CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間5月30日に、リテールバンクおよびクレジットカード会社が提供するデジタルチャネルの顧客満足度に関する4調査*¹ の結果を発表した。これらの調査は、リテールバンクおよびクレジットカード会社のデジタルチャネルに対する満足度を測定している。
*¹ :
J.D. Power 2024 U.S. Banking Mobile App Satisfaction Study℠(J.D. パワー 2024年米国銀行モバイルアプリ顧客満足度調査℠)
J.D. Power 2024 U.S. Online Banking Satisfaction Study℠(J.D. パワー 2024年米国オンラインバンキング顧客満足度調査℠)
J.D. Power 2024 U.S. Credit Card Mobile App Satisfaction Study℠(J.D. パワー 2024年米国クレジットカードモバイルアプリ顧客満足度調査℠)
J.D. Power 2024 U.S. Online Credit Card Satisfaction Study℠(J.D. パワー 2024年米国オンラインクレジットカード顧客満足度調査℠)
資産管理ツールとバーチャルアシスタントがデジタル顧客体験の新境地を開く
今回調査での良いニュースは、米国内の銀行やクレジットカード会社が、モバイルアプリやウェブサイトでのシームレスで効率的なデジタル顧客体験のためのベストプラクティスを確立できていたことである。悪いニュースは、ブランド間の差別化が限定されているため、有意義なデジタル顧客関係を独自に築くことが難しくなっていることである。今回調査によると、銀行とクレジットカード会社が比較的有意義でユニークなデジタル顧客体験を推進できている分野は、パーソナライズ化された資産管理ツールとバーチャルアシスタントの利用である。
2024年調査の主なポイントは以下の通り:
個人向け資産管理に成長の余地
ランキング最上位と最下位の銀行やクレジットカード会社のモバイルアプリやウェブサイトの総合満足度の差はかなり縮まっているが、依然として評価に大きなばらつきがある分野の1つは、個人向け資産管理ツールである。クレジットスコアのモニタリング、支出の分析・分類、予算管理ツールの利用は顧客満足度に大きな影響を与えるが、その実行と利用状況は銀行や会社によって異なる。
バーチャルアシスタントが若年層の支持を集める
バーチャルアシスタントの全体的な利用率は、クレジットカードと銀行の顧客ともに比較的まだ低いが、特に若年層の間では過去3年間で着実に伸びている。バーチャルアシスタントを通じて実行される最も一般的な機能は、口座残高の確認、支払い、取引の確認、送金などである。
P2P決済と送金の普及が進む
ウェブサイトやモバイルアプリでのP2P(個人間)決済・送金プロセスの強化に向けた銀行の取り組みは、利用率の着実な増加という形で実を結んでいる。米国の全国系銀行の顧客のほぼ3分の1(31%)が現在、銀行のモバイルアプリでP2P決済や送金を利用しており、前回調査(2023年6月発表)の29%、前々回調査(2022年6月発表)の25%から増加している。
J.D. パワー バンキング&ペイメント・インテリジェンス部門 シニアディレクター ジェニファー・ホワイトのコメント
「モバイルアプリやウェブサイトが、顧客が銀行やクレジットカード会社と繰り返し接点を持つ主要なタッチポイントになるにつれ、シームレスで使いやすい顧客体験を提供することが重要になると同時に、独自のブランド・アイデンティティやパーソナライズ化も重要になっている。銀行やクレジットカード会社が顧客にパーソナライズ化されたつながりを提供する最大のチャンスは、高度にターゲット化された個人資産管理ツールや、主要な機能を通じて顧客をガイドするバーチャルアシスタントの利用である。」
顧客満足度ランキング
【全国系銀行モバイルアプリ部門】
第1位:Capital One(キャピタル・ワン)(678ポイント)
第2位:Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)(662ポイント)
第3位:Chase(チェース)(656ポイント)
【地方系銀行モバイルアプリ部門】
第1位:M&T Bank(M&Tバンク)(636ポイント)
第2位:Citizens Bank(シチズンズ・バンク)、Fifth Third Bank(フィフス・サード・バンク)、KeyBank(キーバンク)(同点、634ポイント)
【全国系銀行オンラインバンキング部門】
第1位:TD Bank(TD銀行)(672ポイント)
第2位:Capital One(キャピタル・ワン)(671ポイント)
第3位:Wells Fargo(ウェルズ・ファーゴ)(668ポイント)
【地方系銀行オンラインバンキング部門】
第1位:Regions Bank(リージョンズ・バンク)(643ポイント)
第2位:Huntington(ハンチントン)(642ポイント)
第3位:Fifth Third Bank(フィフス・サード・バンク)(638ポイント)
【クレジットカードモバイルアプリ部門】
第1位:American Express(アメリカン・エキスプレス)、Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)(同点、675ポイント)
第3位:Discover(ディスカバー)(673ポイント)
【オンラインクレジットカード部門】
第1位:American Express(アメリカン・エキスプレス)(671ポイント)
第2位:Discover(ディスカバー)(668ポイント)
第3位:Wells Fargo(ウェルズ・ファーゴ)(664ポイント)
《調査概要》
J.D. パワー 2024年米国銀行モバイルアプリ顧客満足度調査℠
J.D. パワー 2024年米国オンラインバンキング顧客満足度調査℠
J.D. パワー 2024年米国クレジットカードモバイルアプリ顧客満足度調査℠
J.D. パワー 2024年米国オンラインクレジットカード顧客満足度調査℠
年に1回、リテールバンクとクレジットカード会社の顧客を対象に、銀行やクレジットカード会社のデジタルチャ
ネルに対する満足度を聴取し明らかにする調査。今回で8回目の実施となる。
■実施期間:2024年2月~3月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:リテールバンクとクレジットカード会社の顧客
■調査回答者数:17,843人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。
【全国系銀行モバイルアプリ部門・地方系銀行モバイルアプリ部門】:
「見やすさ」(31%)、「掲載情報」(28%)、「操作のしやすさ」(27%)、「速度」(14%)
【全国系銀行オンラインバンキング部門・地方系銀行オンラインバンキング部門】:
「操作のしやすさ」(29%)、「掲載情報」(28%)、「見やすさ」(26%)、「速度」(17%)
【クレジットカードモバイルアプリ部門】:
「掲載情報」(30%)、「操作のしやすさ」(28%)、「見やすさ」(26%)、「速度」(16%)
【オンラインクレジットカード部門】:
「掲載情報」(32%)、「操作のしやすさ」(27%)、「見やすさ」(25%)、「速度」(17%)
*本報道資料は、現地時間2024年5月30日に米国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2024-us-banking-and-credit-card-mobile-app-satisfaction-studies
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、
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