■調査背景
日本国内では年々、ITエンジニアとなる新卒者の数が増加しています。中でも文系を含む理系以外の学部出身者が増加しており、2015年に理系出身者の割合を超え、2023年には新卒ITエンジニアの61.8%が理系以外の学部出身者となりました。(※参照:ヒューマンリソシア株式会社「ITエンジニアへの就職動向レポート」
https://corporate.resocia.jp/info/news/20240312_itreport_ja_01
)
IT人材不足を補うために、多くの企業で出身学部や経験にかかわらずITエンジニアの新卒採用が強化される中、育成方法についても時代や状況に合わせて検討する必要があります。
そこで当社では、内定者教育に着目し、新人ITエンジニアに対し内定期間の学習に対するアンケート調査を実施いたしました。
■調査概要
調査主体:株式会社SEプラス
調査対象:2024年度入社の新人ITエンジニア121名
調査実施時期:2024年5月31日~6月14日
■調査結果サマリー
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新人ITエンジニアの77%が「内定期間中の学習はやっておくべき」と考えている
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未経験者と少しでもITの学習をしたことがある“微経験者”では、新人研修カリキュラムについていくのにとても苦労した人の割合において2倍以上の差がついている
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内定期間中にやっておくべき学習内容圧倒的1位は「IT用語や仕組みなどの基礎知識」
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人気の学習方法1位は「eラーニングなど、オンラインで学べるもの」
1.新人ITエンジニアの77%が「内定期間中の学習はやっておくべき」と考えている
新人研修受講中の今、内定期間中の学習についてどのように考えるか聞きました。
やっておくべき33.1%、どちらかといえばやっておくべき43.8%と、合計76.9%と
8割近くの新人が内定期間中の学習はやっておくべきだと考えている
ことが分かりました。
内定期間の学習を「やっておくべき」「どちらかといえばやっておくべき」と回答した方の理由としては、以下のように
「基礎知識があることで理解がしやすくなる」「余裕をもって進められる」
といった理由が多く挙げられました。
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スタートダッシュに役立つのと余裕を持って進められる。
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基礎知識があると、より講義への理解に繋がると感じたため。
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内定期間の学習では正直わからないことばかりだったのですが、講義で再度学ぶときに理解しやすかった。
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IT用語は一度聞いただけでは頭に入ってこないので、一度用語だけでも目を通しておくと、理解しやすくなると思う。
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知識が0と1では、研修で頭に入ってくる情報量が全く違う。事前学習しておくと、研修の理解度が変わってくるため。
逆に、内定期間の学習を「やる必要はない」と回答した方の理由としては、以下のように
「自主学習では限界がある」「給料が発生しない」
といった理由が挙げられました。
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やっても特に給料が発生するわけではないから
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自分で勉強してもわからないことはわからないため
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内定期間は労働時間ではないため
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自主学習では限界があるから
2.未経験者と少しでもITの学習をしたことがある“微経験者”では、新人研修カリキュラムについていくのにとても苦労した人の割合において2倍以上の差がついている
未経験者と、入社前にプログラミングの実践経験が少しあったり、知識としてITを学習をしたことがある“微経験者”それぞれに新人研修のカリキュラム難易度について聞きました。
未経験者では「ついていくのにとても苦労した」27.6%、「ついていくのに苦労した」46.6%(合計74.2%)であったのに対し、微経験者では「ついていくのにとても苦労した」13.6%、「ついていくのに苦労した」36.4%(合計50%)という結果になり、
未経験者は微経験者の約1.5倍カリキュラムについていくのに苦労を感じている
ことが分かりました。
特に「とても苦労した」においては未経験者は微経験者の2倍以上の差が生じており、
入社前に少しだけでも学習をしておくと研修の理解が進みやすい
ことが分かりました。
3.内定期間中にやっておくべき学習内容圧倒的1位は「IT用語や仕組みなどの基礎知識」
内定期間中にどのような内容を学習しておくとよいと思うかを聞きました。
「IT用語や仕組みなどの基礎知識」と約9割(87.5%)と圧倒的な1位
であり、ついで2位プログラミング(フロントエンド)、3位プログラミング(バックエンド)、4位ビジネスマナーという結果になりました。
内定期間中に学習をするべき理由として、「基礎知識があることで理解がしやすくなる」といった意見が多く見られたため、「IT用語や仕組みなどの基礎知識」が圧倒的な1位となったと考えられます。
4.人気の学習方法1位は「eラーニングなど、オンラインで学べるもの」
望ましい学習方法は「eラーニングなど、オンラインで学べるもの」が64.4%で1位、ついで2位書籍、3位IT資格、4位研修という結果になりました。オンライン学習や書籍学習など、自由な時間に個人のペースで進めやすいものの人気が高いようです。
■まとめ
今回の調査から、新人研修を経験した8割近くの新人エンジニアが、事前に基礎知識があることで研修での理解が深まるため、内定期間の学習はやっておくべきと感じていることが分かりました。
実際に全くの未経験者と、入社までに少しでもITの経験がある微経験者とでは、研修の難易度について感じ方に大きな開きが生まれています。
こうした結果から、理系以外のITエンジニア採用が増加する現在、内定期間からITの基本用語など、少しでもITに触れる機会を作っておくことが1つの効果的な育成方法であると考えられます。その上で、内定期間にどのようにITに触れてもらうか、どれくらいのレベルまで理解してもらうかなど、各社検討することが今後重要になるのではないでしょうか。
■参考:無料ウェビナー「内定者研修×基本情報技術者試験対策 -教育担当者がすべきこと-」
当社では科目A免除制度を活用できるeラーニングを通して、毎年約100社の内定者研修をサポートしております。
そこで、これまでの事例や知見をもとに、
・内定者研修で基本情報技術者試験対策を実施している企業のご担当者様
・これから研修を検討していく企業のご担当者様
向けに、研修の受講率・試験の合格率を向上させるためのポイントをお伝えする無料ウェビナーを開催いたします。
<ウェビナー概要>
開催日:
2024年7月17日(水)11:00~11:30 ※質疑応答込み
※当日はZoom ウェビナーを使用します。接続可能なデバイスをご用意ください。
お申込みURL:
https://contact.seplus.jp/form/dokuzemiwebinar2024
当日の内容:
1.内定者研修でよくある課題
2.新入社員に聞く 内定期間中の学習についての調査結果
3.より効果的な研修にするために 教育担当者がすべきこと
開催形式:オンライン(Zoomウェビナ-)
参加費用:無料
主催:SEプラス
■株式会社SEプラスについて
社名:株式会社 SEプラス / SE plus Co., Ltd.
所在地:〒102-0084 東京都千代田区二番町11-19興和二番町ビル2階
電話番号:03-6685-5420
資本金:1,750万円(東証スタンダード上場SEH&I 100%出資)
公式YouTube:
https://www.youtube.com/c/SEplusITeducation
IT書籍に特化した出版社「翔泳社」の一部門としてIT教育サービスを開始。
2001年にグループ会社として独立し、IT人材教育サービス事業、医療/コメディカル系人材紹介事業の2つの事業を実施。
IT人材教育サービス事業では、情報処理試験対策eラーニング「独習ゼミ」やIT特化型定額制研修サービス「SEカレッジ」などBtoB向けのIT教育を中心に展開。
”本当に価値あるIT教育とは何か?”を常に考え、既存サービスにとらわれず、いまの課題を解決できるようなIT教育サービスを開発し続ける。