兵庫県は約67%※1、朝来市は約84%※2という豊富な森林率を有していますが、木材価格が不安定であることも重なり、林業労働者の減少と高齢化への対策、生産性の向上等が課題となり、森林資源を十分に活用できていない状況にあります。
※1:林野庁「都道府県別森林率・人工林率(令和4年3月31日現在)」参照
※2:朝来市「朝来市森林ビジョンの策定(令和5年1月6日現在)」参照
当発電所は燃料として年間で約10,000tの地元兵庫県産の未利用材をチップに加工して使用し、持続可能な林業の実現を目指します。
本システムの発電効率は28%※3で、熱利用も含めると総合エネルギー効率は最大で83%を見込んでいます。(一般的に再生可能エネルギーの発電効率は、太陽光発電で最大20%程度、風力発電で最大30%程度とされており、当発電所はエネルギー利用率が高いことが特徴です)。発電した電力は固定価格買取制度(FIT制度)を利用し、関西電力送配電株式会社へ全量売電します。
※3:WegscheidEntrenco「木質バイオマス熱電併給設備(令和6年4月現在)」参照
■当事業の3つのポイント
① 地域主導:発電事業主体を、地元関係者と新設した株式会社(出資比率 地元(但馬・播磨)の事業者:66% 当社:34%)で行うことで地域主導の意思決定を可能にします。
② 技 術:総合エネルギー効率(電気・熱)の高い設備を採用することで、地域資源を最大限活用できます。
③ 林業振興:100%地域の未利用材を活用することで、林業振興を目指します。
■当発電所のコンセプト
・地域に根ざす発電所として“持続可能な林業”を実現し、輸入依存の化石燃料から、兵庫県産の地域材に転換します。
・発電時に生まれる熱は、発電所に併設の燃料製造工場へ供給し、木質チップの乾燥に利用することで持続的なバイオマス燃料供給体制を構築します。
・余剰生産する木質チップは近隣の熱需要施設で利用したり、発電時に副産物として生まれるバイオ炭(チャー)を農業利用したりするなど、エネルギー創出を基軸にした循環社会を創出します。
当社はこれまでも、地域の課題解決や林業振興に小型木質バイオマス発電が貢献することができると考え、事業を推進してまいりました。今後も、脱炭素は目的ではなく地域活性化の手段であると位置付け、地域の未利用材を活かした木質バイオマス発電事業によるエネルギーコストの削減や地域経済の循環に寄与してまいります。
【発電所概要】
発電所名称
生野銀山バイオマス発電所
建設場所
兵庫県朝来市生野町猪野々47-1
発電事業者
生野銀山バイオマス発電株式会社
発電方法
バイオマス発電(木質ガス化方式)
発電設備
WEGSCHEID ENTRENCO社製の熱電併給装置
定格出力
900kW(150kW×6台連結)
年間発電量
約7,000MWh(一般家庭の約1,770世帯分)※
※(世帯当り3,950kWh/年で算出 出典:【環境省】令和4年度家庭部門のCO2排出実態統計調査結果の概要)
FIT売電開始日
2024年7月
協力業者
【燃料供給】株式会社山田林業、他 地元林業事業者 等
【設計施工業者】シン・エナジー株式会社
【メンテナンス】WegscheidEntrenco株式会社 / シン・エナジー株式会社
【土木建築工事】グローバル建設株式会社
【発電所オペレーション】株式会社山田林業
■生野銀山バイオマス株式会社
【本社】兵庫県朝来市生野町猪野々47-1
【代表者】代表取締役 山田 尚弘
■グローバル建設株式会社
【本社】兵庫県朝来市生野町口銀谷2287
【代表者】代表取締役社長 戸田 俊治
【事業内容】土木工事業、建築工事業、とび・土木工事業、解体工事業
■ハヤキ株式会社
【本社】 兵庫県朝来市竹原野140
【代表者】代表取締役 髙田 元
【事業内容】半導体製造業
■株式会社山田林業
【本社】 兵庫県姫路市北平野南の町13-58
【代表者】代表取締役社長 山田 尚弘
【事業内容】林業・環境事業・観光・まちづくり
■シン・エナジー株式会社
【本社】神戸市中央区御幸通8-1-6 神戸国際会館14階
【代表者】代表取締役社長 乾 正博
【事業内容】エネルギーを基軸とした地域のプロデュース&エンジニアリング
再生可能エネルギー開発事業、新電力事業