■実績と考察
1.応募数
当財団の奨学金プログラムは、年々広がりを見せ、多くの応募をいただいています。過去三年間の応募状況は以下の通りです:
2.累計給付者数と給付総額
応募数は年々増加しています。これは、学校関係者の皆さまをはじめ、多くの方々のご支援のおかげで、STEM(理系)女子奨学助成金の認知度が高まっているためと考えています。これまでに累計で約1,200人に対して、約1億6,500万円が給付されました。
3.奨学助成金の活用方法
本奨学助成金は、STEM分野での学びを深めるためにさまざまな用途でご活用いただけます。2023年度の給付対象者によるおもな活用方法は以下の通りです:
これらの活用方法は、生徒が自らの学習環境を整え、STEM分野への進学に向けた準備を進める上で重要な役割を果たしています。例えば、パソコンやタブレットの購入は、オンライン学習の普及に伴い、不可欠な学習ツールとして役立っています。
4.地域別応募者数
全国各地から多くのご応募をいただいており、過去の累計応募者の地域別の内訳は以下の通りです:
5.給付者の分野的多様性
2024年度の給付対象者の奨学助成金応募時の第一希望分野は以下の通りです:
給付者の志望分野は、情報科学、化学、土木建築、工学、医歯薬など多岐にわたります。特に情報科学や工学など、これまで男性が多いとされてきた分野に多くの女性が興味を示し、進学を目指していることは、ジェンダーギャップの解消とSTEM分野全体の活性化につながると考えています。
6.追跡調査の結果
2023年に給付を行った学生のうち、今年大学入学の学年となる219人を対象に追跡調査を実施しました。このうち約5割の学生が回答し、回答者のうち、約9割が理系の学部や学科に進学または受験していたことがわかりました。進学先の分野は工学系、情報科学系、数学・物理系など多岐にわたり、女性の入学者が少ないとされる学部・学科も含まれています。追跡調査についての詳しい結果は2024年秋以降の発表を予定しています。
7.奨学生の声
奨学生からは多くの感謝の声が寄せられています。
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学校で文理選択のタイミングぎりぎりまで迷っていました。父親は「女の子に理系なんて必要ない」という反応だったので、自分の意志を尊重してくれる母親にだけ相談して応募をしました。奨学金給付が内定したことで覚悟が決まり、理系に進学しようというモチベーションも高まり、家族を説得することができました。将来は教員を目指します。
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科学が好きだし、興味はあるけど、数学が苦手でこのままでやっていけるか不安だったので、数学の特訓の塾の授業料に全額を充てました。このことで自信をもって入試に臨むことができました。
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奨学金で自分のパソコンを買い、海外大学への進学の夢をかなえることができました。私はコンピューターサイエンスとビジネスをどちらも学びたかったのですが、日本で文系学部に行くと、プログラミング等を学ぶことができません。アメリカには文理という概念がないので、主専攻でコンピューターサイエンス、副専攻でビジネスを選び、日本のビジネスの効率化に貢献できるような人材になりたいです。
財団は今後も、STEM分野におけるジェンダーギャップの解消を目指し、本奨学助成金を含めて、さらなる支援の拡充に向けて取り組んでいきます。「好きなことをやろう」という財団のスローガンにもとづき、一人でも多くのSTEM分野での女子生徒の自己実現を支援し、彼女たちの可能性を広げる施策を推進していきます。
(*1)予備選考後に資格者多数の場合は抽選
別添資料:
https://prtimes.jp/a/?f=d83893-45-1e74d883ec432b13cd41bb4897ef76c2.pdf
◾️公益財団法人山田進太郎D&I財団について
D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進を通じて、誰もが能力を発揮できる社会を目指し、2021年7月にメルカリCEO山田進太郎によって設立された公益財団法人です。 特にSTEM(理系)のジェンダーギャップに注目し、中高生女子のSTEM分野への進学やキャリア選択を支援する奨学助成金事業を展開しています。2024年より「Girls Meet STEM」事業を開始し、企業でのオフィスツアーや大学でのキャンパス・研究室ツアーを通じて、STEM領域で活躍するロールモデルとの交流機会を提供しています。プログラムは通年で開催され、対面およびオンライン形式で参加可能です。
代表理事:山田 進太郎(メルカリ創業者、代表執行役 CEO)
設立年月日:2021年7月1日(木)
公益財団法人山田進太郎D&I財団公式ウェブサイト:
【一般の皆さまからのお問い合わせ先】
公益財団法人山田進太郎D&I財団事務局
Eメール:info@shinfdn.org