福井県坂井市は新聞先進地?

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福井県坂井市は新聞先進地?

大正時代の新聞「みくに」。下の広告スペースには当時の芦原温泉の旅館が名を連ねる。

「みくに」には室生犀星が在籍

福井県坂井市龍翔博物館は6月22日から、企画展として「大正・昭和の坂井の新聞」展を同館3階の特設コーナーで開いています。かつて明治時代、のちに作家となる室生犀星が記者として一時期在籍した「みくに新聞」をはじめ、明治・大正から昭和にかけ、旧坂井郡(現坂井市とあわら市)には三国町や丸岡町を中心に37紙の新聞が発刊されており、福井県北部の狭いエリアに相当の種類の新聞・情報紙が発行されていた歴史が分かります。同館では「新聞は、当時の政治や娯楽など世相を詳しく知ることができる貴重な情報源」として、市民の自宅に眠っている戦前の新聞がないか、情報提供を求めています。

企画展は、同館に「近代史」を専門とする学芸員が複数いることから、地域の歴史を知るには大きな情報源となる明治から昭和にかけての新聞にスポットを当てました。

3階の展示コーナーではガラスケースに6部の新聞を展示、最も古い新聞は、大正7(1918)年4月3日付の新聞「みくに」で、現在のA3サイズよりやや大きい1枚表裏印刷のタブロイド紙。「女實校の養蚕」の見出しで、当時の女子生徒たちが蚕を育てている様子を記事化しています。1面下の広告欄には「べにや」「つる屋」「はい屋」など現在も残っている温泉旅館など6軒が名前を並べた「芦原温泉」の広告が掲載されています。「室吉」「いろは館」などいまはなくなった懐かしい旅館の名前も載り、歴史を感じさせます。

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また昭和5(1930)年1月7日付の「春江新聞」には、「お正月のスキー場はどこがよいか?」の見出しで、スキー場を特集。館によると、大正時代後半から、昭和初期は娯楽ブームが起き、レジャーへの関心が高まった時代で、こうした世相を反映した紙面を読むことができます。このほか昭和初期の「みくに新聞」や終戦直後の「坂井新聞」などが展示されています。

龍翔博物館の月僧学芸員は「すべての新聞が館に残っているわけではないが、調べた限り18紙もあった三国町を中心に、丸岡町、芦原町などにもあり37紙が発行されていたようだ。時代の流れの中、いずれも休廃刊してしまったが、こんなに多種な新聞があった地域は大変、珍しいのではないか」と話しています。

また、「あにいもうと」などの名作も残した作家の室生犀星は、明治42(1909)年にわずかな間、記者として在籍しましたが、犀星が書いた記事を掲載した新聞は見つかっていません。博物館では「新聞は貴重な資料」として、市内外の旧家などに保存された新聞はないか、探索や提供を呼びかけています。

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【坂井市龍翔博物館】(福井県坂井市三国町緑ケ丘4丁目2-1)

毎週水曜は休館。「大正・昭和の坂井の新聞展」は6月22日~9月16日。8月中旬には一部展示を差し替えます。入館料は大人400円(高校生以下は無料)。

TEL 0776(82)5666



【参考情報】

坂井市には、他にも福井県が誇る観光地や食が多数あります。その一部を下記にてご紹介いたします。


<自然>

越前加賀海岸国定公園に含まれる越前松島などの美しい海岸線、九頭竜川や竹田川、市東部の森林地域、福井県一の米どころを支える広大な田園など、豊かで美しい「海・山・川」の自然に恵まれています。

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東尋坊

断崖に日本海の荒波が打ち寄せる景色で知られる国の天然記念物・名勝東尋坊。約1キロメートルにわたり豪快な岩壁が広がっています。このような輝石安山岩の柱状節理が広範囲にあるのは、世界に3ヵ所ともいわれ、地質学的にも大変貴重な場所です。初夏のまばゆいばかりに広がる青い空と日本海、秋の頃の日本海に太陽が沈み行く夕景、雪が舞う頃の荒々しい波と吹きつける寒風。どれも東尋坊と日本海の大自然が見せてくれる、四季折々の素晴らしい風景です。

