不動産業界のDXに取り組む株式会社いえらぶGROUP(本社:東京都新宿区、代表:岩名泰介、以下「いえらぶGROUP」)は、プライド月間(※1)の取組みの1つとして、不動産会社およびエンドユーザー1,486名に対し実施した「住まいと多様性に関する調査」の結果を発表します。
1. 事実婚・パートナーシップ向け物件の不足を感じる賃貸仲介会社が73%、都市部で需要高く
賃貸仲介会社の72.8%が「事実婚・パートナーシップ関係である方向けの物件が不足している」と回答。都市部で78.4%、地方圏で48.0%が不足と地域差。
2. 事実婚・パートナーシップ向け物件の提供、課題は「オーナーの理解」が80%
事実婚・パートナーシップ関係である方への物件提供について、不動産会社が最も課題と感じているのは「オーナーの理解」80.1%。以下、「法整備の必要性」36.2%、「リスク管理」26.4%、「周辺住民の理解」24.0%の順。
3. 事実婚に賛成する人は80%以上、年齢が下がるほど賛成の割合が上昇
エンドユーザーの80.1%が「事実婚に賛成」と回答。20代以下では83.4%、60代以上では74.2%が「事実婚に賛成」と多様性に対する意識に世代差。
1. 事実婚・パートナーシップ向け物件の不足を感じる賃貸仲介会社が73%、都市部で需要高く
事実婚・パートナーシップ関係である方が契約できる物件について、賃貸仲介会社の72.8%が「不足している」または「どちらかというと不足している」と回答しました。エリアで分けると地方圏(※2)の48.0%に対して、都市部の78.4%が不足を感じています。
また、不動産会社の51.9%が「事実婚・パートナーシップ関係である方の住まい探しは増加している」と回答しています。こちらも特に都市部では52.3%が増加していると答えており、地方(40.5%)を上回りました。
エンドユーザーに婚姻の状況を聞いたところ「配偶者がいる」と回答した619名のうち56名が「事実婚・パートナーシップ関係」であると回答しています。人々の価値観の変化に伴い、事実婚やパートナーシップを選んだカップルによる住宅需要は高まり続けると予想されます。
2. 事実婚・パートナーシップ向け物件の提供、課題は「オーナーの理解」が80%
事実婚・パートナーシップ関係の方への物件提供において、課題に感じることを不動産会社にたずねました。最も多いのは「オーナーの理解」(80.1%)で2位以下を大きく離しています。2位は「法整備の必要性」(36.2%)、3位は「リスク管理」(26.4%)、4位は「周辺住民の理解」(24.0%)です。関係者の意識改革や法制度の整備が求められています。
事実婚関係にあったパートナーが死亡した場合、賃貸借契約は内縁の配偶者ではなく、法定相続人に引き継がれます。過去には法定相続人が退去を求めたケースもありました(※3)。しかし賃借権の相続を遺言書に明記することで、未然にトラブルを防ぐことが可能です。このように現行法のもとでも、多様性に合わせた知識を備えることが望まれます。
3. 事実婚に賛成する人は80%以上、年齢が下がるほど賛成の割合が上昇
エンドユーザーに対し「事実婚に賛成ですか?」とたずねたところ「賛成」または「どちらかといえば賛成」との回答が80.7%でした。この割合は60代以上で74.2%、20代以下で83.4%と年齢が低いほど賛成が多くなりました。若年層ほど家族観や恋愛観が柔軟で、事実婚やパートナーシップ制度を受け入れやすい一方、高齢層は従来の結婚観にこだわる傾向が強いと考えられます。
法務省が実施した「家族の法制に関する世論調査」では、婚姻による名字の変更に不便があると思う人が52.3%でした。選択的夫婦別姓制度に関する質問では、全体の71.1%が現行の夫婦同姓制度ではなく、「旧姓の通称使用の法制度を設ける」「選択的夫婦別姓制度の導入」がよいと回答しました(※4)。
世界には法律婚以外のパートナー関係を制定している国もあります。フランスでは、パートナー契約として法律婚を選ぶ人とPACSを選ぶ人がほぼ同数になっており(※5)、婚外子の割合が62.2%、合計特殊出生率は先進国トップの1.79です(※6)。スウェーデンには「パートナーシップ」、「サンボ」という制度があり出生率は1.52と先進国の中でも最も高い国の一つです(※7)。人口減少が社会問題となる日本でも、パートナー制度に関する柔軟な対応が、一定の出生率向上に寄与する可能性があります。
