イギリスのコンシューマー・テクノロジー・ブランドNothingは、7月5日(金)と6日(土)の2日間、Phone (2a) Special Editionの日本発売を記念したデザインイベントをクレインズ6142 (東京都渋谷区神宮前6-14-2) にて開催しました。
会場では、7月8日(月)より販売を開始したPhone (2a) Special Editionやこれまで販売してきたNothing製品の展示を行い、多くの来場者の方に体験いただきました。100台限定で先行販売を行ったPhone (2a) Special Editionも完売となりました。
また、7月5日(金)には、日本を代表するプロダクトデザイナーの深澤直人氏を特別ゲストにお招きし、Nothing CEO カール・ペイと「テクノロジーと愛されるプロダクトデザインとは」をテーマにトークショーを行いました。
深澤氏「カール・ペイさんはプロダクトデザイン界に新しい風を吹かせた」
深澤氏は「今までのプロダクトデザインは、お客さまそれぞれの考えに沿ったものをたくさんどんどん作りましょう、という考え方がトレンドでした。でも徐々にデザインが画一化され、個性がなくなってきた状況があります。みんなが同じものを使うようになり、デザインがプラットフォームに化したことも素晴らしさでありますが、カール・ペイさんをはじめ個性に合わせたものを作るという波がやってきました」とNothingのものづくりに対するイメージをお話しくださいました。
4月ぶりの来日となったNothing CEO カールは「(4月ぶりに)再び日本に戻ってきて、深澤さんのようなデザインのレジェンドとこのような場でご一緒できることを嬉しく思います。Nothingは、テクノロジーが面白い存在ではなくなっているからこそ、テクノロジーをワクワクを再びという理念に基づき、2020年に設立した会社です。Nothingのモノづくりは、まず将来、どのような方向性で行きたいのかを考えるため、テクノロジープロダクトのデザインや家具のデザインはもちろん、映画などからもアイディアを得、着想したブランドブックを作ることからスタートしています」とNothingの自由なデザインの根源を明かしました。
さらに「私はNothingは”デザイナーの夢を叶える会社”でありたいと思っています。そのため、会社の中ではデザインチームが非常に大きな役割を果たし、ハードウェアのみならずUIやUXにも力を入れています。今後とも、AndroidでもAppleに対抗できるプロダクトを作っていきたいと思っています」と続けました。
カール、テクノロジー製品におけるAIの活用で「ユーザーが楽しいことに集中できるようにしたい」
続いて2名が話したテーマは、“AIがテクノロジー製品におけるプロダクト、そしてデザインにどのように影響を与えているか”について。ChatGPT等、生活の中で今やテクノロジーとデザインは切っても切れない関係にある中で、2名の考えに迫りました。
カールは「誰が未来のコンピューティングの世界をリードするのか、競争がちょうどはじまった時代だと思います」と評価し、AIとプロダクトデザインの間にあるべき姿として「1つ目は、コンピュータが私たちのことを知ってくれること。2つ目は、コンピュータがユーザーをサポートする存在であること。3つ目にいかにデザインに落とし込めるかどうか」と3つの要素を挙げました。
1つ目には、ユーザーに関する情報をたくさん持っている中で、いかにその情報を集約・パッケージ化して最適化したものを提供できるかが大事であること。2つ目のAIやコンピュータがユーザーをサポートするという観点については、電気自動車を例に出し、一定の領域をAIに任せることでユーザーが楽しいことやクリエイティブな領域に集中できるようにしたいと語りました。また、3つ目に「ハイテクノロジーをいかにデザインに落とし込めるかのユーザーインターフェースが重要であり、感覚的な操作ができて美しく使いやすいものになるか、という点も重要な視点である。Nothingとして、これからももっと取り組んでいきたい」と続けました。
モデレーターとして参加したNothing Japanのマネージングディレクター 黒住吉郎に、以前”我々はアプリケーションに溺れている生活を送っている”と話していたがAIをどう捉えているかと尋ねられた深澤氏は、「インターネットが登場したときよりも、AIの登場は劇的な変化なはずですが、早くも当たり前になっていますよね。劇的な変化の割に、当たり前に使えるという感覚があって、変化に気が付かないこともある。僕らの世界はAIにどっぷりつかってしまっている」と印象を語りました。
そして、そんな社会について、「AIがどんな形をしているか見ることはできません。だいたい人がAIを思い描く形は脳だと思い、恐怖を感じてしまうこともあるでしょうが、実はAIは簡単に実装されていて、もうなしにはできない存在になっています。”使う人が作る”時代になったし、”使う人が作れる”世界でもあるんです。その中で、何が有用で何が有用でないかを人間の心で考えていく必要がある」と人間とAI、そしてテクノロジーが共存していく世界について話しました。
積極的にAIの技術をスマートフォンやイヤフォンに取り入れているカールは、AIとテクノロジーの融合について「AIに対する恐怖があるのは理解していますが、だからこそ作る側の企業が透明性をもって何をつくっているのかを明らかにしていくべきだと思っています。人間のケイパビリティを上げるツールをつくっている、というのが大事なことで、AI自体が最終的な使い方ではなくて、問題解決のための1つの手段であるということを忘れないように意識しています」と話しました。
