ジブリパーク(愛知県長久手市)の新エリア「魔女の谷」が3月16日(土)に開園します。それに先立ち、2月28日(水)にメディア向け内覧会を開催し、「魔女の谷」を初公開しました。
「魔女の谷」は魔女が登場するスタジオジブリ作品をイメージしたヨーロッパ風のエリアです。『魔女の宅急便』の「グーチョキパン屋」や「オキノ邸」、『ハウルの動く城』の「ハッター帽子店」や「ハウルの城」、『アーヤと魔女』の「魔女の家」が建っている他、「メリーゴーランド」や「フライングマシン」といった遊具、レストラン、ショップなどがあります。
ジブリパークのある愛・地球博記念公園内で同日、「ジブリパーク施設説明会」を開きました。ジブリパークの制作現場を指揮したスタジオジブリ宮崎吾朗監督が登壇し、「およそ 7年の歳月をかけてやっとここまで辿り着いてほっとすると同時に、愛知県の皆さん、設計会社や施工会社といったあらゆる人たちに感謝したいという気持ちでいっぱいです」と語りました。
ジブリパークの歩み
5エリアで構成するジブリパークは2022年11月1日に開園しました。
愛知県とスタジオジブリが2017年5月、愛・地球博記念公園でのジブリパーク整備構想に合意。第1期整備エリアの「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」が2022年11月にオープンしました。
第2期整備エリアのうち1つが2023年11月1日にオープンした「もののけの里」、そしてもう1つが「魔女の谷」です。
「ジブリパーク施設説明会」での宮崎吾朗監督コメント(一部抜粋)
「魔女の谷」は森に囲まれているので、周りの世界とは切り離されたような独自の空間を生み出せると思いました。ジブリ作品は日本を舞台にした和風な作品もあれば、ヨーロッパをほうふつとさせるようなファンタジックなものも多いんですよね。そこで、魔女をテーマにした洋風な世界観を作ってみました。
「ハウルの城」は(簡単に)図面に引けない建物ですよね。平面的に見ても、直角で交わるところがあまりなくて、なおかつ建物の下部は不思議な形をしているので、三次元的に設計する必要がありました。コンピュータがあって本当に良かったです(笑)。それでも、いざ現場で作ってみるとうまくいかないことも多くて、1つ1つクリアしていきました。
「サツキとメイの家」は2005年の愛知万博の時に建てさせていただいたので、もう20年経つんですよね。今後20年も100年もジブリパークが愛されることを願っています。
(もし第3期整備エリアがあるとしたら何をつくりたいですかという問いには…)「やれ」と言われたらご協力させていただきます。 ※宮崎吾朗監督のプロフィールは後頁に掲載しています。
(1)「魔女の谷」の建物・施設を一部紹介
①グーチョキパン屋
『魔女の宅急便』の主人公キキと黒猫ジジが暮らしたパン屋です。ヨーロッパの伝統的な木造建築技法であるハーフティンバー様式の2階建てです。1階のパン屋では実際にパンを購入し、お持ち帰りいただけます。キキやジジが寝泊まりした屋根裏部屋もあります。
※パン屋の営業時間はジブリパーク営業時間と同じです。商品は売り切れの場合がございます。
②オキノ邸
『魔女の宅急便』の主人公キキが魔女の修行に旅立つ前まで過ごした2階建ての家です。家の前にある庭園では四季にちなんだ花や草が植えられています。家の隣には車庫があります。1階の玄関から中に入ると、左側にあるのは母親のコキリが薬を作っている魔女の店です。他に客間や居間、台所があります。2階にはキキの部屋や、魔女を研究している父親の書斎があり、オキノ一家の生活を垣間見ることができます。
※「ジブリパーク大さんぽ券プレミアム」をお持ちの方は「オキノ邸」の内部を観覧できます。
※魔女の店では商品を販売していません。
③ハッター帽子店
『ハウルの動く城』の主人公ソフィーが切り盛りする2階建ての帽子店で、ソフィーの作業場やショップがあります。ヨーロッパの伝統的な木造建築技法であるハーフティンバー様式の外観が印象的です。中庭から建物の奥に進むと、ソフィーが帽子を製作する作業場をのぞくことができます。
1階のショップ「ハッター帽子店」ではオリジナルのキャンディー缶や帽子を販売し、中庭から2階に上がると魔女や魔法にまつわる書籍が揃う本屋「魔女の本棚」があります。
④ハウルの城
『ハウルの動く城』に登場した、生き物のような形をした存在感のある城(高さ約20m)です。1時間に数回、城の一部が動き煙をはく、まさに“動く城”。城の周辺には劇中をほうふつとさせる荒地が広がり、かかしのカブがたたずんでいます。
