CO2を原料とする持続可能な航空燃料(SAF)合成技術開発に向けて小型スケールのSAF製造試験装置の設置を決定

CO2を原料とする持続可能な航空燃料(SAF)合成技術開発に向けて小型スケールのSAF製造試験装置の設置を決定
エコ
記事の購読時間: < 1

国際民間航空機関(ICAO)は,2050年までに航空機のCO2排出を実質ゼロにする長期目標を掲げており,従来の化石由来の航空燃料の多くがSAFに置き換わることが想定されています。IHIは,これに応えるべく,CO2と水素から直接SAFを製造するための触媒開発と効率の良いプロセスの構築に取り組んでいます。

IHIとISCE²は,2022年にSAF合成の新触媒を開発し,これまでのラボ試験において世界トップレベルの性能を持つことを確認しています。このたび,新たに設置する試験装置にて,触媒の性能や耐久性評価を行います。さらに,合成プラントの運転条件の最適化や反応器データの取得などを行い,プロセス全体の検証を進めていきます。

環境にやさしく,経済的な航空機におけるカーボンニュートラル実現するため,効率的かつ安定的なSAF製造技術の早期確立に向けて開発を推進してまいります。


CO2を原料とする持続可能な航空燃料(SAF)合成技術開発に向けて小型スケールのSAF製造試験装置の設置を決定

図1. 試験装置の設置イメージ


CO2を原料とする持続可能な航空燃料(SAF)合成技術開発に向けて小型スケールのSAF製造試験装置の設置を決定

図2. IHIが提案するSAF構想

(*1) ISCE²について

シンガポール科学技術研究庁(A*STAR:Agency for Science, Technology And Research)傘下の研究機関で,A*STARがシンガポールの持続可能性の目標をサポートするために設立した新しい研究所。最新のデジタル化および自動化ツールも活用し,低炭素技術,カーボンライフサイクルアセスメント,持続可能な材料、グリーン製造プロセスなどの分野で研究開発を進めています。詳細はウェブサイト

https://www.a-star.edu.sg/isce2/about-us

をご覧ください。

(*2)SAF(Sustainable Aviation Fuel)

持続可能な航空燃料。原料の生産・収集から,製造,燃焼までのライフサイクルでCO₂排出量を従来燃料より大幅に削減し,既存のインフラをそのまま活用できる航空燃料として世界的に普及推進が活発になってきている。

(*3) ベンチ試験装置概略サイズ:幅×奥行×高さ:5.7m×3.5m×4.4m

【本件に関するプレスリリース】

2022年9月15日 持続可能な航空燃料SAFの合成技術に関して共同研究を開始

~CO₂の有価物転換技術の開発を加速~


https://www.ihi.co.jp/all_news/2022/technology/1198033_3481.html

2022年12月19日 持続可能な航空燃料SAF合成技術開発においてCO₂からの炭化水素生成で世界トップレベル収率を確認

~CO₂の有価物転換技術として早期開発完了を目指す~


https://www.ihi.co.jp/all_news/2022/technology/1198123_3481.html

【関連動画】

【IHI】技術が、未来をつくる SAF編



【関連論文】

IHI技報第63巻 第1号(2023年6月発行)

CO₂を原料とした低級オレフィン類および持続可能な航空燃料(SAF)の合成技術


https://www.ihi.co.jp/technology/techinfo/contents_no/__icsFiles/afieldfile/2023/07/06/08.pdf

ピックアップ記事

関連記事一覧

記事一覧

カテゴリー