深澤氏が語る一番楽しい瞬間とは。「ないものが現れはじめる時間がある」
最後に、モノづくりに関わる中で一番楽しい瞬間を聞かれた深澤氏は、「作るということにフォーカスしてる時間が人生で一番楽しい。”ないものが現れはじめる時間”がある。そこが一番楽しいですね。ビジネス関係ではなく、同じものに興味をもつ人たちが集まって何かが生まれていく。それが自然であって楽しいと考えています」とテクノロジーがどんなに進化しても変わらないモノづくりへの飽くなき探究心を明かしました。
また、カールは「プロダクトが誕生した瞬間の喜びはもちろんだが、裏の苦しみもたくさんある。キャッシュフローや人材管理など、なぜここまでやるのかと自分でも思うことがある」と冗談交じりに語りながらも、「やめられない、虜になる理由というのが、アプリ開発とは違って物理的なプロダクトが生まれるというところです。道を歩いてる人が実際に自分たちが開発した製品を使っている、身につけている。それがこの仕事を続けられている理由です」と自身のモチベーションを語りました。
さらに、日本では好意的にNothingのプロダクトが受け止められているとし「今後も実際に道を歩く人々がNothingの製品を使用してくれるように頑張っていきたい」とNothingのデザインを世界に届けていく決意を新たにしていました。
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Phone (2a) Special Editionの日本での販売について
2024年5月末に発表されたPhone (2a) Special Edition は私たちの最も力強くユニークなスマートフォンを通じて語られるカラーの物語です。Nothingのデザインのコアは透明性。不必要なものを削ぎ落し、基本に忠実に。ただし美しく。この概念を製品のカラーにあてはめると、それはレッド、イエロー、ブルーでまとまりました。
日本では、7月8日 (月)から、Nothing日本公式サイトにて数量限定で販売を開始し、即完売となりました。
発売日時: 7月8日(月)
価格: 55,800円 (税込)
モデル: 256GB モデル
今後の入荷・販売については
jp.nothing.tech
にて「通知を受け取る」をオンにしてお待ちください。
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Amazonプライムデーに参加決定!Nothing製品をお得にキャンペーン価格で購入しよう
Nothing Technology Japanでは、7月16日 (火) 0時 から 17日 (水) 23時59分に開催される「Amazonプライムデー」への参加が決定しました。対象となる製品はNothing Ear、 Nothing Ear (a)やサブブランドであるCMF by Nothing Buds、Buds Proおよび Watch Proです。
この機会にぜひNothingおよび CMF by Nothing製品をお求めください。
Amazonプライムデー
開催期間:7月16日 (火) 0時〜17日 (水) 23時59分
※ 7月11日 (土) 〜 15日 (月)の先行セールでの販売も予定しています
対象製品
深澤直人氏 プロフィール
1956年山梨県生まれ。1980年、多摩美術大学プロダクトデザイン学科卒業。同年セイコーエプソン入社。先行開発のデザインを担当。1989年渡米し、ID Two (現 IDEO サンフランシスコ)入社。シリコンバレーの産業を中心としたデザインの仕事に7年半従事した後、1996年帰国。2003年、NAOTO FUKASAWA DESIGNを設立。現在までにイタリア、ドイツ、アメリカ、スイス、スペイン、中国、韓国、タイ、台湾、シンガポール、フランス、ポルトガル、スウェーデン、フィンランドなどで世界を代表する70社以上のブランドのデザイン、日本国内の企業のリーディングカンパニーのデザインやコンサルティングを多数手がけている。日用品や電子精密機器からモビリティ、家具、インテリア、建築に至るまで手がける。
デザインの領域は幅広く多岐に渡る。
人の想いを可視化する静かで力のあるデザインに定評があり、「行為に相即するデザイン」「意識の中心」「ふつう」「輪郭」「典型」など、自らのデザイン哲学をこれらの言葉で表わすとともにデザインの具体を通してその実践を続ける。デザインのみならず、デザインを通して対象の本質にせまる力、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。「au/KDDI」INFOBAR、「無印良品」壁掛式 CDプレーヤーはMoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久収蔵品に。「無印良品」壁掛式 CDプレーヤーはVictoria and Albert Museumの収蔵品に。「マルニ木工」HIROSHIMAアームチェアはDesignmuseum Danmarkのパーマネントコレクションとなり、2023年広島で開催されたG7広島サミットにおいて各国首脳が座るチェアとして採用された。人間の意識していないときの行動の中にデザインのきっかけがあることを見い出し、それを「Without Thought(思わず)」と名付けた。1999年からその名を使ったデザインワークショップを毎年開催し、書籍とともに発表している。
