株式会社アリベ(所在地:滋賀県近江八幡市、代表取締役:加納亜美子)は、2024年1月17日(水)、学芸員有資格者で陶磁史研究家、加納亜美子と、加納の実姉、玄馬絵美子との共著で、『あたらしい日本洋食器の教科書 日本史とデザインで楽しくわかる「やきもの」文化』を翔泳社から刊行、全国の書店で販売を開始しました。
これまで「日本のうつわの本」というと、こだわりの作家ものや和食器の骨董品の本がメインでした。しかし、実際に一般家庭の食器棚にあるのはそうした食器ばかりでしょうか?一般家庭には、メーカーや窯元の量産品食器(プロダクト)が、もっとも多く使われているのです。それにもかかわらず、今まで書籍でその魅力や実践的な使い方を詳しく取り上げられたことはありませんでした。
そこで本書では、陶磁器業界がなかなか伝えてこなかった素晴らしいプロダクトの日本洋食器の魅力について、わかりやすく解説しています。初心者向けの4コマ漫画つきで、楽しみながら学べるところもポイントです。
本書は、2022年に刊行した『あたらしい洋食器の教科書 美術様式と世界史から楽しくわかる陶磁器の世界』(翔泳社)のシリーズ第二弾でもあります。前作は発売と同時に驚きの情報量と内容の深さでたちまち業界の話題を呼び、韓国、中国、台湾で翻訳本が刊行されました。
本書は、前作の単なる続編や二番煎じではなく、重複する項目もすべて内容を「日本の洋食器」向けに刷新した書下ろしです。明治維新のチャレンジ精神あふれる創業者の歴史、歴史人物の波乱に満ちた人間ドラマ、東洋と西洋の文化をつなぐかけ橋となったやきもの文化など、ドラマティックなストーリーを解き明かします。
■ 本書刊行の特徴
西洋で「洋食器」となった和食器があった!歴史秘話からわかる陶磁器の世界
あまり一般には知られていないことですが、江戸時代に和食器は出島から輸出され、その和食器デザインが西洋でなんと「洋食器」となりました。
西洋では伊万里焼を「イマリ」、薩摩焼を「サツマ」と呼び、それを真似たデザインの西洋洋食器が19世紀に大流行したのです。やきものの世界では伊万里焼(有田焼)や薩摩焼が特別扱いされることはそれほどありませんが、西洋洋食器の世界では、当時これらのやきものは出色の存在だったのです。
ここで歴史好きの人はふと、あれ?と思いませんか。明治維新を牽引し、多くの要人を輩出した「薩長土肥」(薩摩藩、長州藩、土佐藩、肥前藩の略)を思い出してみて下さい。ここに「イマリ」の肥前藩と「サツマ」の薩摩藩が入っているのは偶然でしょうか…?ずばり、そこに歴史の秘めたるストーリーが隠されているのです。
本書は、文字通り「あたらしい」テーマをたくさん盛り込んだ日本の洋食器を知るための本です。何が「あたらしい」のかというと、先述したプロダクトの日本洋食器の魅力発信や歴史秘話はもちろん、個別に紹介されていた食器メーカーと窯元のやきものとが、同じ「日本の洋食器」というテーマで共演したことです。これにより、今まで片方ずつの視点で表現されてきた両者の特徴やそれぞれの持ち味が、横断的にわかるようになりました。
また、教科書としてのわかりやすさを追求し、オールフルカラーで豊富な写真とイラスト、図解やデザインにも細かくこだわって作りあげています。詳細な日本の食器メーカー紹介をはじめ、製造や原料、文様やデザインといった基礎知識、やきもの文化の神髄とモダンデザインとの関わり、料理との相性や集め方など、日本洋食器の具体的な実例まで網羅しました。さらに、日本史を交えた陶磁史、著名人のやきもの論をかみ砕いて紹介したコラムまで、幅広い知識を1冊におさめた、まさに「日本洋食器がまるごとわかる」本です。
■ 著者の紹介と本書刊行の背景
冷遇されてきたプロダクトや日本洋食器 魅力を伝えるために立ち上がる
著者である加納亜美子は、近年低迷する陶磁器業界を盛り上げるべく株式会社アリベを創立、学芸員資格を取得します。現在は講演や執筆、メディア出演や出版企画など幅広く活動しています。
西洋洋食器を解説した前作『あたらしい洋食器の教科書』が好評を得ると、日本各地のやきもの産地やメーカーから「ぜひ今度は日本の洋食器を取り上げて欲しい」との要望を受けました。現地取材を重ねる中で、日本の陶磁器業界では「量産品食器(プロダクト)」や「洋食器」ジャンルが冷遇されている現状を痛感します。それは何よりも、プロダクト、洋食器の本当の魅力が十分に消費者に伝わっていないからだと考えました。そして「伝統の歴史だけでなく、ぜひ現在の取り組みも知って欲しい」とのもどかしい思いを、やきもの産地、メーカー双方から受け取りました。
