1. 背景・目的
特殊詐欺の手口は巧妙化・複雑化し、認知件数・被害額も高い水準で推移しています。令和5年の特殊詐欺による被害総額は全国で440億円余に上り、調布市内の被害総額も1億9000万円を超えています。
なかでも、特殊詐欺の被害は高齢者世帯で最も多く、その被害を防ぐには、「自衛」として高齢者本人の気づきを促すとともに、「家族防衛*2」として、日ごろからの家族とのコミュニケーションが重要です。
こうした背景から、NTT東日本の独自技術であるシン・オートコールを活用し、家族の絆で特殊詐欺の被害を防ぐ「家族防衛」を支援する実証事業を、調布市およびNTT東日本が参画する調布スマートシティ協議会*3の取り組みとして実施します。
2. 実証事業の概要
本実証事業は、シン・オートコールの技術を活用した、
日本初の「家族防衛」を支援する取り組み
として、その有効性を検証するものです。
具体的には、特殊詐欺対策アダプタ*4が通話内容を録音、ファイルを転送し、AI搭載の専用サーバにより分析、特殊詐欺の疑いがあると判断した場合には、シン・オートコールによって、事前に録音した家族の肉声で注意喚起のメッセージを高齢者本人へ伝えます。また家族にも、特殊詐欺の疑いのある電話があったことを自動的に音声と文字情報で通知し、必要に応じて高齢者本人への連絡も自動的に行います。
なお、本事業へ参加した場合の設置工事費や月額利用料は無料ですが、特殊詐欺の模擬音声を用いた訓練への参加や、事業検証のためのアンケート調査にご協力いただきます。
<実証事業イメージ>
3. 実証事業への参加方法について
(1) 主な参加要件
調布市内在住の主に高齢者または効果検証にご協力いただける方と、そのご家族の方
※2人1組での参加が必要
※ご家族は市外在住でも参加可能
(2) 事前説明会
本事業内容の詳細及び参加方法などについて、希望者向けの説明会を開催します。
日時:① 7月1日(月)午後6時~
② 7月11日(木)午前10時~
③ 7月26日(金)午前10時~
会場:調布市文化会館たづくり 8階映像シアター
https://www.chofu-culture-community.org/tazukuri
(3) 参加受付
以下の期間において、調布市役所内に参加受付窓口を設置します。
日時:7月10日(水)~8月5日(月)の、月・水・土(祝日含む,午前10時~午後5時)
※参加受付の窓口に来ていただく前に、事前予約が必要です。
【事前予約方法】
下記①か②のいずれかの方法でご予約いただけます。
①調布市HPから専用予約サイト※にて事前予約 ※6月26日開設予定
【調布市HP】
https://www.city.chofu.lg.jp/010010/p000383.html
②調布市担当窓口への電話(042-481-7368・7369 ※平日午前8時30分~午後5時)
4. 今後の展開
調布市とNTT東日本は、今後も連携・協力して特殊詐欺から高齢者の皆さまやご家族の方々を守る仕組みづくりを推進し、犯罪の未然防止と拡大防止に取り組んでまいります。
*1 シン・オートコール:NTT東日本が提供する、地域の見守りや防災 防犯面でご利用いただけるサービス。
AIによる音声や、あらかじめ録音しておいた肉声により固定電話への一斉伝達が可能。(特許番号第7419472号・第7438447号)
https://business.ntt-east.co.jp/content/cloudsolution/column-473.html
*2 家族防衛:市は特殊詐欺対策として,自衛,地域防衛,家族防衛,子ども・若者防衛,連携防衛の「5つの防衛策」を掲げ,犯罪のないまちづくりに取り組んでいます。(詳細は市HP)
https://www.city.chofu.lg.jp/020090/p013168.html
*3 調布スマートシティ協議会:市や市内の企業・大学等4団体が共同で令和3年6月に設立。現時点の加盟団体は、調布市・アフラック生命保険株式会社・国立大学法人電気通信大学・特定非営利活動法人調布市地域情報化コンソーシアム・京王電鉄株式会社・東日本電信電話株式会社・日本郵便株式会社・鹿島建設株式会社(鹿島技術研究所)・多摩信用金庫・株式会社東京スタジアムの10団体。デジタル技術等により市民生活の豊かさや地域の持続的成長に繋がる内容について、複数分野に分かれて推進している。
*4 特殊詐欺対策アダプタ:NTT東日本が提供する特殊詐欺対策サービスを利用する際に設置される通話録音機能付き端末。
https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20201127_01.html