日本民藝館館長。多摩美術大学副学長。2022年、一般財団法人THE DESIGN SCIENCE FOUNDATION 設立。21_21 Design Sightディレクター。良品計画デザインアドバイザリーボード。 マルニ木工アートディレクター。日本経済新聞社日経優秀製品・サービス賞審査委員。毎日デザイン賞選考委員。2006年Jasper Morrisonと共に「Super Normal」設立。2010年~14年グッドデザイン賞審査委員長。 2012年 Braun Prize審査委員。 2017年〜 LOEWE クラフトプライズ 審査委員。ロイヤルデザイナー・フォー・インダストリー(英国王室芸術協会)の称号を持つ。イサム・ノグチ賞、IDEA金賞、iF design award 金賞、DNA Paris Design Awards、日本グッドデザイン賞金賞など受賞歴多数。著書に『深澤直人のアトリエ』(平凡社、2023年)、『ふつう』(D & Department Project、2020年)、作品集『Naoto Fukasawa EMBODIMENT』(PHAIDON、2018年)、『デザインの輪郭』(TOTO出版、2005年)など、共著に『DESIGN SCIENCE_01』(学芸みらい社、2023年)、『デザインの生態学──新しいデザインの教科書』(東京書籍、2004年)、『デザインの原形』(六耀社、2002年)がある。
Nothing CEOカール・ペイ プロフィール
起業家。Nothing CEO兼共同創設者。2013年にスマートフォンブランドOnePlusを共同設立し、同社を数十億ドル規模に成長させた。2020年にOnePlusを退社し、ロンドンを拠点とするテクノロジー企業Nothingを設立。NothingはGV、EQT Venturesなどの著名な投資家から支援を受け、持続可能性を重視するブランドとして注目されている。2022年には収益が前年の10倍に増加し、2023年にはEar (2)、Phone (2)を含む200万台以上の製品を出荷。カールは革新と楽しさをテクノロジー業界にもたらすビジョンを持ち、Marketing WeekのVision 100、Forbesの30 Under 30、Fortuneの40 Under 40などでその功績が認められている。
2024年、Nothingは3台目のスマートフォンであるPhone (2a)を発表。この強力でユニークなデバイスは、Nothingの専門知識、エンジニアリング、クラフトマンシップを結集し、日常のスマートフォン体験を最適化し、ユーザーの主要なニーズに応える機種として注目されている。また、Nothingは2つの新しいワイヤレスイヤホン、EarとEar (a)でオーディオ製品群の新しい基盤を築いた。さらに、Nothingはすべてのオーディオおよびスマートフォン製品において、業界初のChatGPT統合によってAIユーザーエクスペリエンスを強化している。
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Nothingとは
2020年創業のNothingが、またしてもテクノロジーを楽しいものにします。Nothingは4年足らずの間に、世界全体で200万台の製品を出荷するという快挙を達成しました。初代スマートフォン Phone (1) 」は、米『TIME』誌の栄誉ある「Best Inventions for Innovative Smartphone Design award (革新的なスマートフォンのデザインに贈られる最優秀発明賞)」に輝きました。
Nothingはロンドンを拠点としており、最先端のデザインとユーザーインタフェースのデザインによって、若者やクリエイティブな人々のためにテクノロジー製品の新たなエコシステムを創出しています。
2023年、Nothingはオーディオ製品とスマートフォンの2つのカテゴリーで第二世代製品をリリースしました。さらに、素晴らしいデザインをすべての人が利用しやすいものとすることに焦点を当てたサブブランド「CMF by Nothing」の展開も開始しています。
2024年には、第三世代のスマートフォンとなるPhone (2a) を発表しました。Phone (2a) は、Nothingが知見、技術、クラフトマンシップを結集し、ユーザーニーズの実現に徹底して取り組むことで、スマートフォンを使うすべての瞬間を最高の体験にするために誕生した、強力でユニークなデバイスです。また、2つの新しいワイヤレスイヤホンをリリースし、新たなオーディオ製品ラインナップの基盤を築きました。
Nothingは、AI利用時のユーザー体験についても強化を行っており、すべてのオーディオ製品およびスマートフォンに、業界初のChatGPT連携機能を搭載しています。
Phone (2a) および過去モデルでは、NothingまたはCMF by Nothingのオーディオ製品と接続することで、業界初のChatGPT連携機能を利用することができます。
Nothingの製品はすべて、8,000人以上の個人投資家を含む同社のコミュニティとの緊密なコラボレーションによって開発され、サステナビリティを第一に考えて作られています。
Instagram :
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