LINEヤフー株式会社(以下、LINEヤフー)ではミッション『「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。』のもと、イノベーションを推進し、サービスの品質と利便性の向上を目指しています。本ニュースレターでは、主に2024年上半期に発信したLINEヤフーの生成AI・技術関連の取り組みの中から、12のトピックスをご紹介します。
生成AI関連トピックス
① 新ツール(社内活用):RAGを活用した独自業務効率化ツール「SeekAI」を全従業員に本格導入。膨大な社内文書データベースから部門ごとに最適な回答を表示し、確認・問い合わせ時間を大幅に削減
LINEヤフーでは生成AIの活用を積極的に推進しており、2024年7月12日現在、社内活用とサービス活用をあわせて22件で生成AIを活用しています。独自AIアシスタントに続き、生成AIを活用した社内向け独自業務効率化ツール「SeekAI」(シークエーアイ)を、全従業員に本格導入しました。本格導入にあたって、社内ワークスペースツールのページや社内データを、部門・プロジェクトごとに登録できるよう、設定をアップデートしました。これにより、検索要件に最適化された回答が表示され、社内確認や問い合わせの時間が大幅に削減されます。RAG(Retrieval Augment Generation)技術を活用した「SeekAI」によって部門を問わず様々な業務シーンでの業務効率化が見込まれ、LINEヤフーでは、生成AIを活用した業務改善として年間70~80万時間の削減を目指します。
【関連プレスリリース】
・社内向け業務効率化ツール:RAG技術を活用した独自業務効率化ツール「SeekAI」を全従業員に本格導入。膨大な社内文書データベースから部門ごとに最適な回答を表示し、確認・問い合わせ時間を大幅に削減
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/008806/
②
新機能(サービス活用):「Yahoo!検索」で、生成AIが観光のモデルコースを提案する「観光AIモデルコース」機能を提供開始
「Yahoo!検索」の検索結果において、「地名 観光」などで検索した際、生成AIが観光のモデルコースを提案する「観光AIモデルコース」機能の提供を開始しました(※1)。「Yahoo!検索」で「地名 観光」(例:「京都 観光」)と検索すると、該当エリアの概要などの観光情報にくわえて、生成AIがテーマに沿って提案する観光モデルコースが表示されます(※2)。
モデルコースは、該当エリアの象徴的なスポットが揃う「王道」、子どもから大人まで楽しめる「ファミリー」、フォトジェニックなスポットなど女性に人気のスポットが並ぶ「女子旅」、アクティブな時間を過ごせる「友達」、ロマンチックなデートスポットなどを提案する「デート」の最大5パターンあり、コースの地図と拠点間の移動手段、移動時間が確認できます。また、従来より掲出していたおすすめスポットやイベントリストを参考に、より自分の好みにあった旅行計画を検討することができます。
【関連プレスリリース】
・Yahoo!検索、生成AIが観光のモデルコースを提案する「観光AIモデルコース」機能を提供開始
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/008764/
③ 新機能(サービス活用):子供向けサービスへの、初の生成AI活用!「Yahoo!きっず」で、生成AIを活用したオリジナルコンテンツ「カブトムシAI博士」を夏休み期間中の期間限定で提供
子供向けの安全安心なポータルサイト「Yahoo!きっず」で、子供をユーザーとしたLINEヤフーのサービスとしては初となる、生成AI活用のサービス実装が、8月31日(土)までの期間限定で開始しました。株式会社Gakkenとコラボレーションし、カブトムシの生態や飼い方、種類について詳しく学べるWeb図鑑「カブトムシスペシャル図鑑」内にあり、カブトムシの生態についてユーザーが質問すると「AI博士」が回答する、Yahoo!きっずのオリジナルコンテンツです。図鑑関連の検索クエリには昆虫系が多く、子供達の興味関心が高いこと、また特に「カブトムシ」の人気が高いというLINEヤフーのデータ活用により、本コンテンツが実現しました。
【関連プレスリリース】
・Yahoo!きっず、「学研の図鑑LIVE」とコラボし“昆虫の王様”カブトムシについて詳しく学べるWeb図鑑を公開
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/008727/
④ 新機能(サービス活用):2種類の生成AIによる回答が表示ができるようになった「Yahoo!知恵袋」
