株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)は、全ての人が自分らしく働くことを支援するプログラム『WORK FIT』の提供を行っています。これまでも法務省管轄の刑事施設・少年院等の一部施設に提供を行っておりましたが、本日、法務省と包括連携協定を締結し、全国の施設への展開を見据えて取り組んでいきます。リクルートは就労支援を通じ、犯罪又は非行をした方々の社会復帰や再犯防止に寄与するとともに、一人ひとりが輝く社会の実現を目指してまいります。
連携協定の概要と具体的な取り組み
刑事施設・少年院等の法務省管轄の施設にて、当社が提供する就労・修学意欲の喚起を目的としたプログラム『WORK FIT』を提供することで、犯罪又は非行をした方々の社会復帰や再犯防止に寄与することを目指します。今回の締結により、これまで一部の施設に限られていたプログラム提供から、全国の刑事施設・少年院・保護観察所への展開も見据え、プログラム開発や職員の方々によるプログラム実施を可能とする研修等の提供を推進してまいります。
【具体的な取り組み】
(1)刑事施設・少年院における矯正処遇・矯正教育および社会復帰支援の充実に向けたプログラム提供
(2)保護観察所における就労・修学支援の充実に向けたプログラム提供
(3)刑事施設・少年院・保護観察所において職員の方々が上記プログラムを自律的に実施するための研修
協定締結の背景
出所後10年以内の再入率は約4割(※1)に上り、再犯防止は喫緊の社会課題です。また、再入所者の約7割(※1)が無職状態にあり、「就労」と「再犯」には密接な関係があると考えられています。国としてもその点を重視し、受刑者や少年院在院者の方々に対する職業訓練・職業指導・就労支援など出所・出院後を見据えた取り組みを充実(※2)させていますが、受刑者や少年院在院者の方々の「就労意欲の乏しさ」や「自分に自信が持てない」などの心理的な問題が、大きな課題の一つであると捉えられています。
リクルートは、人材領域における60年以上の事業活動によって培われたノウハウや知見を生かし、就労支援プログラム『WORK FIT』の提供を行ってきました。従来は、就職したくてもなかなか動き出せない、結果が出ない若者に向けて、就職活動に前向きに取り組むきっかけを提供するプログラムとして実施しておりました。「出所・出院後の受刑者や少年院在院者の方々の就労の継続は再犯防止に有効である」という考えに共感し、2015年より少年院向けにプログラムの内容をアレンジし、提供を開始しました。以降、施設や当事者等の特徴に合わせたプログラム改善も行っております。今回の締結をきっかけに、再犯防止に向けたさらなる貢献を目指してまいります。
※1:「令和5年版犯罪白書」より ※2:「第二次再犯防止推進計画(令和5年3月17日閣議決定)」より
■法務省管轄施設での『WORK FIT』の取り組みの変遷
「多摩少年院」(2015年)でのプログラム実施を起点に、様々な刑事施設・少年院・保護観察所等の施設で展開しています。
『WORK FIT』について
『WORK FIT』は、全ての人が自分らしく“WORK”を見つけられることを目指した就労支援プログラムです。2008年のリーマンショック時に、就職したくても就職できない若者の就労問題が社会問題化したことをきっかけに、人材領域における事業活動の知見を生かして何かできないかとスタートしたリクルートの社会貢献活動です。就職活動したくてもなかなか動き出せない、結果が出ない若者に向けて、自分らしさや自分の強みと向き合い、自己効力感を感じることのできる機会を提供することで、就職活動に前向きに取り組むきっかけを提供しています。
プログラムは、就労支援を行っている団体、地域若者サポートステーション(サポステ)や大学(キャリアセンターなど)に無償で提供しており、延べ約3万8000人の方に受講いただいています。
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