NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト(須磨UBP)は、神戸大学佐賀研究室と協力し、須磨の海に漂うDNAを捕まえる環境DNA実験を実施します。この取り組みは、障がいの有無に関係なく自然実験やアウトドアに参加できる環境を整えることで、科学リテラシーの向上を図ることを目的としています。実験は7月27日(土)と8月3日(土)、後日(日時未定)に結果と考察のワークショップを開催します。
申込リンク:
https://forms.gle/3NnBqg13ZXUGchma9
■課題と背景
日本の自然やアウトドアにはユニバーサルデザインが考慮されていないことも多く、アクティビティや自然とのふれあいは、障がいのある方にとってしばしば困難なものとなります。自然へのアクセスが制限される中で、自ら科学実験を行う経験はさらに遠いものになりがちです。そんな中、須磨ユニバーサルプロジェクトの事務局長であり、神戸大学人間発達研究科卒業生である土原が、2022年度から神戸大学人間発達研究科に着任された佐賀先生とタッグを組むことで、障がいや年齢の垣根を超えて実験に取り組む環境をつくる運びとなりました。
■実施内容
須磨ユニバーサルビーチプロジェクトのサポートにより、車椅子のまま海に入り、直接水を採取する体験が可能になります。これにより、自然環境にアクセスすることが困難だった方も、自ら実験に参加し科学を学ぶことができます。
神戸大学佐賀研究室と協力し、水を採取することで、須磨の海に漂うDNAを捕まえます。採取した水を分析することで須磨の海にどんな生き物がいるかを判別する環境DNA実験を行います。これにより、参加者は実際の科学的プロセスを学びながら、生物多様性への理解を深め、科学リテラシーを高めることができます。この取り組みは障がいのある方が自然の一部となり、直接実験に参加するという新しい機会を提供します。参加者の積極的な関与を促し、科学への興味と関心を高めます。
■環境DNAとは
環境DNAとは、生物が生活する環境中に残すDNAのことを指します。これを採取して分析することで、その場に生息する生物の種類や分布を把握することができ、生態系の多様性を効率的に理解する手法として注目されています。
■イベント概要
名称:ユニバーサル生き物調査体験「見えない生き物がわかる?環境DNA実験を体験~海にどんな生き物がいるか調べてみよう~」
場所:ユニバーサルビーチベース(須磨海岸やしの木前)
内容:環境DNAの実験の水の採取(須磨の海に漂うDNAを捕まえよう)(約40分程度)
講師:神戸大学佐賀達矢先生
日時:7月27日(土),8月3日(土)、各日11時~,13時~
料金:無料
人数:各回10組
主催:須磨ユニバーサルビーチプロジェクト
共催:神戸大学サイエンスショップ
※回答時にアンケートにもお答えいただきます
※実験結果に少し時間を要しますので、後日に結果と考察のワークショップの開催します。ご参加が難しい方はメールで送付いたします
申込リンク:
https://forms.gle/3NnBqg13ZXUGchma9
【プロフィール・メッセージ】
神戸大学人間発達環境学研究科 佐賀達矢 先生
愛媛県松山市生まれで、岐阜大学に進学後、東京大学大学院にてスズメバチ類の生態研究で博士(学術)号を取得しました。その後、岐阜県立多治見高校の理科教諭として、生徒とともに身近な川の魚の生息状況を科学的に調べ、また、その保全を行う活動に携わってきました。神戸大学着任後、環境DNAを利用することで、誰でも身近な海や川の生き物の種類がわかると考え、科学と自然を共に学ぶ教育方法を開発中です。
海や川にすむ魚たちは、生きている間に鱗が剥がれたり、糞をしたりします。その際に魚のDNAが水中に放出されることもわかってきました。そして最近では、この水からDNAを取り出して、そのDNAから魚の種類を調べる方法が開発されました。これを「環境DNA分析」と言います。
海や川にどんな魚がすんでいるか知ることは、海や川の健康を守るためや、魚を取る漁業にとっても大切なことです。今回は、須磨海岸にどんな魚がいるか、この分析を行って調べてみたいと思います。みなさんには、水をすくって、DNAを取り出す実験を行ってもらいます。秋には、取り出してもらったDNAから魚の種類を特定した結果を報告する予定です。
・愛媛県松山市生まれ
・2008年3月岐阜大学応用生物科学部卒
・2017年3月東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了 博士(学術)
・2017年4月岐阜県立多治見高等学校 理科教諭
・2022年12月神戸大学大学院人間発達環境学研究科 助教
・これまでの受賞歴など
(1)高校生による効果検証を含めた水辺の小さな自然再生, 令和2年度河川基金優秀成果表彰(河川財団主催), 2020年11月11日
(2)身近な川でできる小さな自然再生の実践, 第52回東レ理科教育賞・文部科学大臣賞(東レ科学振興会主催), 2021年3月15日
NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト 事務局長 土原翔吾
神戸大学大学院修了。元理科教師。不登校生徒の担任、須磨UBP代表木戸との出会いにより、考え方を大きく変え、須磨UBPに参画。事務局長として、理念と活動をより多くの人々に届けるべく、日々奮闘中。その他、地域プロジェクト企画の法人を複数運営し、地域の発展に尽力している。妻の地元の町の停滞状況を打破し、変化をもたらすために移住し、その後、町長選への出馬。地域の多様性・包摂性の推進、地域コミュニティの活性化と持続的な発展を目指し、総務省地方創生アイデアビジネスコンテスト開催等、活動は多岐にわたる。
元々理科教師をしていたこともあり、今回のように母校である神戸大学の先生方と共に須磨ユニバーサルビーチプロジェクトで理科の実験や研究を行えることを非常に嬉しく思っています。海を楽しむことができなければ、海への興味を持つことは難しいですが、海を楽しむことでその海を好きになり、守りたいという気持ちが生まれます。このようなフィールドワークを通じて、自然体験を諦めていた方にも、海とサイエンスの魅力を感じてもらい、身近な科学に興味を持つきっかけを提供できればと願っています。今後も多くの方々と協力しながら、持続可能なユニバーサルビーチの普及と環境保全やユニバーサルツーリズムに繋がる調査に取り組んでいきたいと思います。一緒に新たなチャレンジをしたい方も募集しております。
みんなの「できない」を「できた!」に変える。 須磨ユニバーサルビーチプロジェクト
<法人概要>
法人名:NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト
所在地:兵庫県神戸市長田区駒ヶ林町1丁目14-10ドルフ21-102
代表者:木戸俊介
設立:2017年11月2日
URL:
https://sumauniversalbeach.com/
事業内容:「みんなの”できない”を”できた!”に変える」を合言葉に、障がいを持っている方やお年寄り、小さなお子さんまで、誰もが楽しめるユニバーサルデザインなビーチを普及していく活動をしています。令和3年度より、中学社会公民の教科書に「持続可能な未来を目指す人々」と題し、SDGs達成に向けた先進事例として掲載されています。
<主な受賞歴>
・ブルーフラッグベストプラクティス賞世界2位(2023年度)
・観光庁ブルーフラッグ認証事例(2022年度・2023年度 )
・教育出版中学公民の教科書掲載(2021年度 )
・観光庁持続可能な観光の実現に向けた先進事例(2020年度)
・IAUD国際ユニバーサルデザイン賞金賞(2019年)
・ひょうごユニバーサル社会づくり賞(2018年)
<問い合わせ先>
須磨ユニバーサルビーチプロジェクトPR事務局
事務局長 土原翔吾
HP:
https://sumauniversalbeach.com/
のフォームより
TEL:080-3782-4405
e-mail:sumauniversalbeach@gmail.com