「量子コンピュータ」は、ブラックホールや光合成のメカニズムのように、これまで謎とされていた自然界の現象の解明や、膨大な時間を要する計算を可能にすると期待されている技術です。新展示では、いま研究者が実現に向けて開発に挑んでいる量子コンピュータの仕組みを直感的に楽しく体験できます。現在広く使われているものとはまったく違う仕組みのコンピュータがもたらす私たちの未来を、展示を通して想像していきます。
「宇宙と素粒子」をテーマとする新展示では、未知なる宇宙を探究するために生みだされてきた数々の観測技術と、粒子加速器という巨大装置を用いて宇宙の初期状態を再現する研究を合わせて紹介します。特に近年、可視光や電波、赤外線、X線などの光による宇宙の観測に加え、ニュートリノや重力波といった光以外の観測を組み合わせ、多角的に天体現象をとらえる「マルチメッセンジャー天文学」が大きく進展しています。ひとつの観測手段では部分的にしか理解できなかった現象を複合的に見ていくことで、その全体像を明らかにしていく研究者たち。その情熱と、積み重ねられてきた「知」の厚み、そして宇宙の奥深さを体感できる展示です。
新展示公開に先立ち、浅川は「人類は未知の世界を探究して得た新たな知から、未来につながる技術を生み出し続けています。今回は、こうした研究者たちの努力の一端を感じていただける展示です。探究学習の入り口としても活用していただけるよう工夫しています。ご期待ください」と述べています。
展示の詳細は随時お知らせしていきます。
■公開日 2025年4月(予定)
※公開日は決定次第お知らせします
■新展示の工事に伴い、2025年1月に次の常設展示の公開を終了します。
「インターネット物理モデル」
「未来逆算思考」
「加速器で探る素粒子と宇宙」
「ニュートリノから探る宇宙」
※終了日は調整中です。詳細は後日WEBサイトでお知らせします。
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テーマ「量子コンピュータ」
量子コンピュータは、量子力学の原理を用いた計算機です。現在広く使われているコンピュータよりも遥かに高い計算能力があるため、実現すれば、ブラックホールや光合成のメカニズムのようにこれまで謎とされていた自然界の現象の解明や、画期的な新薬の開発など、膨大な時間のかかる計算が可能になると期待されています。
量子コンピュータをつくるには、原子や電子といった極小の世界を支配する物理法則「量子力学」を理解し、使いこなすことが必要です。しかし、量子の世界は、これまでの物理の常識が通用しない特殊な世界。量子コンピュータを利用する場合も、現在のコンピュータとはまったく違う新しい計算方法の考え方が必要です。
今回の展示では、難解といわれるこの量子コンピュータの計算の仕組みを体験展示で楽しみながら直感的に理解していきます。量子の特性である「重ね合わせ」を利用した計算が生みだす“大きなパワー”を感じながら、量子情報科学がもたらす私たちの未来を想像してみましょう。
総合監修:藤井 啓祐 氏(大阪大学基礎工学研究科 教授)
設置エリア:3階 常設展示ゾーン
広さ:約280㎡
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テーマ「宇宙と素粒子」
私たち人類は、未知なる宇宙をとらえようとさまざまな観測方法を生みだしてきました。可視光に加え、電波、赤外線、X線などの目に見えない波長の光を含めた多波長天文学が確立され、さらに近年は、私たちの体を1秒間に数百兆個もすり抜けている粒子「ニュートリノ」や、2015年に初めて直接検出された「重力波」の観測も進んでいます。また、宇宙の情報を私たちに届けてくれるこれらの“メッセンジャー”のデータを組み合わせて、多角的に天体現象をとらえる「マルチメッセンジャー天文学」も大きく進展しています。
さらに、粒子加速器を用いた大規模実験で宇宙の初期状態の再現を目指すなど、ひとつのアプローチでは明らかにできないような現象を解明しようと挑戦が続いています。
研究者たちは、見えない世界をどのように観測しているのでしょうか。今回の展示では、宇宙を探るために生みだされてきた数々の先端技術を擬似体験していきます。その挑戦の壮大さ、注がれる情熱、そして積み重ねられた知にきっと驚くことでしょう。しかし、それでもまだ謎に満ちているのが宇宙。人類の知のフロンティアとともに、宇宙の奥深さも感じられる展示です。
総合監修:梶田 隆章 氏(東京大学卓越教授(宇宙線研究所))
監修者:石原 安野 氏(千葉大学ハドロン宇宙国際研究センター 教授)
田中 雅臣 氏(東北大学大学院理学研究科 教授)
中山 浩幸 氏(高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所 准教授)
設置エリア:5階 常設展示ゾーン
広さ:約125㎡
今後、詳細情報を随時お知らせしていきます。ぜひ、ご期待ください。
※所属・肩書は掲載時点のものです。
【一般からのお問い合わせ先】
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