次世代金融インフラの提供を通して組込型金融を実現するFinatextグループの株式会社ナウキャスト(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:辻中 仁士、以下「ナウキャスト」)と、分析用求人ビッグデータを提供する株式会社フロッグ(本社:東京都千代田区、代表取締役・メディア統括:菊池 健生、以下「フロッグ」)は、本日、「HRog賃金Now(読み:フロッグ賃金ナウ)」の5月の賃金動向データ(2024年6月10日更新)の一部を公開しました。
「HRog賃金Now」は、大量の求人広告データ(以下「求人ビッグデータ」)をもとにした賃金動向指数サービスです。労働市場に関する各種公的統計と比較して高い頻度性と速報性を持ち、「地域×職種」のクロスセル分析ができるのが特徴です。
■2024年5月概況
○正社員
【総合】
・2024年5月の正社員の募集賃金指数の前年同期比は、先月から上昇し、+2.5%となった。新型コロナウイルスの影響で多くの企業が求人を減らし重要性の高い求人が残った結果、募集賃金が上がった2020年2021年以降の期間で、最も高い水準であり、募集賃金は上昇傾向を一段と強めていると言える。
・求人数指数の前年同期比は+12.7%と12月にプラスに転じて以降、上昇を続けている。
【職種別募集賃金指数】
・正社員の職種別募集賃金の前年比は4月と比べて多くの職種で上昇している。
・3月から4月にかけて大きく上昇しているのは、「営業/事務/企画/管理」および「販売/接客/サービス」である。
・4月に上昇が目立っていた「ホテル/旅館/ブライダル」は、やや減少しているが、前年比+3.6%と高い水準を維持している。
・3月まで前年比マイナスの状態が続いていた「ITエンジニア/IT系専門職」も引き続き前年比プラスで推移しており、幅広い職種で賃金上昇がみられる状況となっている。
○アルバイト・パート
【総合】
・2024年5月のアルバイト・パートの募集賃金指数の前年同期比は4月から横ばいの+3.5%となった。
・求人数指数の前年同期比は+1.9%とわずかながら伸び率が増加している。求人の逼迫度合いが緩和しているため、賃金が以前ほど強く上昇しない状況は4月と大きく変わっていないとみられる。
【職種別募集賃金指数】
・アルバイト・パートの職種別の募集賃金の前年比は4月から5月にかけて横ばい、減少するものが多い。
・4月に大きく前年比が減少していた「教育/語学/スポーツ」は、5月に再び上昇している。
・他のサービス職種と比べて水準が低く推移していた「販売/接客/サービス」も4月と比べ上昇がみられる。
・「建設/土木/エネルギー」と「製造/工場/化学/食品」は、4月からやや減少しているものの高い水準を維持している。これらの職種では求人数も大きく増加している。産業技術系の職種で人手不足が賃金に反映される状態が持続していると考えられる。
○地域ごとの賃金上昇率の状況
【正社員】
・正社員募集賃金の上昇率は4月と比べて横ばいまたは改善した都道府県が大半を占める。東京は4月の+0.7から5月は+1.4%と大きく改善し、他の県との差が縮まった。
・九州での正社員賃金の上昇は更に加速し、長崎県・熊本県は4%超となった。
【アルバイト・パート】
・アルバイト・パートは全国平均の上昇率が+3.5%と4月から横ばいで推移している。都道府県ごとの上昇率は4月と比べて増加している都道府県が29と過半数を占めており、全体としてアルバイト賃金は上昇傾向にあると言える。
・他方、北海道、山形、福岡、佐賀など過去4%を超えて高く推移していた都道府県の上昇幅は縮小している。また、岐阜県も 4月から上昇幅を縮め、他の都道府県と比べて低い水準となっている。
※月次のデータは週次のデータから作成しております。週次データは毎週月曜日にスクレイピングされるため、月次データは月によって集計に利用するデータポイントの数が異なります。
※当計数は一部を抜粋したものになります。データをご活用される場合は、必ずナウキャストにご連絡ください。