■いえらぶGROUP 常務取締役 庭山健一 コメント
このたびの調査結果から、事実婚やパートナーシップ制度といった多様な生き方が広まりつつあり、住宅ニーズも変化していることがわかりました。いえらぶGROUPは、お客様の申込みフォームをはじめ、システムの各所を多様なライフスタイルに対応できるよう見直しを進めています。
暮らし方が多様化する時代では、柔軟な人的対応が必要な機会が増えると考えられます。当社では不動産会社の方にコア業務である顧客・オーナー対応に集中いただけるよう、システム化、業務効率化を進めてまいります。
今後とも多様化する社会のニーズにスピーディーに応えられるよう努めてまいります。
■参照資料:
【内閣府男女共同参画局総務課調査室】いわゆる事実婚に関する制度や運用等における取扱い
https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/7th/pdf/6.pdf
■調査概要
調査期間:2024年5月3日~2024年5月13日
調査機関:株式会社いえらぶGROUP
調査対象:【エンドユーザー】「いえらぶコラム」読者や当社SNSフォロワーなど、【不動産会社】「いえらぶCLOUD」を利用している不動産会社の従業員など
有効回答:【エンドユーザー】1,149件、【不動産会社】337件
調査手法:インターネット調査
▽本リリースに関する問い合わせ
https://ielove-cloud.jp/news/entry-871#mail
■いえらぶGROUPについて
いえらぶGROUPは「ITの力を使って不動産会社の業務を効率化する」「誰もが快適に住まいを探せる環境をつくる」を使命に、2008年に誕生した不動産テック企業です。不動産業界向けバーティカルSaaS「いえらぶCLOUD」「いえらぶBB」は全国25,000社以上で利用されています。
SaaSの提供だけでなく、グループ各社を通じてSNSマーケティングや賃貸管理業務・駐車場運営管理の代行など、幅広く不動産業界を支援しています。また、利益相反の観点からも、宅地建物取引業者の登録・不動産取引業に参入する予定はございません。
会社名:株式会社いえらぶGROUP
代表者:岩名泰介
設立 :2008年1月
資本金:3,825万円
所在地:東京都新宿区西新宿 2-6-1 新宿住友ビル24階
コーポレートサイト:
https://www.ielove-group.jp/
不動産事業者向けサービス紹介サイト:
https://ielove-cloud.jp/
※1【在日米国大使館・領事館】「LGBTIプライド月間を祝う」
https://jp.usembassy.gov/ja/celebrate-lgbti-pride-month-in-june-ja/
※2【総務省】「三大都市圏の市町村関連資料」を参考に区分
https://www.soumu.go.jp/main_content/000256144.pdf
※3【最高裁】「最高裁判例集 昭和40(オ)1435」
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=53963
※4【内閣府】「家族の法制に関する世論調査」
https://survey.gov-online.go.jp/r03/r03-kazoku/gairyaku.pdf
※5【Insee(フランス国立統計経済研究所)】「結婚・パックスの締結数」
https://www.insee.fr/fr/statistiques/2569324?sommaire=2587886#graphique-T17F033G2
※6【財務省】「今後の人口の見通しについて‐諸外国の動向」
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20240521/04.pdf
※7【日本経済新聞】「スウェーデン、人口危機の教訓 家庭への支援は日本の倍」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB315IX0R30C22A1000000/