1月25日に新潮選書から刊行された『西行 歌と旅と人生』が、発売直後からNHKラジオ、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日経新聞、産経新聞、共同通信をはじめ数多くのメディアで取り上げられ、注目を集めています。
著者は慶應義塾大学名誉教授で、西行歌集研究の第一人者。誤った形で現代に伝えられてきた西行の歌の数々を本来の姿に復元し、岩波文庫『西行全歌集』でもその仕事が特筆された碩学です。
『新古今和歌集』に最多の94首が撰入された歌人としての西行はもちろん、「旅」「桜」「道の思想」「仏教と神道の共存」など文化史における西行の知られざる事績を分かりやすく紹介してくれる一冊です。
好調な売れ行きを受けて、新潮社では、新たに人気歴史学者の磯田道史さんの推薦入りの帯に巻き替えて、本日5月20日に、5刷を配本することにいたしました。
■184首の名歌と共に語られる、西行の魅力のすべて。
「願はくは花の下にて春死なむ」――どうすれば西行のように清々しく生きられるのか。出家の背景、秀歌の創作秘話、漂泊の旅の意味、桜への熱愛、無常を乗り越えた「道」の思想、定家との意外な関係、芭蕉への影響……偉才の知られざる素顔に迫る。西行一筋60年、西行歌集研究の第一人者がその魅力を語り尽くす決定版。
・「潔癖説」「恋愛説」「数寄説」……出家した理由とは?
・「平家」が好きで、「源氏」が嫌いだったのはなぜか?
・「桜」に対する熱愛が「花見文化」を生み出した?
・仏教と神道を結ぶ「本地垂迹思想」に与えた影響とは?
・「抒情派・西行vs.構成派・定家」の対立は本当か?
・「俳聖・松尾芭蕉」に与えた絶大な影響の内実とは?
■著者からのコメント!
私は西行歌集の校本を作成する仕事に長年従事してきましたが、気がついてみると取りかかってから完成するまでに約30年の歳月が流れていました。そのようなわけで、基礎研究に思わぬ長い時間を費やしましたが、もともと西行の人間と文学に強く惹かれるものがあって、西行研究を志したのであり、ここでもう一度初心に立ち返り、西行を愛好する一般の方々に読んでいただけるものをと、このような小著の執筆を思い立ちました。西行に心を寄せる方々に、心静かに繙(ひもと)いていただけるなら、よろこびこれに過ぎるものはありません。
■著者紹介
寺澤行忠(てらざわ・ゆきただ)
1942年、東京都生まれ、奈良県育ち。慶應義塾大学大学院修士課程修了。慶應義塾大学助教授・教授を経て、現在は名誉教授。文学博士。専攻は日本文学・日本文化論。『山家集の校本と研究』『西行集の校本と研究』(いずれも笠間書院)、『アメリカに渡った日本文化』(淡交社)、『ドイツに渡った日本文化』(明石書店)など。
◾️書籍データ
【タイトル】西行 歌と旅と人生
【著者名】寺澤行忠
【発売日】2024年1月25日(木)
【造本】新潮選書(四六判変型ソフトカバー)
【本体定価】1,760円(税込)
【ISBN】978-4-10-603905-8
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