2階建てで、正面の階段から1階に入ると、薄暗い雰囲気の中に居間があり、カルシファーの炉や流し台、テーブル、ソフィーの部屋などがあります。2階にはハウルの寝室やハウルの衣裳部屋、ハウルのアトリエのほか、浴室やマルクルの部屋があり、城の中での生活を伺えます。
※「ジブリパーク大さんぽ券プレミアム」をお持ちの方は「ハウルの城」の内部を観覧できます。
⑤魔女の家
『アーヤと魔女』の主人公アーヤが引き取られた家です。魔女ベラ・ヤーガの作業部屋やアーヤの寝室などがあります。
ベラ・ヤーガの作業部屋はあやしげな雰囲気に満ち、ミステリアスな魔法の材料が隙間なく置かれています。ベッドなどが置かれたアーヤの寝室にあるのぞき穴からはどんな世界が見えるのでしょうか。他に図書室やバスルーム、キッチンもあります。
※「ジブリパーク大さんぽ券プレミアム」をお持ちの方は魔女の家の内部を観覧できます。
⑥メリーゴーランド
「年に一度、村にやってくる移動遊園地」をイメージした乗り物遊具です。『魔女の宅急便』や『ハウルの動く城』、『もののけ姫』といった作品に登場する乗り物や動物・キャラクターをモチーフに装飾しています。屋根には『ハウルの動く城』のハウルとソフィーの装飾があり、乗車中は特別にアレンジされた同作品の背景音楽「人生のメリーゴーランド」が流れます。
料金:3~12歳500円(2歳以下無料)、大人1,000円
※荒天時は運行を中止します。利用に関する詳細はウェブサイトをご確認ください。
⑦飛行機乗りの塔
『天空の城ラピュタ』のパズーや『魔女の宅急便』のトンボのような空を飛ぶことに憧れる少年の家をイメージした子ども向けの遊び場です。天井を見上げるとオーニソプター(羽ばたき式飛行機)が浮かんでいます。1階から2階へは遊戯施設のように上がることができます。
※1階と2階をつなぐ部分を登ることができるのは小学生(12歳)以下が対象です。
⑧フライングマシン
「年に一度、村にやってくる移動遊園地」をイメージした子ども向けの乗り物遊具で、「飛行機乗りの塔」に隣接しています。乗り物は『天空の城ラピュタ』の世界をモチーフにしています。フライングマシンの中心には、ラピュタとタイガーモス号があります。
対象年齢:3~12歳
※大人のみの利用不可。付き添いの場合のみ、子ども1名に対し大人1名利用可(有料)
料金:1名500円
※雨天時は運行を中止します。利用に関する詳細はウェブサイトをご確認ください。
⑨廃墟(はいきょ)通り、時計塔
かつての集落の名残を感じさせる石壁が並ぶ通りで、近くには荒地と古井戸があります。
ほうきで飛ぶ魔女2人の屋根飾りが目を引く時計塔があり、3つの鐘が魔女の谷に時を告げます。時計塔を登ると「ハウルの城」が一望できます。
⑩空飛ぶオーブン
魔女の谷の入口に近くにあるレンガ造りのレストランです。パイやキッシュといったヨーロッパらしいオーブン料理を中心に提供します。
「ミートパイ」や「魔女の谷のシェパーズパイ」をはじめとした伝統的なオーブン料理に加え、愛知らしさを取り入れた「ナポリタンのキッシュ」などジブリパークオリジナルのメニューもお楽しみいただけます。スイーツメニューのほか、オリジナルラベルの「魔女の谷のビール」も用意しています。
店舗の上階には屋上庭園があります。
■営業時間 11:00~17:00(ラストオーダー16:00)
※営業時間は今後変更の可能性がございます。
※そのほかのメニュー詳細はウェブサイトをご確認ください。テイクアウトメニューはございません
⑪ホットドッグスタンド ホット・ティン・ルーフ
黄色の外観にネオンが光り、ネコがドタバタと飛び跳ねる看板のテイクアウト専門店です。ネコの手の形をしたパンでアツアツの大きなソーセージを挟んだオリジナルのホットドッグ「ネコの手ドッグ」は白と黒の2種を提供します(各種990円)。ソーセージは愛知の三河豚を使用しています。この他、フライドポテト、魔女の谷のビールやソフトドリンクを販売します。商品をお受け取りになった後はエリア内のベンチでお召し上がりください。
※価格は税込表示です。商品が売り切れ次第、営業を終了する場合がございます。
⑭13人の魔女団
魔女の谷のオリジナルグッズが揃うショップです。個性的な棚に、魔女の谷にある建物やアイテムをモチーフにしたグッズをはじめ、作品をイメージした商品が並びます。
※商品は売り切れの場合がございます。
(2)チケット 3月10日(日)14:00に5月入場分を発売