※グラフ等を引用される際は、「出典:ナウキャスト」と記載ください。
今後もナウキャストとフロッグは「HRog賃金Now」を通じて、賃金・求人動向をタイムリーに提供していきます。
■「HRog賃金Now」について
(
https://hrogwagenow.com/
)
「HRog賃金Now」は、労働市場に関する各種公的統計と比較して高い頻度性と速報性を持ち、「地域×職種」のクロスセル分析が容易な賃金動向指数サービスです。公的統計と「HRog 賃金Now」 とを合わせて見ることで公的統計の数値を相対化し、解釈にさらなる深みをもたらすことができます。求人広告データの取得日から2週間後という高い速報性で指数を提供しており、指数は週次で更新され、水準値や前年同期比でもご覧いただけます。
「HRog賃金Now」の「募集賃金指数」は募集賃金の統計です。日本経済の現状を評価し、政府の政策や日本銀行の金融政策の効果が求人市場にどのようにあらわれているか分析することで、日本経済や金融政策の予測に活用できます。
■「HRog賃金Now」が提供する指数の詳細
1、募集賃金指数
概要 : 正社員/アルバイト・パート募集賃金の平均値を指数化したもの
種類 : 前年同期比、前年同月比、2017年2月13日を100とする水準値、実数
更新頻度: 週次/月次(前年同月比、水準値のみ)
提供ラグ: 求人広告がWebスクレイピングされた日から2週間
提供期間: 2017年2月以降(前年同期比については2018年2月以降)
分類 : 総合指数、職種別指数、都道府県別指数
※職種と都道府県のクロスセル分析可能。
職種のウエイト調整: 正社員(あり/なし)、アルバイト・パート(なし)
季節調整:なし
募集賃金による分類: 正社員(月給ベース、年収ベース、月給+年収ベース)、アルバイト・パート(時給ベース)
2、求人数指数
概要 : 正社員/アルバイト・パート求人件数を指数化したもの
種類 : 前年同期比、前年同月比、2017年2月13日を100とする水準値
更新頻度: 週次/月次(前年同月比、水準値のみ)
提供ラグ: 求人広告がWebスクレイピングされた日から2週間
提供期間: 2017年2月以降(前年同期比については2018年2月以降)
分類 : 総合指数、職種別指数、都道府県別指数
※職種と都道府県のクロスセル分析可能。
職種のウエイト調整: なし
季節調整: なし
募集賃金による分類:正社員(月給ベース、年収ベース、月給+年収ベース)、アルバイト・パート(時給ベース)
■「HRog賃金Now」の元データについて
対象データ: フロッグがWebスクレイピングにより収集した求人広告データ(正社員/アルバイト・パート)
求人媒体 : 150以上の求人検索サイト
データ数 : 指数算出に利用するデータは週次で100万~350万件
データヒストリー: 2017年2月13日以降
■「HRog賃金Now」無料トライアルのお申し込み
「HRog賃金Now」の無料トライアルをご希望の方は、以下のサービスサイトからお申し込みください。
「HRog賃金Now」サービスサイト
■ご参考:官公庁・調査研究機関による「HRog賃金Now」活用事例
・日本銀行「
わが国の経済・物価情勢と金融政策 札幌市金融経済懇談会における挨拶要旨
」(2024年6月6日)
・株式会社伊藤忠総研「
金利上昇下で経済正常化に向けて再始動(改定見通し)-日本経済情報2024年5月号
」(2024年5月29日)
・株式会社りそなホールディングス「
りそな 経済フラッシュ (日米 Market View:オルタナティブデータの活用~HRog賃金Now)
」(2024年5月21日)
・SOMPOインスティチュート・プラス株式会社「
観光産業で生じる価格と賃金の地殻変動~賃金劣等生からの脱却の日は近い~
」(2024年5月14日)
・SOMPOインスティチュート・プラス株式会社「
オルタナティブデータが示す雇用・賃金の姿
」(2024年4月25日)
・内閣府「