作家ものとは役割の異なるプロダクトの本来の目的や、プロダクトならではのすばらしさをしっかり伝えたい。そして、表面的な陶磁史だけをなぞった従来の入門書の情報を、新しい時代にアップデートしたい。こうして、「食器メーカー」と「やきもの産地の窯元」が「洋食器」という舞台上で共演する、業界初の意欲的なテーマの本を執筆することになったのです。
■ 本書の構成・概要
どんなところが「あたらしい」?これ1冊で日本の洋食器のすべてがわかる
本書は、以下の通りの構成となっています。
第1章 洋食器・和食器の基礎知識
【ここがあたらしい!】
「西洋と日本の洋食器の違い」など、今まで注目されてこなかった項目を原料から徹底分析。釉薬、製造方法、歴史の概要、アイテムの種類、デザイン…今まで業界で「当たり前」と思って説明されていなかった専門用語も、図解しながら丁寧に解説しています。
第2章 日本の洋食器
【ここがあたらしい!】
食器メーカーの解説では、特徴や歴史、得意とする分野などを紹介し「どこがどのように素晴らしいのか」読者目線で表現しました。
第3章 日本洋食器のデザイン
【ここがあたらしい!】
やきものの文様がいかにして日本洋食器の近代(モダン)デザインとなったのか。19~21世紀のデザイン史とともに連動した洋食器の変遷を多数の食器で紐解く。
第4章 日本史と日本陶磁器
【ここがあたらしい!】
朝鮮出兵、出島、岩倉使節団、万国博覧会、高度経済成長期…ドラマティックな日本史の裏で誕生した食器デザインを、新しい高校歴史教育「歴史総合」の視点でわかりやすく解説。
第5章 日本洋食器の楽しみ方
【ここがあたらしい!】
洋食器と和食器の組み合わせ方、メーカーと窯元の使い分けなど、日本洋食器ならではのポイントを押さえた実践的な使い方を紹介。
章末4コマ漫画
【ここがあたらしい!】
各章末には、章ごとの概要をザックリつかめる初心者向けの4コマ漫画つき。
発売日:2024年1月17日(水)
価格:2,970円(本体2,700円+税10%)
出版社:翔泳社
全国の書店、ネット書店などでご購⼊いただけます
・翔泳社の通販 SEshop: https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798178264
・Amazon: https: https://www.amazon.co.jp/dp/4798178268
■ 著者プロフィール
加納亜美⼦
株式会社アリベ代表取締役。学芸員資格保有。塾講師、洋食器輸入会社を経て、高級食器シェアリングサービス「カリーニョ」の運営を始める。洋食器の講演、コンサルティング、フードスタイリング、美術展覧会の企画運営、芸術・教養分野の出版企画など幅広く活動している。共著に『あたらしい洋食器の教科書』(翔泳社)がある。
⽞⾺絵美⼦
株式会社アリベ取締役。薬剤師。陶磁器・文芸評論家。加納の長姉。
薬剤師として働く傍ら、陶磁器・美術・文芸を独学で研究。陶磁器、文芸に関する講演、執筆などを行う。共著に『あたらしい洋食器の教科書』(翔泳社)がある。
■ 4コマ漫画担当
まみこ
株式会社アリベ取締役。薬剤師4コマ漫画家。加納の次姉。
薬剤師として働く傍ら、薬剤師18万人が登録する「日経ドラッグインフォメーション Online」(日経BP)で4コマ漫画「ガンバレ薬剤師」を2017年より連載中。
公式サイト・問い合わせ先
株式会社アリベ 公式サイト
【本件に関するお問い合わせ先】
企業名:株式会社アリベ
広報担当:加納亜美子
TEL:050-3733-9395
Email: info@aribe.co.jp
<プレスリリースのダウンロード>
▼以下よりプレスリリースのダウンロードが可能です。
https://prtimes.jp/a/?f=d37752-4-a671e62d24b6c2cd99852407fd525680.pdf
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