古今東西の名著を25分×4回=100分で読み解くNHKの人気番組「100分de名著」。
番組のテキストに大幅な加筆を行い書籍化した、「NHK『100分de名著』ブックス」シリーズ。またスペシャル版の放送などを書籍化した「別冊NHK100分de名著」シリーズ。その2シリーズ3冊が、6月25日に同時発売となります。
テーマは、識者4名による「宗教論」、カフカの『変身』読み解き、そしてアレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』読み解きです。
別冊NHK100分de名著 宗教とは何か
「信じること」を解明する
「宗教による被害」や「宗教二世のこころの問題」「宗教と政治の関係」などが社会を揺さぶっている昨今。「宗教」という問題を長らく真正面から見つめてこなかった私たちは、この状況にどう向き合っていけばよいのでしょうか?
宗教学者、政治学者、思想史研究者、ノンフィクションライターなどの様々な視点から、「名著」にその知恵を求めていく試みが話題となったNHK「100分de宗教論」(2024年1月2日放送)が待望の書籍化。
『予言がはずれるとき』『ニコライの日記』から『大義』『深い河』まで。釈徹宗・最相葉月・片山杜秀・中島岳志という豪華執筆陣が、多角的な視点で宗教をとらえます。新たな取材を加え議論を分かり易く整理した決定版!
著者:
釈 徹宗
宗教学者、相愛大学学長。1961 年生まれ。浄土真宗本願寺派如来寺住職、NPO法人リライフ代表。大阪府立大学大学院博士課程修了。専門は宗教思想。『落語に花咲く仏教 宗教と芸能は共振する』(朝日選書)で第5回河合隼雄学芸賞を受賞。
最相葉月
ノンフィクション作家。1963 年生まれ。関西学院大学法学部卒業。科学技術と人間の関係性、スポーツ、精神医療などをテーマに執筆活動を展開。著書に『絶対音感』(小学館/小学館ノンフィクション大賞)、『星新一』(新潮社/大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞、日本SF大賞、日本推理作家協会賞ほか)など。
片山杜秀
思想史家、慶應義塾大学教授。1963 年生まれ。思想史研究者、音楽評論家。慶應義塾大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。専門は政治思想史。著書に『音盤考現学』『音盤博物誌』(ともにアルテスパブリッシング/吉田秀和賞、サントリー学芸賞)、『未完のファシズム』(新潮選書/司馬遼太郎賞)など。
中島 岳志
政治学者、東京工業大学教授。1975 年生まれ。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。大阪外国語大学外国語学部地域文化学科ヒンディー語専攻卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了、博士(地域研究)。北海道大学大学院法学研究科准教授を経て、現職。専門は南アジア地域研究、日本思想史、政治学、歴史学。主な著書に『中村屋のボース インド独立運動と近代日本のアジア主義』(白水社/大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞)、『ナショナリズムと宗教 現代のヒンドゥー・ナショナリズム運動』(春風社/日本南アジア学会賞)など多数。
NHK「100分de名著」ブックス
カフカ 変身 「弱さ」という巨大な力
主人公が「虫」になる小説の何がそんなにすごいのか?
「100分de名著」番組MCの伊集院光氏が、自著『名著の話――僕とカフカのひきこもり』のタイトルに用いるほど胸に響いたという、放送テキストの書籍化。
放送時は「自分を知るための鏡」として『変身』を紹介した著者ですが、ポストコロナの現状を踏まえ、この作品は「個の孤立」だけでなく「家族の孤立」として読むことも可能だと説きます。新規書き下ろし章では、ヤングケアラー、ビジネスケアラーの問題とからめた読み解きの試みも。カフカが遺したノートに「自分にあるのは人間的弱さだけ。だが、それは見方によっては巨大な力となる」という言葉があります。カフカ没後から100年、不安と孤独を抱える人が多い今、個の弱さを知ることで人と人とのつながりの大切さを考える「介護小説」として『変身』を読み直します。
著者:
川島 隆
京都大学教授。1976年京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門はドイツ文学、ジェンダー論、メディア論。著書に『カフカの〈中国〉と同時代言説』、共著に『図説 アルプスの少女ハイジ』など。訳書にカフカ『変身』(角川文庫)がある。
NHK「100分de名著」ブックス
アレクシエーヴィチ 戦争は女の顔をしていない 人びとの声を紡ぐ
戦争や社会の荒廃を生きる人びとに寄り添う
プロパガンダに煽られ、前線で銃を抱えながら、震え、恋をし、歌う乙女たち。戦後もなおトラウマや差別に苦しめられつつ、自らの体験を語るソ連従軍女性たちの証言は、凄惨ですが、圧倒的な身体性を伴って生を希求します。そうした声に寄り添い「生きている文学」として昇華させた本作をはじめ、アレクシエーヴィチの一連の作品は「現代の苦しみと勇気に捧げられた記念碑」と高く評価され、ノンフィクション作家として初のノーベル文学賞を受賞しました。原発事故、差別や自由、民主主義等、現代世界への問いを提起し続けるアレクシエーヴィチの文学的価値を親交の深い著者が語ります。特別章ではロシアのウクライナ侵攻以降の状況も解説し、読書案内も収載。
著者:
沼野 恭子
ロシア文学研究者、東京外国語大学名誉教授。東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業後、東京大学大学院総合文化研究科比較文学比較文化 単位取得満期退学。専攻はロシアの近現代文学。主な研究テーマは現代ロシア女性文学、日露の文化関係、ロシアの食文化など。主著に『ロシア万華鏡──社会・文学・芸術』(五柳書院)、『夢のありか──「未来の後」のロシア文学』(作品社)など。主な翻訳書にリュドミラ・ウリツカヤ『ソーネチカ』(新潮社)、リュドミラ・ペトルシェフスカヤ『私のいた場所』(河出書房新社)、トゥルゲーネフ『初恋』(光文社新訳文庫)など。近著に『アレクシエーヴィチとの対話──「小さき人々」の声を求めて』(共著、岩波書店)、『ロシア文学の食卓』(ちくま文庫)。
商品情報
別冊NHK100分de名著 宗教とは何か
著者:釈徹宗 最相葉月 片山杜秀 中島岳志
発売日:2024年6月25日
定価:1,100円(税込)
仕様:A5判・144ページ
ISBN:978-4-14-407315-1
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NHK「100分de名著」ブックス カフカ 変身 ~「弱さ」という巨大な力
著者:川島 隆
発売日:2024年6月25日
定価:1,210円(税込)
仕様:四六判・160ページ
ISBN:978-4-14-081965-4
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NHK「100分de名著」ブックス アレクシエーヴィチ 戦争は女の顔をしていない ~人びとの声を紡ぐ
著者:沼野恭子
発売日:2024年6月25日
定価:1,320円(税込)
仕様:四六判・176ページ
ISBN:978-4-14-081966-1
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