月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料
」(2024年4月23日)
・株式会社住商アビーム自動車総合研究所「
日本における製造業の募集賃金動向
」(2024年4月5日)
・株式会社伊藤忠総研「
金利上昇するも内需主導で景気は回復(改定見通し)-日本経済情報2024年3月号
」(2024年3月28日)
・株式会社第一生命経済研究所「
賃金は“どこで”上がっているのか? ~オルタナティブデータでみる都道府県別募集賃金の動向~
」(2024年3月26日)
■ご参考:「HRog賃金Now」の過去レポート
・「
「HRog賃金Now」と公的統計の比較分析
」(2024年6月19日)
・「
最低賃金の引き上げによるパート・アルバイトの募集賃金への波及効果
」(2024年5月9日)
・「
消費・物価・賃金のオルタナティブデータからみるアフターコロナの九州経済の状況
」(2024年3月25日)
・「
「HRog賃金Now」で見る宿泊業の賃金・求人動向および賃金上昇と宿泊料の関係について
」(2024年3月13日)
【株式会社フロッグについて】
株式会社フロッグは、「求人ビッグデータを活用し、事業の意思決定に繋げる」をミッションに掲げ、これまで10年に渡り国内求人データを収集しています。累計40億件超の求人データを、必要な時に、必要な人へ、必要な形で提供し、労働市場を可視化することで、クライアントの意志決定をご支援いたします。
会社名 : 株式会社フロッグ
代表者 : 代表取締役・メディア統括 菊池 健生
設立 : 2021年1月5日(株式会社ゴーリストより分社化)
所在地 : 東京都千代田区神田須田町1-18 アーバンスクエア神田ビル7階
公式サイト:
https://hrog.co.jp
【Finatextグループと株式会社ナウキャストについて】
Finatextグループ
Finatextグループは、「金融を“サービス”として再発明する」をミッションに掲げ、次世代金融インフラの提供を通して組込型金融を実現するフィンテック企業グループです。金融サービスのあるべき姿をユーザー視点から見直し、パートナー事業者と共に新しい金融サービスを開発する「株式会社Finatext」、オルタナティブデータ解析サービスの「株式会社ナウキャスト」、証券ビジネスプラットフォームを提供する「株式会社スマートプラス」、次世代型デジタル保険の「スマートプラス少額短期保険株式会社」といった事業会社を擁し、「金融がもっと暮らしに寄り添う世の中」の実現を目指しています。
会社名:株式会社Finatextホールディングス
代表者:代表取締役社長CEO 林 良太
証券コード:東証グロース市場 4419
設立:2013年12月
所在地:東京都千代田区九段北一丁目8番10号 住友不動産九段ビル9階
公式サイト:
https://hd.finatext.com/
株式会社ナウキャスト
株式会社ナウキャストは、東京大学経済学研究科渡辺努研究室における「東大日次物価指数(現:日経CPINow)」プロジェクトを前身として2015年に設立された、オルタナティブデータのリーディングカンパニーです。次世代金融インフラの提供を通して組込型金融を実現するFinatextグループにおいて、ビッグデータ解析事業を担っています。POSデータやクレジットカードの決済データ、求人広告データなどの「オルタナティブデータ」を多数扱い、生成AIを活用した事業者の業務支援に取り組んでいます。また、独自の経済指数を開発し、経済統計のリアルタイム化、企業の経営戦略の見える化を行い、国内外250社以上の金融機関、シンクタンク、政府、政府系金融機関、海外ヘッジファンド等の資産運用、経済調査業務を支援しています。
会社名 : 株式会社ナウキャスト
代表者 : 代表取締役CEO 辻中 仁士
設立 : 2015年2月
所在地 : 東京都千代田区九段北一丁目8番10号 住友不動産九段ビル 9階
公式サイト:
https://nowcast.co.jp/