同事業は復興庁・経産省などの行政や金融機関・VC等が支援する福島イノベーション・コースト構想推進機構が運用するもの。東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業基盤の構築を目指します。
「Fukushima Tech Create」(FTC)ビジネスアイデア事業化プログラム
FTCは、同機構の取り組みのひとつで、福島県浜通り地域等15市町村(*イノベ地域)における起業・創業にチャレンジをする企業・個人等を支援します。
医療はFTCの重点領域で、浜通り地域等における医療関連産業の集積とともに、企業等の新規参入を促進し、医療関連分野の販路開拓支援を実施し、医療関連産業の集積につなげています。
開発プロジェクトの背景
プロジェクトで活用する、流体シミュレーション(CFD)は液体や気体の「流れを見える化」する技術で、近年航空宇宙や自動車などの領域で発展してきました。医療においても、現在、がんに次いで先進国における死亡率が高い循環器疾患をはじめとするさまざまな領域で活用が期待されています。
中でも個別性・難易度が高い生まれつきの心臓病(先天性心疾患)においては、手術設計をはじめとする様々なシーンで現在研究と臨床への応用が進み始めています。
●子どもの心臓病をめぐる現況
■ 100人に1人生まれつきある心臓病。4人に1人が手術となり、7人に1人が手術しても亡くなる
■ 手術時、特に命にかかわるとき行われる「BTシャント術」は難易度が高い
■ 術後死亡は2020年で新生児5.9%、乳児2.3%。手術は成功したのに退院前日亡くなるケースも。
もちろん、術後死亡ゼロに向けた課題抽出と、それらを解消する要因は単一ではありません。しかしながら主な死因のひとつとして自明の減少である血栓の生成・塞栓においては、血注停滞の物理的機序を可視化できれば原因解明につながる可能性が大きいといえます。
本プロジェクトでは、血栓の生成や塞栓といったトラブルの原因が未解明な点に着目。CFDの強みと当社自体の独自性を持って、薬物療法・術式改善・製品開発など多様な予防や対応策に活用できる血流制御技術の開発というあらたなチャレンジをはじめました。
開発プロジェクトのポイント
プロジェクトの概要
血流の流路形状をCFDで可視化し、血流制御技術を確立する
【従来の他手法に対するCFDの優位性】
― 従来の手法が持つ課題を凌駕し、「微小」血管も「3D」で可視化
―「試せない」生体に対してのシミュレーションが簡便に非侵襲的にできる
― 高額だったソフトウェアは、近年クラウド上で計算可能となり低価格化
【当プロジェクトの強み】
ー 信頼関係を構築している医師との協働で、課題に対する解像度が高い
― 専門性高いCFDの技術力と医療への理解力の双方がある
― 医療における課題発掘力に加え、医療者とメーカーを巻き込む事業推進力がある
採択プロジェクトの概要資料
リンク先
より、採択された事業概要を確認いただけます。
メディカルサーキュレーターについて
2024年6月法人設立。流体シミュレーションを活用するデジタルエンジニアリング事業とメディアマーケティング事業からなるティール組織。2事業のシナジー効果で多領域の医療者と協働し患者さんと医療への貢献を目指す。
URL:
https://www.medicalcirculator.com/
共同研究者・企業の募集
流体シミュレーションは血流のほかさまざまな液体や気体の流れを可視化することにより、機器開発の工数削減や生体への侵襲がない手術設計などに貢献します。
本技術に関心をお持ちいただけましたらぜひ下記の問い合わせ先にご連絡ください。
採択された技術の詳細
– **技術名**: CFD(Computational Fluid Dynamics)による血流制御技術
– **用途**: 小児心臓手術における血栓形成リスクの低減
– **期待される効果**: 手術の成功率向上と術後合併症の低減
お問い合わせ先
担当 香西杏子(出版メディア事業部)
メール kozai@medicalcirculator.com