わりませんが、20代で「自分(夫)が拒否」の割合が2割に上るのが注目されます。
婚外恋愛に関するアンケート調査ではありますが、こちらのデータにある通り、女性は体の関係に「性欲の解消」よりも「心の繋がり・癒し」を求めます。20代は出産などを経て夫婦関係が変化する時期です。そのため、夫の愛情を確認しよう、再び夫との関係を再構築しようとしてセックスを求める妻を、夫が拒否するというケースが考えられます。
また、20代男性はまだ仕事に慣れず、若手として様々な仕事を振られるなどで余裕がない時期でもあるでしょう。仕事で疲れてしまって家ではぐったりし、「とても妻を抱く気になれない」という男性も多いと思われます。
■女性・年齢層別:どちらが拒否しているか?
続いて、女性の結果を年代別にみてみましょう。
女性の場合は驚くことに、どの年齢層でも「自分(妻)が拒否」が約3割で固定しています。「夫に抱かれたくないと断固拒否している人が3割」ということでしょうか。
3 まとめ
今回はセックスレス調査の第3回目の報告です。既婚者全体を対象にした第1回・第2回と異なり、対象を「レス当事者」に限定したものになります。
今回の調査では、レス当事者の多くが1年以上レスの続く「長期レス」であることが分かりました。長期レスは30代で過半数となり、40代になるとそのうち「5年以上のレス」が急拡大します。レス解消には30代がターニングポイントになりそうです。
また、レスは夫・妻のどちらかが拒否することで起こるよりも、大半のケースは「何となく自然に発生している」ことが分かりました。過去のセックスレス調査では判明しなかった新しい事実だと考えます。
今後も当事者に限定した報告が続きます。次回はいよいよ「セックスレスの原因」を深掘りしますので、ご注目下さい。
※詳細なデータを含めた結果はこちらのページに公開予定です。
⇒「夫婦間のセックスレスに関する実態調査」第1報(既婚者の7割がレス傾向)はこちら
⇒「夫婦間のセックスレスに関する実態調査」第2報(新婚の5割がレスほか)はこちら
◎調査の目的
私どもレゾンデートル株式会社(東京都新宿区)は、「結婚後の新たな生き方」を提案する既婚者向けメディアやネットサービスの展開を行うシステム開発です。現代の夫婦関係のあり方や多様性を把握し、今後のサービス開発に向けた市場動向を探るため、今回の調査を企画しました。
◎調査内容・本リリースに関するお問い合わせ
今回の調査内容やデータの詳細に関するお問い合わせ、報道関係の皆様の取材依頼やお問い合わせは下記までお願い申し上げます。
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レゾンデートル株式会社(https://raisondetre-inc.co.jp/)
〒160-0022 東京都新宿区新宿4-3-15 レイフラット新宿B棟3F
問い合わせアドレス : info@healmate.jp
担当:浦野
レゾンデートル株式会社
すべての人が自分の存在意義を見つけられる社会の実現に向け、より良い人生を送る新たな生活スタイルを提案する会社です。ECサイトの開発・運営、既婚者向けインターネットサービスの開発・運営を軸に、市場調査・サービス展開・システム開発で人々に貢献してまいります。
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