秋田県男鹿でクラフトサケ醸造所を軸にまちづくりを行っている「稲とアガベ株式会社」(秋田県男鹿市、代表:岡住 修兵 以下「稲とアガベ」)は、食を基盤に、社会課題をデザインによって解決することを目的とした商品開発やまちづくり、仕組みづくりを手掛ける、株式会社GOOD NEWS(栃木県那須、代表:宮本吾一 以下「GOOD NEWS」)と、酒造りで普段安価に取引きされてしまったり未活用になってしまうこともある「酒粕」を利用したレモンケーキ「早苗饗レモン(さなぶりれもん)」を共同開発しました。2024年7月22日(月)より早苗饗レモン 那須本店(GOOD NEWS NEIGHBORS内)とオンラインショップにて販売開始します。
HP:
https://gooooodnews.com/company/
<原料となる「酒粕」提供の背景>
稲とアガベは2023年4月に、秋田の農家に今でも残る田植え終わりの風習「早苗饗(さなぶり)」から名前をいただき、お酒を作る過程で出てくる副産物の酒粕やその他廃棄の可能性がある食材を新たな価値ある商品へ変えるための食品加工場「SANABURI FACTORY」と名付けた食品加工場を立ち上げました。「SANABURI FACTORY」オープン後、酒粕を使った「発酵マヨ」などの商品を開発し販売してまいりました。これまで未利用食の活用による商品作りを通して、地域の生産者、酪農家、そして地域自体の応援を使命としているGOOD NEWSが、稲とアガベの活動に共感してくれたことをきっかけに、この取り組みがスタートしました。今回の2社の取り組みを通して、安価に取引されてしまったり、未活用になってしまう事もある”酒粕”を知ってもらうことで、酒蔵が減っているということ、それによって地域が抱える課題とこれから広がる未来を知るきっかけ創りが出来ればと思っています。この取り組みが日本全国へ、更には、世界へと繋がり、地球規模で起こりうる人口減少や高齢化、継承者問題等の課題解決の気づきとなればと願い、取り組んでまいります。
<レモンケーキ早苗饗レモン(さなぶりれもん)について>
⚫️名前の由来
早苗饗レモン(さなぶりれもん)
田植えを無事に終えることを願う宴の「早苗饗」から由来。廃棄するものをご馳走にという想いを込めた名前のSANABURI FACTORYの取り組みへの共感から生まれたことからも由来しています。
⚫️デザインに込めた想い
国税庁が毎年公表する「清酒の製造状況等について」に統計が公開されており、これによると、
1年間に生成される酒粕は約32,000トン。(ブランド開発時令和5年度数値)(*1)その32,000トンのうち、1gでも多くレスキューをすることで未来へつながりますよう、という想いを込めたデザインになっています。
⚫️「しゃりっ、ふわっ。爽やかなレモンと酒粕がほんのり香る、新感覚レモンケーキ」
普段安価に取引されてしまったり、未活用になってしまう事もある“酒粕”を使い、甘酸っぱいレモンと掛け合わせた今までにないレモンケーキ。ひとくち頬張れば、爽やかなレモンと上品でほのかに香る酒粕の風味が口の中いっぱいに広がります。さらに今回は、しゃりっと新食感!のアイシングをアクセントに、果実しぼりたてのジューシー感がギュギュっと詰まったお菓子に仕上がりました。レモンの爽やかさと酒粕のほのかな酸味が合わさることで、奥行きのある味わいに加え、生地にハチミツを練り込む事でしっとりとした生地に仕上げています。
じゅわっと口の中にレモン香る、この夏イチオシのスイーツが完成です。
⚫️商品詳細
早苗饗レモン オリジナル 3個入り972円(税込)
早苗饗レモン ココナッツ 3個入り972円(税込)
早苗饗レモン ピスタチオ 3個入り972円(税込)
早苗饗レモン アソートBOX(オリジナル・ココナッツ・ピスタチオ・アールグレイ)
12個入り3,888円(税込)
⚫️販売店舗 7/22(月)より
・SANABURI FACTORY(秋田県男鹿)
・早苗饗レモン 那須本店(GOOD NEWS NEIGHBORS内)
・GOOD NEWS公式オンラインショップ
⚫️レシピ開発・PATHオーナーシェフ/ 原太一氏コメント
和食でもレモン、柚子、スダチなど柑橘はよく使いますが、お酒との相性の良い食材です。これまでの経験から、テリーヌを作る際に酒粕とレモンの皮を加えたり等、お酒の風味とレモンの酸味が相性が良いと思っていました。レモンケーキは、誰でも1度は食べた事があったり、味の想像ができるお菓子だと思います。誰でも馴染みのあるお菓子に酒粕を使ったほうが、色々な方に食べてもらえたり、こんな使い方が出来るんだ!と酒粕の可能性を広げられるかと思い考案しました。
稲とアガベ 代表 岡住修兵コメント
男鹿のまちで酒造りを始めて二年半、近い将来まちがなくなるという事実に背中を押されて、このまちに必要だと思うことはがむしゃらに全てやってきたつもりです。
お酒は男鹿のまちに人を呼び込むためのツールとして非常によく機能してくれていると感じますが、お酒離れで飲まない人は増え、もちろん子供は飲めないので限界もあります。
今回「早苗饗レモン」という、老若男女問わず多くの人に楽しんでいただけるお菓子が男鹿の未来づくりの仲間に加わります。
これまで男鹿は世界最先端のまちだとこれまで言ってきました。
自分を含めた「誰か」を焚きつける言葉として使ってきましたが、
兼ねてから尊敬する宮本吾一さんやGOODNEWSの皆様と共に、新たに生まれたこのお菓子を世の中に広めることで、日本中の人口減に悩むまちを未来に繋ぐための処方箋がこの町から生まれ得るんじゃないかという、何か確信めいた予感にワクワクしています。
