富士通がライスボウル3連覇!
パナソニックとの接戦制して8度目の日本一
パナソニック インパルスと富士通フロンティアーズによるアメリカンフットボール日本選手権プルデンシャル生命杯第77回ライスボウルが1月3日、東京ドームで行われた。3年連続の同一カードとなった頂上決戦は、富士通が16対10で勝利してライスボウル3連覇を飾った。富士通は8度目の日本一の座に就いた。
前半キックスタートの富士通は、パナソニックのファーストドライブをスリーアンドアウトで止めると、自陣29ヤードからスタートした攻撃で、クオーターバック(QB)高木翼が異なるレシーバーに次々とパスを決めて敵陣内まで進入する。さらに相手の反則に乗じてゴール前5ヤードからは、今シーズンXリーグMVPに輝いたランニングバック(RB)トラショーン・ニクソンが、華麗なステップでエンドゾーン内へボールを運び、富士通がパナソニックとの3度目のライスボウル決戦で初めて先制した。
その後はこう着状態が続きスコアボードは動かなかったが、パナソニックは第2クオーター序盤にディフェンスバック(DB)ジョシュア・コックスのインターセプトが決まり自陣45ヤードで攻撃権を奪取。第1クオーターは鳴りを潜めていたRB立川玄明やミッチェルビクタージャモーのランを軸に敵陣奥深くまで歩を進めると、ゴール前1ヤードではRB立川が頭から突っ込みタッチダウン。パナソニックはトライのキックも決めて、試合を振り出しに戻した。
追いつかれた富士通は前半終了2分前に自陣20ヤードからドライブを開始。QB高木が柴田源太やサマジー・グラントらWR陣へ巧みにパスを投げ分け、ゴール前11ヤードまで前進する。ここで司令塔の高木が果敢にタッチダウンパスを狙いにいくも、パナソニックの強力守備を前にエンドゾーンは遠くフィールドゴールによる加点に留まり、富士通が10対7で前半を折り返した。
3点を追うパナソニックは後半にランが機能し始め、立川やジャモーの重厚なランでゲインを続ける。タッチダウンを奪えないまでも、キッカー(K)佐伯眞太郎が36ヤードフィールドゴールをきっちりと沈めて、同点に追いついた。第3クオーターは両軍あわせてこの得点だけに終わり、勝負の行方は最終クオーターに委ねられた。
リードがなくなった富士通も、ニクソンのランを軸に攻め立てる。敵陣21ヤードまで攻め入ると、QB高木が右のWRグラントへピッチ。ボールを受けたグラントは、エンドゾーン右コーナーへ走り込んできたWR木村和喜へふわりとした柔らかいタッチのパスを投げると、これを木村が見事にキャッチして勝ち越しに成功した。しかし、トライのキックはブロックされ、富士通のリードは6点となった。
なおも富士通は、自陣ゴール前7ヤードまで攻められるも、パナソニックのフォースダウンギャンブルを防ぎ瀬戸際でピンチの芽を摘む。その後もお互いの意地がぶつかり合い、一進一退の攻防が繰り広げられる。
そして迎えた試合残り1分58秒からのパナソニックのファイナルドライブ。富士通は自陣まで攻め込まれるが、パナソニックの最後の望みをかけたフォースダウンギャンブルを、ラインバッカー(LB)山岸明生が鋭い出足でプレッシャーをかけてがっちりストップ。タイムアウトが残っていないパナソニックを尻目に、最後はウイニングフォーメーションを組んで試合終了のホイッスルを聞いた。
大会最優秀選手(MVP)には、レシーブで3回捕球52ヤードに加えて、決勝のタッチダウンパスを投じた富士通のWRグラントが選ばれた。
試合前には、1月1日に発生した能登半島地震の被災地に向けて黙とうが行われた。また、被災者支援のために試合会場の東京ドーム内で行われた募金では346,418円が集まった。募金は後日、日本アメリカンフットボール協会によって石川県東京事務所に開設された義援金受付窓口に届けられる予定。
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