同世代の作家3名による能登半島地震支援の企画が始動!2024年内に講談社から書籍として刊行されます!
2024年1月17日『なれのはて』の直木賞選考会の夜、今村翔吾、小川哲、加藤シゲアキの3名により立ち上がった本企画。同じ時代を生きてきた作家同士だからこそ、これまでに起きた災害や被災者の皆さんへの共通する思いもありました。
まず企画始動のお知らせとして「小説現代」5・6月号に掲載予定の3人による座談会を、本日12時よりWeb「現代ビジネス」にて先行公開いたします。
https://gendai.media/articles/-/128241
上記「現代ビジネス」のURLは、本日12時より公開されます。それまでお待ち下さい。
被災地の書店はいまだ復興半ばであることを鑑み、あらゆる環境にある方にも平等に読んでいただけるようにという考えから、Webでの先行公開を決定いたしました。
企画名である「あえのがたり」は、能登地方に伝わる伝統儀礼「あえのこと」から発想いたしました。能登地域の農家では「田の神様」を祀り、感謝をささげる儀礼を「あえのこと」と言い、「あえ=おもてなし」「こと=祭り」という意味を持つそうです。被災地の方に寄り添う思いを、物語という「あえ=おもてなし」にのせて届けようという意図からできました。「現代ビジネス」と「小説現代」には地域の伝統文化に関する紹介も積極的に行っている、石川県の伝統老舗旅館「和倉温泉 多田屋」様にご協力いただき「あえのこと」の写真も掲載しています。
座談会にあるとおり、今後は、今村さん、小川さん、加藤さんの3人を中心に、たくさんの作家の皆さんに参加を呼びかけて、掌編小説をご執筆いただき、アンソロジーとして2024年内に書籍の刊行を目指します。
座談会では、
「この段階では、小説には何もできないかもしれません。でも、いつか物語が必要になる瞬間が来ると思うのです。そのときに傷ついている人たちにそっと寄り添えたりできる力が物語にはあると思っていて。年明けからずっと『自分に何ができるだろう』と考えていました」(加藤さん)
「忘却に対して、何か小説家として抗えないかとも考えてしまいます。本というのはずっと残っていくものだし、だから短期的に注目を集めるというよりも、(略)続けていくことが大事なんですよね」(小川さん)
「僕も、作家として震災に関わったことがないから、どうすればいいのか、っていうのは思うね。(略)残していかなければならないと。本は、何十年経っても読まれるもんだから、『記憶のしおり』としてはすごくいいもんやと思う」(今村さん)
などと企画始動にあたっての、熱い想いを語っています。
刊行予定の書籍では、参加著者の印税相当額と講談社の売上を能登半島の復興支援に役立てていただけるよう寄付する予定です。
本日より、Xに公式アカウントを開設いたしました。
順次、情報を更新してまいりますので、ぜひご注目ください。
<公式サイト/公式X>
「あえのがたり」公式Xアカウント @aenogatari
<作家プロフィール(五十音順)>
今村翔吾さん プロフィール
1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。2020年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。同年『じんかん』で第11回山田風太郎賞を受賞。2021年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第六回吉川英治文庫賞を受賞。2022年『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞。他の著書に、「イクサガミ」シリーズ、『童の神』『ひゃっか』『てらこや青義堂 師匠、走る』『幸村を討て』『蹴れ、彦五郎』『湖上の空』『茜唄』(上・下)などがある。
小川哲さん プロフィール
1986年生まれ、千葉県出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。2015年「ユートロニカのこちら側」が第3回ハヤカワSFコンテストで〈大賞〉を受賞し、デビュー。2017年『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。2020年には『嘘と正典』(早川書房)に収録の『魔術師』が中国にて銀河賞の銀賞に輝いた。2022年刊行の『地図と拳』で第13回山田風太郎賞、第168回直木三十五賞を受賞。同年刊行の『君のクイズ』は第76回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉を受賞。
加藤シゲアキさん プロフィール
1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒業。2012年『ピンクとグレー』で作家デビュー。2021年『オルタネート』で第42回吉川英治文学新人賞、第8回高校生直木賞を受賞。昨年発売された『なれのはて』で二度目の直木賞候補となった。「NEWS」のメンバーとして活躍しながら作家としても精力的な活動を続けており、評価を高めている。他の著書に『閃光スクランブル』『Burn.−バーン−』『傘をもたない蟻たちは』『チュベローズで待ってるAGE22・AGE32』(全2冊)、エッセイ集などに『できることならスティードで』『1と0と加藤シゲアキ』がある。
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