GOOD NEWS代表 宮本吾一氏コメント
僕は秋田という場所が大好きです。人に優しくて、まわりをあたたかくする雰囲気がとても好きです。一方で、人口減少や過疎化など地域ならではの課題も抱えています。今回、普段なかなか活用されることのない酒粕を、あえてみんなが好きなお菓子にすることで、より多くの人に地域が抱える課題や生産者にも目を向けてほしいと思っています。みんながほろっとハッピーになれる媒体であるお菓子。もちろん、酒粕を利活用していくことも大事ですが、その先にある男鹿のこと、稲とアガベのこと、酒蔵が減っていること、それを知ってもらい応援の輪を広げていきたいと思っています。それは、僕らGOOD NEWSも同じ”地方”だから。
そして僕は秋田もお酒も大好きだから。
<稲とアガベについて>
稲とアガベは、秋田県男鹿市で2021年の秋に創業したクラフトサケ醸造所です。「クラフトサケ」とは、日本酒の製造技術をベースとして、そこに副原料を入れることで新しい味わいを目指した新ジャンルのお酒です。稲とアガベは、お酒を地域メディアだと考えております。お酒を通じて男鹿という地域に人を呼び込み、実際に来て楽しんでいただくために、レストラン、食品加工所、ラーメン店、宿を創業後二年間で展開してきました。今後一年ではホテル、蒸留所、スナックを開業する計画です。クラフトサケを起点に男鹿の街を未来に残すことを目指して活動しています。
<会社概要>
社名 :稲とアガベ株式会社
所在地 :秋田県男鹿市船川港船川新浜町1-21
代表者 :代表取締役 岡住修兵
設立日 :2021年3月
事業内容:クラフトサケ醸造
<GOOD NEWSについて>
食を基盤に、社会課題をデザインによって解決することを目的とした商品開発やまちづくり、仕組みづくりを手掛ける、株式会社GOOD NEWS。牛乳からバターを作るときに生まれる“スキムミルク”の価値を高めるために生まれた「バターのいとこ」や、牛乳からチーズを作るときに生まれる“ホエイ”を利活用した「ブラウンチーズブラザー」など、未利用食の活用をしながら商品開発・販売を行い、地域課題解決に取組んでいます。
<会社概要>
社名:株式会社GOOD NEWS
所在地:栃木県那須郡那須町高久乙2905-25
代表者:宮本吾一
設立日: 2020年12月
事業内容: まちづくりプロデュース/店舗開発・運営/商品開発・販売/菓子製造/就労支援 etc,
<参考資料>
<米作りと酒造について>
日本で古来から多くの人が従事してきた米作り。産業が発展しづらい地方では、時代が変化する中でも長い間、米作りが産業の中心を担ってきたと言われています。米作りから酒造りが生まれることでそこには更なる価値がうまれ、酒蔵は地域のコミュニティの中で中心的な存在になり、まちの発展にも寄与してきました。
<「酒粕」について>
秋田県内だけで年間400トンが廃棄される「酒粕」。
「酒粕」は、酒造りで普段安価に取引きされてしまったり未活用になってしまう発酵食材です。発酵による作用で旨味と複雑みが増大した発酵食材で、昔は酒粕の収益だけで従業員の給料が賄えるほどの需要があったと言われるほど重宝されてきた食材でした。美容や健康に役立つ栄養素が数多く含まれることも分かってきており、近年は健康食として注目されつつありますが、現代の食生活に馴染む利活用方が見つかっておらず、優れた機能面とは裏腹に、一部は廃棄されているのが実情です。また、酒造りにおいて、酒粕は一升瓶1本に対しコップ1杯分の酒粕が生まれます。稲とアガベでは、食品加工所「SANABURIFACTORY」にて、発酵マヨなど自社商品に活用しきれなかったものは、1キロ0.5円で県内飼料メーカーへ出し、そこには送料がかかることでお金をかけて廃棄する状況が続いていました。今回、GOOD NEWSがお菓子作りに活用することで、原料として1キロ1000円以上で買い取りをしてくださることになりました。
<日本国内における酒造減少について>
近年酒蔵は減少の一途を辿っています。
消費者の低価格志向や健康志向の高まり、ライフスタイルの変化や嗜好の多様化、そしてそうした価値観の変化を反映し、若者の酒離れなどが酒造量の減少の要因と言われています。
酒蔵数も、1999年~2019年の20年間で2007社から1235社に激減。(*2)
一方海外に目を向けると、日本古来の伝統文化は大きな価値を生み、インバウンド需要の増加とともに、輸出量は増え海外からの注目度は増加し日本の酒市場の可能性も大きく秘めています。
令和3年の日本産酒類の輸出金額は、約 1,147億円(対前年61.4%増)となり、平成 24年以降、10年連続で過去最高を記録しま した。(*3)
<増え続ける海外への輸出量>
全国約 1,700 の酒蔵が所属する日本酒造組合中央会の発表では、2022年度(1月~12月)の日本酒輸出総額が474.92億円に達し、13年連続で前年を上回る金額になった。
令和3年の日本産酒類の輸出金額は、約 1,147億円(対前年61.4%増)となり、平成 24年以降、10年連続で過去最高を記録しま した。(*3)
■出展元
*1:
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/seizojokyo/2021/pdf/001.pdf
*2:
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/seizojokyo/07.htm
*3:
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2022/pdf/000.pdf