NPO法人北海道NPOサポートセンターは、『NPOのDNA』を発表いたします。本プロジェクトは、北海道のNPO戦略を策定し、NPOの未来を拓くための取り組みです。これまでプロジェクトに取り組んできた中で、道内各地のNPOとの対話を通じて、NPOの役割やの重要性を再確認しました。これを踏まえ、私たちは北海道のNPO戦略を策定し、今後のNPO活動に新たな展望をもたらすべく努めてまいります。
『NPOのDNA』の詳細については以下の通りです。
『NPOのDNA』は、北海道のNPOに関わる皆様と共有するために、活動内容を冊子化し、実践方法についても具体的にまとめました。また、6月7日に開催された『NPOのDNA』意見交換会では、多くの方々と意見を交わす貴重な機会となりました。参加者からは、NPOの役割や活動方法についての具体的な意見や感想が寄せられました。これからの北海道NPO戦略に向けて、「NPOのそもそも」を問い続けるということがとても大切です。今後もNPOのDNAを探求する対話の場を設け、NPO活動のさらなる進化と発展を図っていきたいと思います。
●概要
1. 創立から25年。北海道のNPO戦略づくりプロジェクトとは?
2. 北海道NPOの未来を担う「NPOのDNA」
3. 6/7(金)開催!『NPOのDNA』意見交換会の開催報告
4. これからの北海道NPO戦略に向けて
1.創立から25年。北海道のNPO戦略づくりプロジェクトとは?
NPO法の施行から25年が経過し、北海道においては2,153のNPO法人が活動しています(2023年1月時点)。北海道NPOサポートグループでは、日々、多くのNPOに関する相談が寄せられており、それらの課題解決に向けて取り組んでいます。しかし、解決しきれない難題も多く、課題は多岐に渡っています。
そこで、グループメンバーは議論を重ね、全道のNPOとの対話を通じて、NPOの中間支援としてなにを大切していきたいかを再確認する必要性を感じました。その上で、「北海道のNPO戦略」を策定し、北海道NPOの未来を創り出すためのプロジェクトを立ち上げました。
プロジェクトが発足してから約2年。
各地の中間支援センター等の協力を得ながら全道6カ所で、対話の場をひらき、延べ 100 団体と意見交換を行った後、ワーキンググループメンバー(以下 WG メンバー)を集いました。北海道内で活動するたくさんの方々と「話をする/話を聞く」ことに時間を費やす中で、NPO の”そもそも”を繰り返し問いかけ、NPO の原点を再確認し、受け継ぐべきことと変化が求められることを整理する作業を重ねていました。それはあたかも、
NPO 草創期を支えた世代の方々から受け継いだ DNA を紐解き、新たな情報を書き加え、進化させていく作業のよう
に思えました。
2.北海道NPOの未来を担う『NPOのDNA』
NPO が市民参加を促進し、社会課題解決において重要な役割を果たす、ということを繰り返し書いています。これは、NPO の日々の活動により地域の土壌が耕され、市民が自らを主権者として社会に目を向け、市民が社会貢献活動に取り組みやすい環境をつくり、多様な市民の力が
“集まらさる”
ようにすることがこれからの NPO 活動の鍵になる、という思いからです。
今後、「NPOのDNA」を冊子化し、北海道の NPO に関わる方にできるだけ多く共有をしていきたいと思っています。そして、それぞれの地域の NPO の活動現場に合わせた実践方法を検討し、実践書(活用の仕方手引き)を作成していく予定です。
「NPOのDNA」はこれからも社会の実情や、道内のNPO活動の変化等により、変化していくものだと考えています。読んでくださった皆さまからの率直なご意見やご感想、をいただければ幸いです。
3. 6/7(金)開催!『NPOのDNA』意見交換会の開催報告
当日は、約30名の参加者の皆さんと共に意見交換会を開催しました。
『NPOのDNA』草案を全員で読んでみる時間からはじまり、読んでみて印象に残った部分やフレーズ等をグループごとに話し合う時間を取りました。
参加者のみなさんからは
「NPO法ができてからの歴史がまだ新しい。わずか30年で変わること、変わらないことがあるほど進み方が目まぐるしいと感じている」
「なぜNPOで活動していくのか、役割が分かるように見せていくことが大事」
「これからもいろんな団体と読む機会を設けてアップデートしていくことが大事だと感じた」
等の声が聞かれました。
4. これからの北海道NPO戦略に向けて
NPOの“そもそも”を問う議論は、NPOという言葉が日本にやってきたときから日本中で行われてきました。NPOを取り巻く環境は複雑化し、特に北海道では人口減少による担い手不足や過疎化が深刻な課題となっています。この誰もが忙しく余裕がない社会の中で、NPO創始者たちが培ってきたものを見つめ直し、NPOが今どのような役割を果たすべきか、どういった存在であるべきかといった“そもそも”を問い続けるということが私たちにとっては大切な時間なのだと思っています。そういった「対話」が、『NPOのDNA』を手に持ちながら行われること、そして『NPOのDNA』が立場や分野、活動地域を超えてつながりを持つきっかけになることを期待しています。
「NPOのDNA」は、「私たちはこれから何を大切にしていけばいいのだろうか」という疑問に対して、一度立ち止まり、たくさんの人たちと意見交換しながら”現時点の考え”をまとめたものです。これは正解ではなく、あくまで現時点でのまとめであり、読む人や時代背景と共にリアルタイムでリニューアルされたり、自分なりの表現で解釈してみるなど、常に変化し続けるものです。活動を続ける中で疲れたり、孤独を感じたり、一度原点に返りたくなったときなど、皆さんのちょっとした”よりどころ”として活用していただければ幸いです。じわりじわりと広がり、結果として様々な場面で活用されることを願っています。
■北海道の NPO 戦略づくりプロジェクトメンバー(五十音順)
伊藤 麻純 (NPO 法人 北海道 NPO サポートセンター スタッフ)
加納 尚明 (NPO 法人 札幌チャレンジド 理事長)
草野 竹史 (NPO 法人 ezorock 代表理事)
高山 大祐 (NPO 法人 北海道 NPO サポートセンター スタッフ)
中西 希恵 (NPO 法人 北海道 NPO サポートセンター スタッフ)
橋本 正彦 (NPO 法人 みなと計画 理事長)
三木 真由美(NPO 法人 室蘭 NPO 支援センター 理事長)
水谷 あゆみ(NPO 法人 ezorock スタッフ)
宮本 奏 (NPO 法人 きたのわ 代表理事)