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越前松島

東尋坊と同じ柱状節理の岩が織り成す景観の中、一風変わった岩が点在するほか、散策路を辿ると小島に渡ることができたり洞穴を覗くこともできます。越前松島水族館や宿泊施設が隣接し、家族連れや遠足でにぎわう観光地となっています。


<観光地>

日本屈指の景勝地である東尋坊、三国サンセットビーチを中心とする海岸、北前船交易で栄えた三国湊、現存12天守の丸岡城をはじめとする歴史資源があります。

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三国湊

三國湊は、福井県一の大河「九頭竜川」の河口に位置します。千年以上昔の文献にも「三国」という地名の記述があるほど昔から栄え、歴史がある町です。北前船が残していった歴史・文化はもちろんのこと、格子戸が連なる町家、豪商の面影が残る歴史的建造物など、情緒ある町並みが残ります。

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丸岡城

丸岡城は別名霞ヶ城とも呼ばれ、平野の独立丘陵を利用してつくられた平山城です。春の満開の桜の中に浮かぶ姿は幻想的で、ひときわ美しいものとなっています。戦国時代の天正4年(1576年)一向一揆の備えとして、織田信長の命を受けて柴田勝家の甥・勝豊が築きました。標高27mの独立丘陵を本丸として天守を築き、その周囲に二の丸と内堀、その外側に三の丸と外堀を巡らせていました。丸岡城天守は、江戸時代以前に建てられ当時の姿で現在まで残っている現存12天守の1つです。昭和23年の福井地震により石垣もろとも完全に倒壊しましたが、天守の材料や石垣などの主要部材の多くを再利用して昭和30年に修復修理されました。現存12天守の中で、完全に倒壊した状況から修復された天守は唯一丸岡城天守のみです。現在立ち続けている古式の風格のある姿は、消滅の危機という困難な道のりを経ても立ち上がり復興してきた証であり、その歴史は他にはない波乱の運命を歩んだものです。

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雄島

その自然は未だかつて人の手が加えられていない神の島。伝説のある島全体は自然豊かな散策路としても親しまれています。島の奥には大湊神社がたたずみ、毎年4月20日は地区住民による大湊神社の例祭が行われます。


<食>

福井県における冬の味覚の代表である「越前がに」をはじめとする水産物、そば、らっきょうなどの農産物、山菜、油揚げ、若狭牛など、食を活かした観光が魅力です。

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越前がに

毎年皇室へ献上される事でも有名な三国町の「越前がに」は、身は殻の中によく詰まっていて、甘く繊維が締まっており、数に限りがあるため、特に珍重されています。

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甘えび

甘えびは、越前がにと並んで人気の高い日本海の珍味。三国漁港にも透き通るような紅色をした、たくさんの新鮮な甘えびが並んでいます。

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丸岡産おろしそば

坂井市は県内1・2を誇るそばの産地で、特に丸岡産のそば粉で作ったおろしそばは香り高く、風味が強い飽きない仕上がりとなっています。


<文化・伝統>

ファッションなどのブランドネームや品質表示などの織ネーム、国内第1位のシェアを占めるマジックテープなど伝統的な技術産業が盛んです。

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越前織:ネームタグ

丸岡は織物の一大産地で、ワッペンやスポーツ用ネームとして用いられる「織ネーム」は需要が高まっており、また、コンピュータで図柄処理し織物として描画する「越前織」も観光の土産等向けに作っています。主要製品は洋服に施すネームタグで、国内シェア7割を誇ります。

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一筆啓上 日本一短い手紙の館

丸岡町ゆかりの徳川家康の忠臣本多作左衛門重次が陣中から妻に宛てた短い手紙「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」(「お仙」とは後の越前丸岡城主 本多成重(幼名 仙千代))の碑が丸岡城にあります。この碑をヒントに日本で一番短い手紙文を再現し、手紙文化の復権を目指そうということで、平成5年から毎年テーマを定めて「一筆啓上賞」として作品を募集し、平成15年から「新一筆啓上賞」として、日本全国、海外から応募が寄せられています。

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