1.導入の概要について
■ 保育業界を取り巻く現状と導入の背景
女性の就業率の向上とそれに伴う共働き世帯の増加により、1・2歳児の保育所などの利用率は過去10年で約2倍近くに増え、近年では50%を超えており※1、保育施設は働きながら子育てをする人達の社会インフラとして重要な役割を担っています。一方、全国の保育士の有効求人倍率は約2.5倍と、全職種平均(約1.4倍)と比較すると依然として高い水準で推移※2しており、保育士不足は深刻な社会課題のひとつです。
また、保育士資格を有しながら保育士として働いてない“潜在保育士”は約100万人※3と、保育士有資格者全体の約60%を占めていますが、その主因は長時間労働や業務負荷の大きさとされています※4。こうした課題を解決するため、保育者が働きやすい環境を構築することが急務であり、ICTを活用した保育現場のDXが求められています。
江東区においては、新型コロナウイルス禍を通じて急速に高まったICT化需要に適切に対応するとともに、年々煩雑化している保育園の業務効率化及び保護者の登降園や欠席連絡等の利便性向上を図ることにより、相乗的に保育園の危機管理体制、安全管理体制、保護者とのコミュニケーション力及びこどもと向き合う時間の確保を強化し、保育の質の向上を推進することを目的として、ルクミーの導入に至りました。
■ 導入サービス
今回導入されたのはスタンダードプラン(ルクミー登降園、ルクミークラスボード、ルクミーおたより等)です。
サービス名 |
サービス内容 |
ルクミー クラスボード |
クラス運営に必要なさまざまな情報を一元管理できるサービス。連絡帳と登降園と連携することで、体温・睡眠・食事・排便等の記録、お迎え予定等が記録されます。 |
ルクミー おたより |
保育施設からのおたより・お知らせを保護者へ確実にスピーディに一斉送信できるサービス。 |
ルクミー 登降園 |
園児の登降園時間を記録・管理するサービス。 |
2. ルクミーおよびユニファについて
■ ルクミーについて
保育者の業務は、子ども達の登降園管理やお昼寝(午睡)時の見守り、保育日誌や保育計画の作成、保護者や自治体へ提出する書類作成、保育者のシフト管理まで、非常に多岐にわたります。
「ルクミー」シリーズは、登降園状況や検温、睡眠、食事、排便等のデータや、ルクミーフォトで撮影した写真が自動で集約され、帳票や連絡帳へ自動転記されます。また、ルクミー午睡チエックにより、センサーが体動を検知、アプリが体の向きを自動記録します。なおルクミー午睡チェックは、業界シェアNo.1※5を獲得しています。 これにより、保育関連業務をDX(デジタル・トランスフォーメーション)し、保育者の業務負荷の大幅な削減を実現し、保育者の心と時間のゆとりの創出を目指します。また、創出できた時間によって保育者にとって重要な子どもと向き合う時間を増やし、写真ドキュメンテーション作成機能の提供により、保育者同士で子どもたちの成長に関する気づきをさらに共有しやすい環境を作り保育の質を確保するとともに、保護者とのコミュニケーションを支援します。これらを通じて、保育者のやりがいの創出や保育の質の向上にも貢献します。これまでのサービス利用数は推計で16,000超であり、約60の自治体へ導入されています※6。
▼保育総合ICT「ルクミー」
■ ユニファについて
ユニファは、保育・育児関連の社会課題解決を目指す“Childcare-Tech”領域のスタートアップです。「家族の幸せを生み出すあたらしい社会インフラを世界中で創り出す」をパーパス(存在意義)に、IoTやAI/ChatGPT等の最新のテクノロジーを活用した保育支援サービス「ルクミー」を開発・提供しています。「スマート保育園・スマート幼稚園・スマートこども園」構想を通じて、子育てしながら働きやすい豊かな社会作りに貢献しています。2017年にStartup World Cup初代チャンピオンに選出を初め、これまでに著名なアワードを複数受賞している他、2021年にJ-Startup 、2023年10月にはJ-Startup Impact に選定されています。また、2022年10月に設立された一般社団法人インパクトスタートアップ協会の代表理事を務めているほか、一般社団法人こどもDX推進協会の理事も務めています。
■ 会社概要
会社名:ユニファ株式会社
代表取締役CEO:土岐泰之
設立:2013年
所在地:東京都千代田区富士見1-8-19 住友不動産千代田富士見ビル2階
事業概要:保育支援サービス「ルクミー」シリーズの企画、開発、販売、運営。 「スマート保育園・スマート幼稚園・スマートこども園」の展開、推進。
企業URL:https://unifa-e.com/
※1:「保育所等関連状況取りまとめ(こども家庭庁 令和5年4月1日)」
※2:保育士の有効求人倍率推移(こども家庭庁 令和4年10月現在)https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/317fa7d2/20230401_policies_hoiku_05.pdf
※3:令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/1-01.pdf
※4:令和2年度「保育の現場・職業の魅力向上に関する報告書」
https://www.mhlw.go.jp/content/11922000/000677598.pdf
※5:デロイト トーマツ ミック経済研究所「ミックITリポートMonthly」2023年10月号「午睡チェックセンサー市場における有力ベンダーの導入実績比較分析」より。2022年度における累計センサー出荷台数、累計利用園児数、累計導入施設数それぞれで一位を獲得。https://mic-r.co.jp/micit/
※6:2023年9月時点。自社調べ。
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