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イベント概要
・開催概要:福井県小浜市を舞台にシイラについて学習、調査
・日程:2024年6月25日(火)、7月9日(火)9:30~16:00
・開催場所:御食国若狭おばま食文化館、福井県立大学かつみキャンパス、宇久漁港、阿納海水浴場
・参加人数:小浜市立西津小学校5年生25名
・協力団体: 福井県立大学、福井県立若狭高等学校、小浜市教育委員会、小浜市漁業協同組合、阿納パドラーズクラブ、有限会社タカノ
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し~らなかった!シイラってどんなお魚?
福井県小浜市は古くから都に近い海、大陸からの海の道の玄関口として栄えた港町です。小浜市といえばサバが有名ですが、冷たい海を好むサバは昔のように獲れなくなってきており、その一方で、暖かい海を好むシイラは急増していて、小浜漁港の漁獲量はサワラに次いで2番目の多さになっています。
小浜の海で今、何が起こっているのだろう?海は一体どうなるのだろう?シイラ調査隊は小浜の海で起きている変化や課題を2日間にわたり調査しました。
1日目の最初は、若狭高校海洋学科のお兄さん、お姉さんの講義から始まります。若狭湾ってどんな海?シイラの特徴や習性、美味しい食べ方まで、途中クイズを交えながら楽しく教えてくれました。
続いての講義は、海の食に関するスペシャリストの若狭高校実習教諭 新谷勝利先生です。シイラの知られざる真実に迫ります。シイラは昔から死人魚(しびとうお)と呼ばれ、よくない印象があります。傷みやすい、加工しにくい魚と思われており、地元ではあまり食べられていません。生き物にそんな差別的な名前を付けていいのか?正当な評価がされていないのでは?と新谷先生。一方、ハワイではシイラは高級魚「マヒマヒ」として愛され、九州などの各地では神事や祝い事に使われている魚です。中世末期の若狭ではタイよりも高級だったという記述も残っており、現代ではまさに風評被害を受けている魚であることを知りました。
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船上からシイラ漁を学習
シイラの特徴や歴史について学んだ隊員たち。次は宇久漁港に移動し、シイラ漁について学びます。シイラ漁をされている小浜市漁業協同組合 代表理事組合長 浦谷 敏晴さんに漁の仕方を教えてもらいます。シイラは主に定置網漁で漁獲されます。みんなで漁船に乗り、定置網漁の現場に向かいました。定置網漁の大きさや仕組みを見せてもらった後、沖に上がりシイラの特徴をスケッチしていきます。シイラをこんなにじっくり観察するのは初めての体験です。大きく、立派な姿をしたシイラに隊員たちからは驚きの声があがりました。
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地球温暖化が小浜の海にも影響を与えている
お昼にシイラの焼き物やフライをお腹いっぱいに食べ、福井県立大学かつみキャンパスに会場を移して午後の部がスタート。福井県立大学海洋生物資源学部の富永教授より、シイラの生態や、海の環境の変化について教えていただきました。近年の気候変動に伴う海面水温の上昇や海面水位の上昇を、グラフを交えて学習。海洋生態系に取り込まれた炭素を「ブルーカーボン」と呼び、地球温暖化対策としての吸収源として注目されていることも学びました。これまでの学びで、地球温暖化が私たちの小浜の海に影響を与えていることがわかった隊員たち。「小浜の海を守るために自分たちができることは何だろう?」学校生活の中で排出されるCO2と、その削減に向けた解決策をグループに分かれて話し合い、発表し1日目を締めくくりました。
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若狭湾にはどんな生き物が住んでいる?
2日目のスタートは阿納海水浴場で、生き物観察のスペシャリストの渡辺 幸太さんから、若狭湾の生き物について教えてもらいました。若狭湾にはどんな生き物が住んでいる?堤防から網で生き物をすくって観察します。多種多様な海の生き物に目を輝かせる隊員たち。中には大きなウニも!たくさんの生き物が住んでいることを実感するとともに、地球温暖化などの環境変化が主な原因となり、増えすぎたウニによって藻場が食い荒らされる「磯焼け問題」に直面していることも知りました。フィールドワークの後はシーカヤックで海に漕ぎ出します。若狭湾の豊かさを実感しました。
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シイラのさばきに挑戦
この秋、若狭シイラ調査隊は、シイラの魅力や小浜の海の豊かさを全国に発信するために、シイラを使った商品を作ります。商品は「シイラのフライ」を予定。ここからは商品作りに向けてのワークショップです。
まずは、実際にシイラをさばく調理体験をしました。初めての体験にみんな大苦戦。先生方のサポートを受けながら、なんとかみんなでさばくことができました。自分でさばいたからこその達成感はひとしおです。焼きあげたシイラのソテーを食べた隊員からは「やわらかくて食べやすい」「おいしい!」といった声があがっていました。
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学びの発表会
2日間にわたり、シイラと小浜の海を調査した隊員たち。これからもたくさんの魚が生きやすい豊かな海を守るために私たちができることは何だろう?美しく豊かな小浜の海を守るために取り組んでいきたいアクションをみんなで考えました。「ごみを海に捨てない」「命に感謝して食べよう」など、一人ひとりができることをシイラ型のシールに書き込み、シイラ調査隊アクションパネルが完成。最後に2日間の学びの成果をまとめ、小浜市教育長に発表します。「物や資源を大切にする」「CO2を減らすために節電する」「シイラの魅力を広める」など、隊員たちは緊張しながらも、しっかり自分達のアクションを伝えることができました。また、お昼にみんなでつくったシイラソテーを教育長に試食してもらいました。「シイラは今まであまり食べたことがなかったが、本当においしいと思った。これからの小浜の新たな魚の一品になっていけばいいなと思う。みなさんが今後どういうアクションを起こしてくれるかを楽しみにしています」と期待の言葉をいただきました。
隊員たちにはパッケージデザインやタイトルを考える大事なミッションが残されています。この美味しさを全国に届けられるよう、若狭シイラ調査隊は今後も取り組んでいきます。
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参加者からの声
・海ではCO2が原因で獲れる魚が変わってしまっていることにびっくりした。
・シイラって評価が低いけれど、今回いろんな料理を出してもらっておいしかった。
・シイラは死人魚って言われているけれど、すごくおいしかったから知らない人たちにも知ってほしい。
・外国では食べられているから、地元でも食べたくなるにはどうしたらいいか考えたい。
<団体概要>
団体名称:一般社団法人福井環境研究開発
URL:
https://fukui.uminohi.jp/
活動内容:北は東尋坊にみる奇岩断崖が続く越前海岸、南は優美なリアス式海岸の若狭湾と変化に富んだ福井県の海は、北前船などの海上交通の要衝として古くから栄えてきました。また、寒流と暖流が交わる福井県沖は越前がにや若狭ガレイなど海産物の宝庫。(一社)福井環境研究開発では、海に親しみ、大切にする心を育てる運動を進めています。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。