兵庫県の山田錦生産者とJA・行政(※1)主催の“二十歳の山田錦物語”プロジェクトが今年も始まりました。第1弾の取り組みとして2024年6月16日(日)に兵庫県三木市吉川町で田植えを行い、兵庫県の6つの大学から28名の学生が参加しました。今年で4回目を迎える本プロジェクトは、20歳を迎える兵庫県下の学生を対象に、山田錦の栽培と酒造りを通じて村米制度(※2)の伝統を伝え、兵庫県が日本一の生産量を誇る酒米「山田錦(※3)」と「日本酒」への関心を高めることを目的としています。今年は大関株式会社(社長:長部訓子/兵庫県西宮市)の村米地区の1つである三木市吉川町稲田地区[特A地区(※4)]がプロジェクトの圃場となることから、当社が酒造りに協力します。
プロジェクトには現在19歳でお酒を飲めない学生も参加していますが、これから稲刈りや醸造研修など、酒造りの過程を体験し、全員が20歳を迎える来年2月に自分たちが関わった日本酒を口にします。また、本プロジェクトで完成した日本酒は当社より商品として販売する予定です。
■当日の様子
当日はJAみのり吉川営農経済センターで山田錦の生い立ちについて学んだあと、稲田地区圃場で山田錦の田植えを行いました。終了後は酒米ミュージアムや日本酒試飲所、温泉などを備える複合施設「山田錦の郷」で交流を深めました。
参加した学生からは「田植え体験では真っ直ぐ苗を植えるのが難しかった」、「出来上がるお酒が今から楽しみ」、「今は日本酒の知識がないが、体験を通して日本酒に興味が湧き学びたいと思った」という感想が聞かれました。
※1:主催
吉川町山田錦村米部会/兵庫県/三木市/兵庫県酒米振興会/㈱吉川まちづくり公社/JAみのり
※2:村米制度
播州地方の酒米生産地と灘の特定酒造家との間で結ばれる酒米取引制度で、一種の契約栽培。村米地は酒造業者という固定客を持っているものの品質改善を怠ると取引量の減少をまねくため、村全体での一致協力が必須であり、これが灘酒の品質向上に大いに貢献したと考えられる。米生産地と酒造家との密接な関係は現在でも受け継がれている。
※3:山田錦
日本の酒米の代表として灘酒と共に育ってきた最良の酒米品種。粒が大きく色白かつ光沢のある心白米で、外観的にも王座の威厳をもつことが特長。蛋白含量が少なく、吸水性・消化性よく破精込みの良い麹ができ、精米その他の工程での崩壊も少なく各工程で操作しやすい。これらの特長は、そのまま優れた酒米の特長でもある。
※4:特A地区
東播地域で優れている山田錦を栽培するにあたり気候、土壌が適している場所のこと。三木市吉川地区、口吉川地区、加東市東条地区、社町の一部(東部)のエリアが該当する。
■今後のスケジュール(予定)
2024年10月13日(日) |
稲刈り(稲田地区圃場) |
2024年12月~2025年1月 |
醸造過程の見学と研修(大関株式会社) |
2025年2月 |
完成した日本酒のお披露目と地域との交流会(JAみのり吉川営農経済センター) |
2025年3月 |
「山田錦まつり」での本プロジェクト商品販売(山田錦の郷) |