(右:Mr Dominik Schneiter,CEO,WinGD、中央:三菱造船株式会社 取締役社長執行役員 上田 伸、左:一般財団法人 日本海事協会 常務理事 技術本部長 松永 昌樹 様)
三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:上田 伸、本社:横浜市西区、以下、三菱造船)は、スイスの舶用大型エンジンライセンサーであるウインターツールガスアンドディーゼル社(以下、WinGD社)が開発を進めている、アンモニア焚き舶用大型低速2ストローク「X-DF-A型」エンジン向けアンモニア燃料供給装置(AFSS:Ammonia Fuel Supply System)の基本設計承認(Approval in Principle : AiP)※1を、一般財団法人日本海事協会(会長:坂下 広朗氏、本部:東京都千代田区)から取得しました。授与式は、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催されている国際海事展「Sea Japan 2024」で11日に行われました。
国際海事機関(IMO:International Maritime Organization)が掲げる、海事業界のGHG(温室効果ガス)排出量を2050年頃までにネット排出ゼロとする新たな目標達成に貢献したいという想いから、三菱造船とWinGD社は、AFSSの技術検討を開始するMOU(Memorandum of Understanding:覚書)を2023年6月に締結しました※2。その後、両社で技術検討を進めた結果、WinGD社が開発中の「X-DF-A型」エンジン向けAFSSの基本設計を2024年2月に完了しました※3。アンモニア処理装置(AGAS:Ammonia Gas Abatement System)のAiPも併せて取得したことを通じて、製品化に向けた技術検討をWinGD社と引き続き進めていきます。
燃焼してもCO2を排出しないアンモニアは、海事業界のGHG排出削減に大きく寄与する燃料として注目されており、安定的なクリーンエネルギーとしての将来的な活用が見込まれています。三菱造船は、今回の「X-DF-A型」エンジン向けをはじめとするさまざまなアンモニア燃料燃焼装置向けの燃料供給装置、アンモニア処理装置などの舶用アンモニアハンドリングシステムの開発を引き続き進めていきます。また、アンモニア燃料船および主機関、発電機関、ボイラーといった複数のアンモニア燃料燃焼装置で構成される船内プラントの設計エンジニアリングも併せて提案することで、海事業界の脱炭素化を推進してカーボンニュートラル社会を実現するとともに、世界規模での環境負荷低減に貢献していきます。
※1 認証機関が基本設計を審査し、技術要件や安全性の基準を満足すると承認されたことを示すものです。今回はアンモニア燃料船への要件を定めた「代替燃料船ガイドライン」に基づき、審査が実施されました。
※2 三菱造船とWinGD社が調印したMOUについて、詳しくは以下のプレスリリースをご覧ください。
https://www.mhi.com/jp/news/230605.html
※3 WinGD社製舶用エンジン向けアンモニア燃料供給装置の基本設計完了について、詳しくは以下のプレスリリースをご覧ください。
https://www.mhi.com/jp/news/24022203.html
アンモニア燃料ハンドリングシステム(MAmmoSS®)動画
https://youtu.be/dB1TUlmnyD4
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