アンドリュー・スコットは本作でローレンス・オリヴィエ賞の主演男優賞にノミネートされ、英国業界誌からも高い評価を得ました。下馬評でも最優秀主演男優賞の最有力だったこともあり、8人ものキャラクターを一人で演じ切る彼の演技は必見レベルの作品となっています。
村上祥子さんによると「8人の登場人物を演じ分ける時に、もっとくっきりと声音を変えたり、分かりやすくすることもできたと思いますが、キャラクターごとに演じ方をとても繊細に変えています。表情一つ、または少し振り返っただけで人物が変わっている。なので、この『ワーニャ』をNTライブで観るのは大正解ですね。劇場の遠くの席から観ると、そこまでの表情の違いには気づけなかったかもしれません」。そして、「アンドリュー・スコットは元々、モノローグがとても上手い俳優で、サイモン・スティーヴンスとは過去に何回か舞台を一緒に手掛けています。初めて一緒に取り組んだのは2008年上演の『Sea Wall』ですが、それも30分の一人舞台でした。『語らせたくなる俳優』なのでしょう」など、アンドリューの魅力を具体的な情報とあわせて教えてくださいました。
また、チェーホフの作品を一人芝居に仕立てるということについては、本作の翻案のサイモン・スティーヴンスの戯曲を読んだ村上さんによると、なんと、戯曲は一人芝居を前提に書かれていなかったとの情報も。
村上さんが彼らのインタビューで知った限りでは、サイモン・スティーヴンスは当初、普通に複数のキャストが出る想定で翻案をしていたようです。そして、翻案・演出・主演の3人が揃った本の読み合わせのタイミングで、たまたまアンドリュー・スコットがいくつかの役柄を演じてみた時に、「これはよいのでは」という話になり、次々と役柄を増やすうちに「一人で演じてみたらどうか」という流れになったというエピソードがあるそうです。これについて村上さんは「どこまでが本当か疑いたくなるようなエピソードですが、翻案を読む限り、一人芝居とは結びつきませんでした」と語っていました。
本作のイギリス上演時には絶賛のレビューが大多数だったものの、アンドリューが8人を演じ分けるうえに、原作と人物名が異なっていることから、鑑賞時に混乱するという意見も出ていたようで、この劇場公開での鑑賞時にはできるだけ混乱を減らすために、東京大学・河合祥一郎先生が登場人物の相関図を作成してくださいました。以下に相関図も掲載します。
(※全く何も情報がない真っ新な状態で鑑賞されたい方は、本情報は無視していただけたらと思います。)
5/24(金)には公開記念トークイベントがございます。東京以外でも神奈川、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡でも公開が始まりますので、ぜひ映画館でお楽しみください。
【公開記念トークイベント】
日時)5/24(金) 18時30分〜 トークイベント後に本編上映
場所)TOHOシネマズ 日本橋
登壇者)東京大学教授・楯岡求美先生/映像翻訳家・柏木しょうこさん
トピック(予定))
・原作「ワーニャ」について/これまで上演されてきた『ワーニャ伯父さん』について/今回の演出版の興味深い点について、など
座席販売スケジュール) 5/22(水)0時〜(=5/21(火)24時〜)
販売サイト)TOHOシネマズ日本橋 劇場HPにて販売
【公開劇場】
5/24(金)〜
東京)TOHOシネマズ日本橋/シネ・リーブル池袋
神奈川)TOHOシネマズららぽーと横浜
愛知)TOHOシネマズ 赤池
兵庫)シネ・リーブル神戸
京都)アップリンク京都
大阪)大阪ステーションシティシネマ
福岡)キノシネマ天神
以下、前回までリリースした情報と同じになります。ご活用ください。
『ワーニャ』劇場予告編
★★★★★
アンドリュー・スコットの一人芝居の演技はベスト・オブ・ザ・イヤーだ
(iNews)
★★★★★
マスタークラス!
(Evening Standard)
★★★★★
文句なしに最高の演劇
(Broadway World)
★★★★
アンドリューに魅了される
(Telegraph)
★★★★
素晴らしい
(Independent)
【作品情報】
邦題:『ワーニャ』
原題:Vanya
上映予定時間:1時間57分(休憩なし)
脚色:サイモン・スティーヴンス(作 アントン・チェーホフ)
演出:サム・イェーツ
デザイン:ロザンナ・ヴィズ
主演:アンドリュー・スコット
(過去出演作:映画『パレードへようこそ』(英インディペンデント・フィルム・アワード最優秀助演男優賞受賞)、『1917命をかけた伝令』『007スペクター』『SHERLOCK /シャーロック 忌まわしき花嫁』、ドラマ『シャーロック SHERLOCK』(2012年英国アカデミー賞テレビ部門 最優秀助演男優賞受賞)、『Fleabag フリーバッグ』『ダーク・マテリアルズ 黄金の羅針盤』『ホロウ・クラウン/嘆きの王冠』
舞台『プレゼント・ラフター』)
ストーリー:
イワン(ワーニャ伯父さん)は、一族の財産と事業を管理することに人生を費やしてきたが、その努力はほとんど顧みられることがなかった・・・。
アンドリュー・スコットは本作で、2番目の妻ヘレナ、引退した教授アレクサンダーとその娘ソニア、未亡人となったワーニャの母モーリーン、恋敵の田舎医者マイケル、乳母マリア、そしてエリザベスとリアム、そして主人公を演じる。
チケット完売した公演をライブ撮影した『ワーニャ』は、2024年に映画館のみで上演される。
鑑賞料:一般3000円、学生2500円(要・学生証の提示)、障害者2500円
日本公式HP http://www.ntlive.jp
【ナショナル・シアター・ライブ(NTLive)とは】
舞台の本場、英国のナショナル・シアターが英国で上演された話題の舞台を厳選し、世界の映画館で上映する企画です。こだわりの撮影技術により、舞台上の空気感と鮮度はそのままに、臨場感あふれる映像でスクリーンへお届けします。感情の揺らぎをとらえるクローズアップから、趣向を凝らした美術セットを隈なく楽しめる舞台のワイドショットまで、NTLiveなら映画館のお客様の誰もが現地の劇場のベストシートでご鑑賞いただく観劇体験が可能です。
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