チケットは魔女の谷開園で5エリア全てがそろう2024年3月入場分から新しくなります。
エリアごとに販売してきた従来のチケットから、ジブリパークの複数エリアをおさんぽ(周遊)できるチケットに変更いたします。
チケットは予約制、毎月10日14:00発売。3月10日(日)14:00に5月入場分を発売します。
Boo-Woo(ブーウー)チケット(https://l-tike.com/bw-ticket/ghibli/ghibli-park/)、
ローソンやミニストップ店頭の「Loppi」、ローチケWEBで購入可能です。
■ジブリパーク大さんぽ券
5エリア全てを周遊できるスタンダードなチケットです。
アニメーション映画の世界を表現した街並みや風景を巡り、1日過ごすことができます。
魔女の谷ではヨーロッパ風の世界に浸りながら、「グーチョキパン屋」や「ハッタ―帽子店」などの入場や観覧、「メリーゴーランド」*や「フライングマシン」*の利用ができます。ジブリの大倉庫では映像展示や3つの企画展示、子ども向けの遊び場などを楽しめます。さらに、カフェ・レストランやショップ、もののけの里の「五平餅炭火焼(ごへいもちすみびやき)体験」*も利用できます。
*別途有料です。
■ジブリパーク大さんぽ券プレミアム
ジブリパーク大さんぽ券と同様に5エリア全ての入場に加え、「地球屋」(青春の丘)、「サツキとメイの家」(どんどこ森)、「オキノ邸」、「ハウルの城」、「魔女の家」(以上、魔女の谷)の特定5つの建物内部を観覧できます。
■ジブリパークさんぽ券
入場直前に購入するタイプのチケットで、入場日1週間前の17:00に発売します。
青春の丘、どんどこ森、もののけの里、魔女の谷の屋外4エリアに入場できます
(魔女の谷のみ、午前/午後の指定入場時間がございます)。
料金は平日が大人1,500円、子ども(4歳~小学生)750円、
土日曜・休日が大人2,000円、子ども1,000円です。
3月16日(土)入場分は3月9日(土)17:00に発売します。
≪チケットご購入に当たっての注意事項≫ 3券種共通
※チケット全て予約制です。※別途、ご購入に当たり、システム利用料(1枚につき110円)が掛かります。
※子どもの対象は4歳~小学生(12歳)。3歳以下は無料です。
※ジブリパーク指定の障害者手帳をお持ちの方と、同伴者1名は各券種の半額料金です。
※この他、チケットご購入に際して注意いただきたい点がございます。
ウェブサイトのチケットページ(https://ghibli-park.jp/ticket)をご確認ください。
(4)ジブリパーク 概要
所在地
愛知県長久手市茨ケ廻間乙1533-1 愛・地球博記念公園内
※ジブリパークの5エリアは愛・地球博記念公園内に点在します。エリア間のご移動は徒歩
もしくは公園の園内バス(無料)をご利用ください。※ジブリパークの専用駐車場はありません。
営業時間
平日10:00~17:00、土日曜・休日9:00~17:00
休園日
火曜(休日の場合は翌平日)、年末年始他。
3月15日(金)まではメンテナンス等により休園。
ご利用案内
ジブリパークでは一部を除き、建物内の撮影をご遠慮いただいております。
原則、建物内の飲食はご遠慮ください(レストランやカフェなどの飲食施設や、
一部の売店を除く)。
詳細はウェブサイトをご確認ください。
ウェブサイト
Xアカウント
https://twitter.com/ghibliparkjp
宮崎吾朗ジブリパーク監督 プロフィール
967年生まれ。信州大学農学部森林工学科卒業後、建設コンサルタントとして公園緑地や都市緑化などの計画、設計に従事。
1998年より三鷹の森ジブリ美術館の総合デザインを手がけ、2001年より2005年6月まで同館の初代館長を務める。2005年開催の愛・地球博で「サツキとメイの家」の制作を担当した後、2006年公開『ゲド戦記』でアニメーション映画を初監督。2011年『コクリコ坂から』で2作目の監督を務める。2014年秋から翌春にかけて、TVアニメーションシリーズ初監督作品『山賊の娘ローニャ』を発表。長編監督作3作目『アーヤと魔女』は2020年12月にテレビ放送、2021年8月に劇場版公開された。
ジブリパークでは制作現場を指揮する監督を務め、2024年3月16日(土)開園の「魔女の谷」で5エリア全てがそろう。
© Studio Ghibli
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