山梨県富士吉田市(市長:堀内 茂)は、“富士山を食害から守れ!野生鳥獣を「マイナス」の存在から「プラス」に変えていく”そんな想いを実現するため、ジビエセンター「DEAR DEER (ディアディア)」を 7月17日(水)正午にグランドオープンいたします。また、7月6日(土)には、メディアや建築関係の皆さまに向けたオープンハウスを実施いたします。ぜひご来場ください。
■構想から3年。ようやく完成を迎えた「DEAR DEER」
2013年、富士山は世界文化遺産に登録されました。そんな富士山がいま、野生鹿による食害に悩まされています。樹木の皮剥ぎによる天然林の劣化、若木の芽や葉が食べられることによる成長の阻害など、野生鹿による食害は森林荒廃や生態系にも大きな影響を及ぼしています。世界遺産登録から10年余りが経過し、富士山の普遍的価値を後世へ繋ぐため、いま改めて富士山の環境保全に注目が集まっています。
■観光や学習施設としての役割
ジビエ加工施設は、そのイメージから嫌悪施設として市街地から離れた場所に設置されていることが多く、環境保全や持続可能な社会のあり方を考える上でとても重要な事業であるにもかかわらず、一般の人たちが親しみにくい環境にあります。本施設は、年間200万人が訪れる道の駅エリアに隣接し、処理加工だけでなく、ジビエの販売を通した集客施設として、また、地産地消やジビエ文化について知ることのできる学習施設としても機能する全国的にも例のない施設を目指しています。
■貴重な資源である富士山麓の鹿
富士山に生息する野生鹿は、これまで農作物や樹皮を食べてしまう厄介者として扱われてきました。また、被害対策として捕獲された鹿は、加工施設がないため埋却処理をせざるを得ませんでした。一方で富士山麓の野生鹿は、年間500頭ほどしか獲れない貴重な存在。尊い命を無駄にせず活用することで良い循環を生み出すこと、それが本施設の重要な役割です。
■ジビエをより身近に感じていただくために
本施設には「剥皮室」「解体室」など処理加工できる設備だけでなく、「熟成室」や「燻製室」「厨房設備」もあり、解体から食肉製品への最終加工までを一貫して行うことが可能です。ジビエ加工施設としては珍しく食肉製品製造業の許可も取得し、ハム、ソーセージといった食肉加工品の製造までを手掛けます。
ジビエ加工施設では、ロースやモモといった部位ごとのお肉を塊の状態で販売していることが一般的です。ただ、「どうやって食べていいかわからない」「味付けはどうするの?」など、消費者にとってハードルが高いのが現状です。そこで本施設では一般の方にも手軽にジビエを食べていただけるようハム、ソーセージといった親しみやすい食材へ加工し、販売することでジビエをより身近に感じていただけるよう工夫しています。
■高齢化する猟友会。若手ハンターの育成も
野生鹿を捕獲するには、狩猟免許など特殊なスキルをもった地元猟友会の協力が不可欠です。しかしながら、全国的にも猟友会メンバーの高齢化が進み、存続が危ぶまれるような地域もあります。本施設では、猟友会が捕獲した野生鹿をすべて受け入れ、商品化することで猟友会メンバーのモチベーションアップに繋げ、猟友会の存続を支援していきます。また、熟練ハンターから若手ハンターへの技術の伝承、また、ジビエとして活用するためのノウハウを取得できるジビエ衛生管理セミナーを開催し、若手ハンターの育成にも取り組みます。
■2度のクラウドファンディングを経て、延べ3万9,387人の支援により実現
「DEAR DEER(ディアディア)」の建設にあたり、ふるさと納税クラウドファンディングを2度にわたり実施しました。プロジェクトには延べ3万9,387人という多くの方の支持、寄付額にして6.3億円の支援をいただき実現することができました。今後も応援してくださった全国の皆さまの期待に応えることができるよう、鳥獣被害の防止、富士山の環境保全、地域の活性化に取り組んでいきます。
■ここでしか食べられない!新鮮なジビエ料理が楽しめる
富士山の雄大な自然の中で育った野生鹿や、富士山麓で育てられたブランド豚「富士ヶ嶺(ふじがね)ポーク」など貴重なお肉を使ったソーセージやハンバーガーなどをご賞味いただけます。また、ジビエが苦手な方もでもお楽しみいただける、豚肉のソーセージやミートローフなども販売いたします。
■富士山ジビエセンター「DEAR DEER(ディア ディア)」施設概要
【営業時間】毎週 金〜月曜日10:00~16:00
※火〜木曜日は定休日 ※7月17日(水)のみ営業
【所在地】 〒403-0006 富士吉田市新屋725-3 道の駅富士吉田 隣り
【公式HP】
https://www.mtfuji-deardeer.com
(2024年7月開設予定)