合意書への署名
左:ライオン株式会社 サステナビリティ推進部 西永 英司 部長
右:JICA 経済開発部 下川 貴生 部長
合意書締結の様子
■締結の背景
当社グループは、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパス(存在意義)を起点に、「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を経営ビジョンに掲げ、企業活動を行っています。このビジョンを実現するために「インフェクションコントロール」(※2)領域における成長加速を戦略の一つとして策定しており、これまで衛生を中心とした生活習慣づくりのため、国内に加え海外における衛生習慣の定着に取り組んでいます。
バングラデシュにおいては、高温多湿な気候に加え、水インフラなど衛生環境の課題も多く、様々な感染症リスクがあると言われています。そこで当社は、2023年3月、バングラデシュ食品安全庁査察・規制・調整機能強化プロジェクトの活動に賛同し、JICAと合意書を締結。同年9~11月にJICAを通じて、バングラデシュの子どもたちへの衛生教育支援を行ってきました(※1)。(2023年の活動結果は後述を参照)
※2 中期経営計画(
https://www.lion.co.jp/ja/company/vision/
)で定めた、当社グループの成長の方向性を示す4つの提供価値領域の一つ。家庭の手洗い習慣を支える「ハンドソープメーカー」から、あらゆる場で感染症のリスクと向き合う「衛生ソリューション企業」を目指す。
■合意書締結の概要
JICAが実施する「バングラデシュ食品安全庁査察・規制・調整機能強化プロジェクトへの寄附について」の合意書を新たに締結いたしました。昨年行った衛生教育支援の対象校の規模を拡大して、実施いたします。
<協力事項>
バングラデシュの小学校の児童や教員をはじめ、保護者や地域住民等に対し、正しい衛生知識の理解と浸透のためのノウハウや教材などの提供。
<対象>
ダッカ管区近郊の小学校 1,400校程度(約5万人)
<締結期間>
2024年4月26日(金)~2024年12月31日(火)
■コメント
・JICA
今般、ライオン株式会社様より、バングラデシュ国における衛生改善活動貢献を目的とした寄附をいただき、心より感謝申し上げます。本寄附金は、現在実施中の「バングラデシュにおける食品安全庁査察・規制・調整機能強化プロジェクト」において、小学生の手洗啓発活動(食品安全に係る紙芝居等)に活用される予定です。
私たちは、ライオン株式会社様がこれまで各国で行ってきた、衛生習慣と手洗い習慣の推進は、バングラデシュでの食品安全や環境衛生の向上につながると考えております。
ライオン株式会社様の「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する」という企業理念とJICAの「信頼で世界をつなぐ」というビジョンのもと、人々が明るい未来を信じ多様な可能性を追求できる社会を目指してまいります。
・ライオン株式会社 サステナビリティ推進部
当社は、JICAを通じて、バングラデシュにおける学校の児童・生徒・教員・保護者・地域住民等への衛生教育を支援いたします。この支援に基づく活動により、日常における正しい衛生知識の理解・浸透を目指し、清潔・衛生の習慣づくりの定着に貢献していきます。実施にあたっては、一人ひとりの生活者に寄り添いながら、コミュニティとのパートナーシップを重視して推進いたします。
◆2023年の活動結果
1.商品の売り上げの一部を寄附
「大切な誰かを守る清潔衛生習慣を広げる」をコンセプトとする「キレイキレイ」ブランドより、数量限定で発売した『キレイキレイ薬用泡ハンドソープ リラックスシトラス&アロマティックハーバルの香り』※3の売り上げの一部を、JICAを通じてバングラデシュに寄附しました。
※3 2023年2月28日発表資料:清潔衛生ブランド「キレイキレイ」とアパレルブランド「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」のコラボ商品 『キレイキレイ薬用泡ハンドソープ リラックスシトラス&アロマティックハーバルの香り』数量限定発売
https://www.lion.co.jp/ja/news/2023/4221
2.衛生教育の支援
上記の寄附金はバングラデシュのナラヤンガンジ県にある全小学校を対象に、食品衛生・安全の正しい知識や手洗い方法の指導のために活用されました。
<衛生教育の概要>
対象:バングラデシュ ダッカ管区 ナラヤンガンジ県の全小学校539校の児童約2万4千人
期間:2023年9月~2023年11月
方法:対象小学校の教員へ衛生に関する研修を行った後、その教員が各学校に戻り衛生教育を実施する
ことにより、県内の全小学校への啓発活動を実現いたしました。
内容:専用のカード教材や紙芝居を利用した食品衛生・安全の正しい知識や手洗い方法の指導
カード教材を用いた学習の様子。食に関する生活のいくつかの場面で、良い事例と悪い事例を描いた絵を比べて、良いところと悪いところを子どもたちが自ら考えてお互いに意見を出し合いながら学びました。
カードで扱った良い事例と悪い事例を紙芝居で見せながら先生が解説。先生が次々と投げかける問いに対し、子どもたちからもどんどん答えが返ってきます。
<結果>
指導の前後に、手を洗うタイミングや手の洗い方を問うクイズを実施したところ、すべての設問において、実施後の正解率が95%以上と、実施前と比較して大きく向上しました。
・質問 (下線を引いた選択肢が正解)
①食事の前とトイレの後、どのように手を洗いますか?
a) タオルで拭く
b) 水で手を洗う
c) 石鹸と水で手を洗う
②正しいものはどれですか?
a) 生ものと調理済みの食品を蓋をせずに一緒に保管する
b) 生ものと調理済みの食品を別々に蓋をして保管する
c) 生ものと調理済み食品を同じ鍋に入れ保管する
③最初に劣化する食品はどれですか?
a) 米(ご飯)
b) パフライス(ポン菓子)
c) パン
④正しい食べ方はどれですか?
a) 果物を手でよくこすってから食べる
b) 果物をシャツでよくこすってから食べる
c) 果物を流水でよく洗ってから食べる
⑤残った食べ物はどのように食べますか?
a)午前に調理したものを午後に食べる
b) 匂いを確認してから食べる
c) 匂いを確認し温め直して食べる
<授業の感想>
教員からは、「児童たちは啓発活動のアクティビティをとても楽しんでいました。子ども達だけでなく、他の同僚にもこの活動を広めたいと思います。」などのコメントが挙がったほか、参加した児童からも「家族や友達にも、この活動から学んだ知識を広げたいと思います。」のような感想が得られました。
当社は今後も、生活者ならびに関係団体の皆さまとともに、誰もが清潔で衛生的な環境を享受でき、安心して健康でいられる世の中の実現に貢献してまいります。
【関連情報】
●当社のキレイキレイ薬用泡ハンドソープを用いた取り組みについて
・キレイキレイ薬用泡ハンドソープでSDGsにつながる取り組みを行っています
https://www.lion.co.jp/ja/sustainability/staff/4299
・ユナイテッドアローズとライオン『キレイキレイ』の共同開発 手洗いに自分らしさを。ハッピーの循環を起こすハンドソープに込めた想い
https://lidea.today/articles/003466
また、当社はバングラデシュに合弁会社を設立し、同国の市場においても衣料用洗剤などの事業を展開しています。
・2022年5月31日発表資料:バングラデシュ人民共和国における合弁会社(連結子会社)設立に関するお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4912/tdnet/2135095/00.pdf
・2023年2月28日発表資料:バングラデシュ人民共和国における合弁会社(連結子会社)の増資引受に関するお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4912/tdnet/2244331/00.pdf
・2023年10月30日発表資料:バングラデシュ人民共和国における合弁会社(連結子会社)の増資引受および新工場建設に関するお知らせ