視野内を移動する複数の物体を追跡するトレーニングがプロ野球選手に与える影響についての研究論文を、西日本工業大学の古門良亮氏らの研究チームが発表しました。
本論文「Transferability of Multiple Object Tracking Skill Training to Professional Baseball Players’ Hitting Performance」(
https://journal-digitallife.com/publications/special-issue/transferability-of-multiple-object-tracking-skill-training-to-professional-baseball-players-hitting-performance/
)は、日本発の国際学術論文ジャーナル「Journal of Digital Life」(
https://journal-digitallife.com/
)(運営:株式会社産経デジタル、代表取締役社長:土井達士)の特集号に掲載されています。
視野内を移動する複数の物体を追跡することを複数物体追跡(MOT)と呼びます。MOTのトレーニングでは、視覚的に区別できない物体(通常6~10個)がスクリーン(2Dまたは3D)上に提示され、追跡すべき対象物体(通常3~5個)が指定されます。トレーニングの参加者は、これらの指定された物体を決められた時間追跡し続け、追跡された物体の動きが止まったら、指定されていた物体を識別します。
研究チームは今回、日本のプロ野球チームに所属する12名の選手に対してMOTトレーニングを行い、打撃パフォーマンスに与える影響について調査しました。その結果、速球(ストレート)系の打撃成績に変化は見られませんでしたが、変化球(カーブ、スライダー等)については、ストライクゾーン、ボールゾーンにおいてそれぞれ「空振り率」について有意な改善傾向(変化球に対して空振りが少なくなる)が認められました。
ただ研究チームは、調査に参加した選手は対象期間中に通常の打撃練習も行っており、今回の変化球に対する打撃パフォーマンスの改善効果が純粋にMOTトレーニングによるものであると結論づけるのは早計だとして、さらなるデータの蓄積が必要であるとしています。
※日本語による解説記事はこちら
「プロ野球選手が実験に参加、知覚・認知トレーニングで“カーブ打ち”の技術向上か 西日本工業大・古門講師らが論文」(
https://www.iza.ne.jp/article/20240619-4LGJH7F7VREO5AJWSDIIHOJW7I/
)
※本論文に関するお問い合わせは「Journal of Digital Life事務局(info-digitallife@sankei.co.jp)」までお願いいたします。
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