オープンソースソフトウェアベースの5G基地局 「OAIBOX」の国内販売を開始します

オープンソースソフトウェアベースの5G基地局 「OAIBOX」の国内販売を開始します
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オープンソースソフトウェアベースの5G基地局 「OAIBOX」の国内販売を開始します

株式会社構造計画研究所は、Allbesmart LDA(本社:ポルトガル、創業者:Paulo Marques氏、CEO:Jorge Ribeiro氏、以下、Allbesmart社)が開発したオープンソースソフトウェアベースの5G基地局OAIBOXに関して、この度国内独占販売契約を締結し、国内で初めての販売を開始します。

OAIBOXは、実験・研究用のオープンソース5G基地局をオールインワンパッケージで提供するサービスです。当社は、これまでソフトウェア無線技術などの研究開発に第一線で携わってきた知見を活かし、OAIBOXの国内展開や技術サポートを通じて、次世代無線通信技術の研究開発を支援します。

オープンソースソフトウェアベースの5G基地局 「OAIBOX」の国内販売を開始します



背景

移動体通信システムが4G、5G、そして6Gに向けて進化していく中で、通信技術の仕様は高度化・複雑化の一途を辿っています。それに伴い、5G通信を模擬できるハードウェア・ソフトウェアの開発難易度も高まっており、次世代無線通信を担う研究者・技術者にとっては、研究開発を行うためのプラットフォームの構築に多くの時間と手間がかかる状況が生じています。

5G通信プラットフォームの構築を可能にするものとして、近年、OpenAirInterface(以下、OAI)というオープンソースソフトウェア(以下、OSS)が注目を集めています。OAIを実装したPCは、ソフトウェア無線機などの無線デバイスを接続することで、有線ケーブル上で5G信号の通信が可能であり、さらにアンテナを具備することで5G無線通信を実現できます。しかしながら、実際にOAIを実装するためには、安定した動作環境を構築するための技術的なハードルが高いという課題があります。

この度、取り扱いを開始するOAIBOXは、OAIベースの5G通信環境をオールインワンパッケージで提供するプラットフォームです。面倒な環境設定やチューニングの必要がなく、導入後すぐに安定した5G基地局を起動することができます。これまで研究者・技術者が時間と手間を費やしてきた環境構築作業を大幅に削減でき、5G無線通信を使った様々な実験や研究に活用可能です。



製品の特長


①ソースコードを自由にカスタマイズ可能


OAIは OSSであるため、ソースコードを自由に改変して利用可能です。5G NRに準拠した無線通信の実現方法が全てコードとして公開されており、学習や研究の題材としても最適です。ソースコードをカスタマイズすることで、実無線機を用いた概念実証までの期間を短縮できます。


②洗練されたGUI・動作安定性・充実したマニュアル兼コースウェアを提供


通信の様子が分かりづらい・安定動作するハードウェアや設定の組み合わせが限定的・利用にあたっての情報が整理されていないというOAIの弱みを克服し、直感的でユーザーフレンドリーなOAIシステムとしてご利用いただけます。


③オープンソースコミュニティで開発が進むOAIに対する高い追従性


OAIは、近年5G OSSの中でもとりわけ規模が拡大し、加速度的に3GPP[1]標準仕様対応と他システム連携が進んでいます。2019年より最新版OAIの動向を追いつつ研究開発の実績と経験を重ねてきた当社と、OAIコミュニティ[2]で世界トップクラスの貢献度を誇るAllbesmart社との強力なパートナーシップにより、ユーザーがいつでもOAIの最新機能を利用できる環境を用意します。

[1] 3GPP:3rd Generation Partnership Projectの略。第3世代移動通信システム(3G)以降の移動通信システムの仕様検討と策定を行う世界的な標準化プロジェクト。

[2] Allbesmart社ならびに構造計画研究所は、いずれもOAI開発コミュニティであるOpenAirInterface Software AllianceのAssociate Memberです。



製品のラインナップおよびサポート

製品ラインナップとして OAIBOX 40 / OAIBOX MAX / OAIBOX O-RAN の3種類を用意しています。

オープンソースソフトウェアベースの5G基地局 「OAIBOX」の国内販売を開始します

OAIBOXは、学習教材としての利用に留まらず、最先端の研究開発を行う研究者・技術者の高速なプロトタイピングを実現します。例えば、自動運転技術やNTN[3]の実現に向けた研究開発・実証実験や、5G/6Gの実験環境構築を手軽に行いたい大学・企業、無線通信機器ベンダーなど、多様な分野における研究開発を強力に支援します。

当社は、OAIBOXをご購入いただいたお客様の導入支援、保守、Q&A対応等を通じて、これまでの実績を活かしたスムーズな通信環境な構築や、ユーザーが検討したいシナリオや通信方式を実現するための拡張開発についてのサポートを提供します。

製品情報詳細はこちら:

https://network2.kke.co.jp/sdr/oaibox/

[3] NTN:Non Terrestrial Networksの略。陸・海・空・宇宙をシームレスにつなげる通信ネットワークシステム。



OAIBOX販売開始記念セミナーを開催

日本でのOAIBOX取り扱い開始を記念して、OAIBOXおよびOAI技術に関する特別セミナーを開催します。本セミナーでは「OAIで加速する次世代通信技術開発最前線」をテーマとして、国内唯一のOAI Software Alliance参加大学である京都大学の原田博司教授や、OAIBOXの開発元であるAllbesmart社の創業者 Paulo Marques氏による講演などを通して、OAIを用いた最新の取り組みについてご紹介します。また、OAIBOXの実機をご覧いただける展示も予定しています。

この機会に、最新の次世代通信技術開発についての知識を深めていただけることを期待しております。

・セミナー申込サイト:

https://kke.lmsg.jp/v2/seminar/11672/ww9RB6WD

・開催日時:2024年7月23日(火)14:00~17:30(受付開始:13:30~)

・開催会場:ベルサール新宿グランドコンファレンスセンター

・参加費:無料

構造計画研究所とAllbesmart社は今後も連携を深め、次世代無線通信の研究開発支援を推進してまいります。



会社情報

【株式会社構造計画研究所】

構造計画研究所は、工学知を用いて社会の諸問題の解決に挑む技術コンサルティングファームです。1956年に構造設計事務所として創業して以来、「大学、研究機関と実業界をブリッジする Professional Design & Engineering Firm」として、建設・防災、情報・通信、製造分野や意思決定支援など多様な領域に事業を拡げてきました。工学知をベースにしたエンジニアリングコンサルティングおよびプロダクツサービスの提供を通じて、複雑化する社会課題の解決に日々取り組んでいます。

会社ウェブサイト:

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【Allbesmart LDA】

Allbesmart LDAは、2015年に設立された、オープンソースのOAIプロトコルスタックを使用したソフトウェア定義の3GPP 5G NR実装に特化した技術企業です。教育、研究、実験のための世界有数のオープンソース5G/6GテストネットワークであるOAIBOXを開発し、事業を拡大してきました。OAIの利用を促進し、5G/6Gの実験とイノベーションを世界中に普及させることを使命としています。

会社ウェブサイト:

https://www.allbesmart.pt/

※  構造計画研究所および、構造計画研究所のロゴは、株式会社構造計画研究所の登録商標です。

その他、記載されている会社名、製品名などの固有名詞は、各社の商標又は登録商標です。

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