本作品は、東日本大震災時に宮城県石巻市の大川小学校で起こった津波事故を題材としたアートプロジェクトであり、本学芸術学部インタラクティブメディア学科の野口靖教授と、映像作家の三行英登氏の共同研究の成果です。
彼らは、地震発生から津波襲来までの51分間に、大川小学校で何が起こったと考えられているのか、また事故後の行政対応について、報道記事や書籍など事故後十数年のあいだに蓄積された様々な資料を丹念に調べるとともに、関係者への取材を重ねてきました。これらの調査を通して得られた「事実」をベースとしながら、独自の解釈を含む映像作品が完成しました。本作品では、大川小学校事故に内在する問題について多角的な視点を提示します。
この取り組みは、工学部と芸術学部を有する本学の特色ある教育研究活動の発展に寄与し、「工芸融合研究(成果公開型)」事業の一環として制作されています。
本作品は、2024年3月2日(土)から3月17日(日)まで本学中野キャンパス6号館地下1階ギャラリーで公開されます。複数の映像を並置する映像インスタレーション手法を用い、場所や空間全体を通じて体験ができます。これにより、大川小学校の事故に関する多角的な視点からの社会的認識と理解を深めることが期待されます。
詳細は以下のとおりです。
■「51分と13年」
会場 : 東京工芸大学 中野キャンパス
6号館 地下1階ギャラリー(6B01)
展示期間: 2024年3月2日(土)~3月17日(日)
休館日 : 月曜日
開館時間: 12:00~18:00
入場料 : 無料
作品形態: 映像インスタレーション
展示施工: 株式会社 O.D.A
【展示詳細URL】 https://miyukihideto.myportfolio.com/op
※本展示作品には津波自体の映像は出てきませんが、津波事故に関する事故現場の風景や語りによる具体的な描写が含まれます。ご了承の上ご覧ください。
■東京工芸大学
東京工芸大学は1923(大正12)年に創立された「財団法人小西寫眞(写真)専門学校」を前身とし、創設当初からテクノロジーとアートを融合した無限の可能性を追究し続けてきた。
2023年に創立100周年を迎えた。
【URL】 https://www.t-kougei.ac.jp/
■野口靖
東京工芸大学芸術学部インタラクティブメディア学科教授
過去にも、福島第一原発事故から10年経った際に風評被害防止を目指し、放射性物質の食品影響を時間経過と共に示す地図をウェブサイトに公開。
【研究室URL】 https://yasushinoguchi.org/
■三行英登
映像作家、グラフィックデザイナー。舞台・映像・美術など様々な場で美術家や音楽家、詩人、ダンサー、研究者との共同創作を数多く行う。2003年から2008年まで高山明主宰のPort Bに参加し、舞台映像や宣伝美術を担当する。2015年より河崎純主宰の音楽詩劇研究所に参加し、ロシア、アルメニア、トルコ、ウクライナ、カザフスタンなど国内外の公演を共同でプロデュース。ドキュメンタリー、舞台作品の映像のほか、近年はビデオインスタレーションなど美術作品の制作も行っている。
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