サービス情報:
このサービスにおいて利用者は「六角形の頭部ボルトネジを作って」など自然な言葉での指示を行うことで3Dや2DのCADモデルを取得することができます。また、その他にも、仕様書アップロードや過去の類似案件の指定による生成も可能です。この生成データは、人間の作業に引き渡して利用することも可能ですし、3Dプリンターに直接入れて加工まで行うことも可能です。
ご利用時に各社の設計・製造のコツを入力すれば、会社特有のコツを反映した生成が可能になると共に暗黙知となっていた製造プロセスを明示化でき、設計業務の自動化、時間短縮、製造業務との連携にも繋がります。出力を行う上で、ファインチューニング等の学習プロセスは用いないため、AIの基盤モデルがアップデートされても影響が少なく、システム保守コストが低くなり、長くご利用いただくことが可能です。
ご利用の前段階となる情報収集では、renueの技術分析担当が現場ヒアリングや過去の3Dモデルや図面の収集および解析を行い、それをAIが理解できる形に変換を行います。その後、変換された情報をもとにベースモデルをWOGOにて調整し、各社にとって最適な3D・2D CADを1mm単位の誤差で生成・読み込みさせます。
背景:
製造業界では、設計の複雑化と短納期化のニーズが高まる中、人手不足もありますますサービス提供が難しくなっています。高齢化によって職人の引退も増える中で、暗黙知の継承も進まず、過去の類似案件を参照しての設計や後工程を予想しての基本設計ができなくなるという企業様の声も多く聞いております。
この課題には、ChatGPTのブームもあり、生成AIが寄与する企業様が増えている一方で、生成AIの出力ブレやテキストを主に扱う点、セキュリティの懸念などから利用が進まない実情もあります。独自のAIモデルを開発する企業もございますが、開発費が数十億円など多額になる割に、OpenAIなど米大手の基盤モデルに性能面で大きく劣り、実務には使えないというケースも多く発生しております。
課題が明らかであり、AIへの期待もあるにも関わらず、ソリューションが提供されない現状から、renueとwogoは各社の持つAIアプリ設計と3D AI開発の技術を持ち寄って、このソリューションを開発すると決めました。この取り組みによって、多くの日本企業の課題を解決できるものと考えております。この考えから、2023年末より協業を模索し、2024年には建設業や製造業のお客様にもご協力頂き、実証実験を通して本サービスの有用性を実証してきました。
各社の特徴:
renueは「手を動かすリスク共有型コンサル」として、成果報酬やレベニューシェアでサービスを提供しています。主にIT企画を担当し、大手企業の新規事業開発やDX部門の改革といった挑戦的なプロジェクトを支援しています。近年は特に、AI開発プロジェクトを請けることが多く、業務ヒアリングを通じて、単なる自動化ではない「AIを前提とした新しいビジネスプロセス」の創出を行なっています。
WOGOは、3DCG技術とAI技術に強みを持つ先端技術開発企業です。スマホやタブレットで現実の物体を手軽にスキャンして3Dモデルを作成できるアプリ「WIDAR」やAIキャラクターと会話できるアプリ「VPAL」といった自社製品を公開しています。また、KDDIやSony Musicといった大手企業からAI・3D製品の共同開発を行い、世界に通用する製品を多く生み出してきた実績もございます。
今後の展望:
既に取り組んでいる領域においては実証実験にご協力頂いた企業様への提供物を、SaaSとしてサービス化し共同で多くの企業様に広めていくことを目指しております。また、基盤となる3D CADモデル生成では、プラントエンジニアリングや鉄鋼業界、自動車、家電といった多くの企業様にもご協力を依頼し、多くの製造業のイノベーションや生産性向上を目指していきます。
商社とも共同したアジア各国へのグローバル展開も見据えており、「顧客のために考える」「良い製品を考案する」といった人間独自の価値を発揮できるように、3Dモデル生成を広めていきます。
工作機械や3Dプリンターへの接続も研究には含め、試作品製造から着手を行い、最終的には本製品の製造においても、生成AIによる指示で「ちょっと小さめに作って」と気軽に指示できるような職場環境を目指していきます。これにより、シームレスな設計と製造の連携、そして人と機械の融合による次世代のデジタルツイン工場を作り上げます。
株式会社renueと株式会社WOGOは、この度の協業を通じて、製造業界に新たな価値を提供し、日本のモノづくりの未来を支えていきます。私たちの取り組みにご期待ください。