このたび、 京都国立近代美術館は2024年5月30日(木)から8月25日(日)まで「 印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1957‒1979」を開催いたします。
マス・コミュニケーション時代が到来した戦後の日本では、印刷技術の飛躍的な発展とともに美術と大衆文化の結びつきが一層強まり、複製メディアによる表現が関心を集めました。印刷/版画/グラフィックデザインという領域は近接し重なり合いながらも決定的なズレのある、まるで〈断層〉のような関係性であり、その断層の意味を積極的にとらえ直して自在に接続したり、あるいはその差異を強調するようなさまざまな実践が展開されていきました。
その舞台の一つとなったのが「東京国際版画ビエンナーレ展」です。同展は世界各国から作品を集めた国際的な規模の版画展で、1957年から1979年まで東京国立近代美術館、京都国立近代美術館などを会場に全11回が開催され、当時の気鋭の版画家やデザイナーの活躍の場となりました。とりわけ関西では、「デモクラート美術家協会」出身の作家たちを先駆として「版画概念の拡張」を探究する独自の方向性が生まれ、同時代の美術動向とも共鳴しながら展開していきました。
本展は東京国際版画ビエンナーレ展の出品作家を中心に、同時代の多様な視覚表現のなかに交錯した版画とグラフィックデザインの様相を通して、印刷技術がもたらした可能性とその今日的意義を改めて検証します。
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みどころ
1. 国立美術館のコレクションから、東京国際版画ビエンナーレ展の受賞作、出品作が勢ぞろい!浜口陽三、池田満寿夫、菅井汲、加納光於、野田哲也、高松次郎、木村秀樹、井田照一など、「版」表現に挑んだ作家たちの代表作を一挙にご紹介。
2. 戦後美術の動向と切っても切れないのが、印刷技術の発展。当時は版画とグラフィックデザインの関係性も議論の対象になりました。原弘、田中一光、永井一正、横尾忠則、杉浦康平など、日本を代表するグラフィックデザイン界の巨匠たちが手がけた、東京国際版画ビエンナーレ展の貴重な展覧会ポスターも展示します。
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関連イベント
トークセッション「版画/現代美術の断層」(仮称)
アーティストの播磨みどり氏と髙橋耕平氏をお迎えし、「東京国際版画ビエンナーレ展」を舞台に展開された「版画概念の拡大」の動きと、1980年代以降の写真・映像などの複製メディアを用いた現代美術との間の接続とズレについて考えます。
日 時|2024年7月20日(土)14:00~15:30
登 壇 者 |播磨みどり(アーティスト)、髙橋耕平(アーティスト)、牧口千夏(当館主任研究員・本展担当者)
会 場|京都国立近代美術館 1F講堂
定 員|先着80名(当日11時より1F受付にて整理券を配布します。整理券はひとり1枚のみお渡しします)
参 加 費 |聴講無料
その他のイベントにつきましては、開催が決まり次第、当館HPにてご案内いたします。
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開催概要
展覧会名|「印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1957–1979」
会 期|2024年5月30日(木)~8月25日(日)
会 場|京都国立近代美術館
開館時間|10:00~18:00 金曜日は20:00まで開館(5月31日、6月7日、8月23日を除く)*入館は閉館の30分前まで
休 館 日 |月曜日(ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)は開館)、7月16日(火)、8月13日(火)
観 覧 料 |一般 430円(220円)、大学生 130円(70円)
※()内は20名以上の団体料金
※高校生以下・18歳未満および65歳以上の方は無料*。
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料*。
※母子・父子家庭の世帯員の方は無料*。
*入館の際に証明できるものをご提示ください。
※本展はコレクション・ギャラリーの一部を使って開催する展覧会です。
※本料金でコレクション展もご覧いただけます。
会 場|京都国立近代美術館
主 催|京都国立近代美術館
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