横浜美術館は、3年にわたる大規模改修工事を終え、2024年3月、「第8回横浜トリエンナーレ」でリニューアルオープンしました。会期終了後は、工事のあいだ外部倉庫に保管していた約14,000点のコレクションを館内に戻す作業のため、再び休館いたします。11月に一部施設を開室し、いよいよ2025年2月、すべての活動を再開します。
この全館オープンのトップを飾るのが、真正面から「横浜」を取り上げる
「おかえり、ヨコハマ」(2025年2月8日―6月2日)
です。続く
「佐藤雅彦展」(仮称/2025年6月28日―11月3日)
、
「日韓現代美術展」(仮称/2025年12月6日―2026年3月22日)
までの1年にわたる企画展シリーズを
「横浜美術館リニューアルオープン記念」
とし、新しくなった美術館の船出を彩ります。
横浜という土地に根差すこと。「アート」の枠組みを超えた表現にも果敢に取り組むこと。国際貿易港としての歴史を踏まえ、世界に目を向けること。いずれも横浜美術館ならではのテーマを掲げる充実のラインナップです。どうぞご期待ください。
横浜美術館 館長 蔵屋美香
横浜美術館リニューアルオープン記念
おかえり、ヨコハマ
2025年2月8日(土)―6月2日(月)
開港以前にこの地に住んだ人びと。170か国籍を数える市民。横浜発の意外なプロダクト。この展覧会は、こうした多様なヨコハマの姿に光を当てます。当館のコレクションを活用し、またアーティストへの新作依頼も行います。
タイトルには、約3年の工事休館を経て「横浜美術館が帰ってきた」という意味と、「生きた時代や生まれた地域を問わず、横浜に関わるすべての人を『おかえり』といって迎え入れたい」という願いを込めています。
横浜美術館リニューアルオープン記念
佐藤雅彦展(仮称)
2025年6月28日(土)―11月3日(月・祝)
『ピタゴラスイッチ』『だんご3兄弟』『0655/2355』などの教育番組群、『バザールでござーる(NEC)』『モルツ(サントリー)』『スコーン(湖池屋)』をはじめとするCM群、《計算の庭》《指紋の池》に代表される身体表象をテーマにしたインタラクティブアート群。佐藤雅彦は、表現者そして教育者として、さまざまなメディアを用いて斬新、かつ親しみやすいコンテンツを発表し続け、90年代以降のメディアの世界を牽引しています。
初の回顧展となるこの展覧会では、佐藤の40年にわたる創作活動を概観し、そこに通底する独創的な思考方法と表現手法、感性を浮き彫りにします。
横浜美術館リニューアルオープン記念
日韓現代美術展(仮称)
2025年12月6日(土)―2026年3月22日(日)
地理的にも文化的にも近しい他者として、長い歴史を歩んできた日本と韓国。その中でも、1945年以降今日に至るまでの美術は、どのような関係にあったのでしょうか。二国間の接点や断絶、共通点と差異を中心に考えると、たがいの、そして自己の意外な姿が立ち上がってくるかもしれません。
1965年の日韓国交正常化から60年となる節目に合わせ、韓国国立現代美術館との共同企画により、日韓現代美術の関係史を紐解きます。
<その他のイベント>
横浜美術館 新収蔵作品特別展示
淺井裕介《八百万の森へ》
2024年7月5日(金)―7日(日)
12:00-17:00(入場は閉場の30分前まで)
現代美術家 淺井裕介の新作《八百万(やおよろず)の森へ》の3日間限定特別展示(観覧無料)を開催します。
本作品は、横浜信用金庫創立100周年記念事業として2023年度横浜市文化基金に寄せられた寄附金を財源に、横浜市が淺井裕介氏に作品の制作を委嘱し、新たに横浜美術館コレクションに加わったものです。画材として主に横浜市内の土が用いられ、多くの人や場所との交流が生まれた本作品を、この機会にぜひご覧ください。
※通常の当館開館時間とは異なりますのでご注意ください。
※会期中ご鑑賞いただけるのは、本作のみとなります。
【横浜美術館 今後のスケジュール】
2024年6月9日
「第8回横浜トリエンナーレ」閉幕
以降、約14,000点の横浜美術館コレクションを外部倉庫より収蔵庫へ
2024年7月5-7日
「横浜美術館 新収蔵作品特別展示 淺井裕介《八百万の森へ》」
2024年11月1日
「じゆうエリア」一部オープン(ギャラリー8、ギャラリー9、美術図書室、
ミュージアムショップ、カフェをリニューアルオープン)
市民のアトリエ、子どものアトリエなど教育普及プログラム再開
レクチャーホール利用受付開始
2025年1月
全サインおよび家具設置完了
2025年2月8日
全館オープン
横浜美術館リニューアルオープン記念「おかえり、ヨコハマ」展、
横浜美術館コレクション展開催
横浜美術館
横浜美術館は、1989年11月3日横浜・みなとみらいに開館しました。
日本のモダニズム建築の巨匠と称される建築家・丹下健三が設計した迫力のあるシンメトリーな外観と、吹き抜けの開放的なグランドギャラリーが特徴の当館は、9つの展示室のほか、24万冊を超える蔵書がある美術図書室、多彩なワークショップを行うアトリエなども揃う、国内でも有数の規模を誇る美術館です。国際的な港町、横浜にふさわしい美術館として、開港以降の近・現代美術を幅広く鑑賞していただけるほか、年間を通じて、約1万4千点の所蔵品からテーマごとに展示を行うコレクション展、多彩な企画展を開催しています。
横浜の街が育んできた歴史と、発展し続けるみなとみらい21地区の息吹を感じながら、横浜美術館で充実した時をお過ごしください。