Q&Aサービス「Yahoo!知恵袋」では、生成AIを利用し、ユーザーから投稿された質問に対して生成AIによる回答を表示する機能を提供しており、2024年5月30日時点で、457カテゴリの質問に対応しています。提供開始以降、ユーザーからの好評の声も多く、これまでに75万件以上の質問に回答しています。また、現在はOpenAIに加え、Amazon Web Services, Inc.(AWS)の生成AI サービス「Amazon Bedrock」を通じて利用する Anthropic 社のClaude 3を活用しており、ユーザーの回答に加え、2種類の生成AIによる回答が表示されています。
より良いサービス提供のため、2023年11月の試験提供以降も、有害検知のフィルタリング機能を通じた質問の除去、ハルシネーションを抑えユーザーに最適な回答を表示するためのプロンプトエンジニアリング等、更新を行っています。
【関連プレスリリース】
・Yahoo!知恵袋、生成AIによる回答を表示する「AI回答機能」にAnthropic 社のClaude 3を追加
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/008499/
⑤
サービス価格・プラン改定(サービス活用):AIに質問・相談できる「LINE AIアシスタント」、OpenAIの最新モデル「GPT-4o」を利用できる「有料プラン」を月額200円で提供
コミュニケーションアプリ「LINE」内で、友だちとのトークのようにトークルームにメッセージを送るだけで、AIに質問や相談ができる月額制のサービス「LINE AIアシスタント」が有料プランの利用料金を月額200円に変更しました。また体験プランも、登録後は期間を問わず10回分無料でご利用いただける改定を行っています。
「LINE AIアシスタント」では仕事や宿題のアイデアをもらえたり、画像・ファイルの翻訳や要約ができるほか、有料プランではスピードと効率性を追求して設計されたOpenAIの最新モデル「GPT-4o」をご利用いただけます。
【関連プレスリリース】
・「LINE AIアシスタント」、月額990円から200円へ価格改定 月額200円で最新モデルの「GPT-4o」が利用可能に
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/008787/
⑥ 新機能(サービス活用):「LINE広告」と「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」で、広告管理ツール上で生成AIによるタイトルや説明文を提案する機能を提供開始
「LINE広告」と「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」の広告管理ツールにて、広告主が広告に設定するリンク先URLなどを入力すると、その情報をもとに生成AIがタイトルや説明文を提案する機能を提供しました。広告主は本機能を無料で利用することができ、提案されたタイトルや説明文の確認と調整のみで、簡単に広告を作成することが可能となります。
・「LINE広告」、「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」において、広告文を生成AIが提案する機能の提供開始
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/008770/
技術関連トピックス
⑦ ヒット機能:約1ヶ月で送信回数2億回超!多くの人が楽しんだLINEスタンプの「スタンプアレンジ」機能を支えた技術
スタンプアレンジ機能は、約2,000万パッケージ以上ある対象スタンプの大きさや角度、位置を自由にアレンジして送ることができる新機能です。最大6個までのスタンプを自由にアレンジし、組み合わせることができます。5月13日(月)に本格提供を開始し、その後、約1ヶ月で送信数が2億回(2024年6月14日時点、スタンプアレンジ機能を提供している全世界での合計送信回数)を超えました。新たにスタンプを購入せずとも既に持っているスタンプでアレンジを楽しむことができ、SNSでは食べ物をアレンジするスタンプやシーンを再現したアレンジ、大喜利のように楽しむアレンジが投稿されている他、キャラクターのスタンプとテキストのスタンプを組み合わせたアレンジも人気です。
この機能を無料提供するためのストレージ最適化、ユーザー側でスタンプ編集とUI操作をスムーズに実現させるためのジェスチャーのプロトタイプ、実装方法、ユーザー間で画像データ送信する際のトラフィック対応など、リリースにあたって開発面でも様々な工夫を行っています。
【関連プレスリリース】
・スタンプアレンジ機能、提供開始から約1ヶ月で送信数2億回を突破
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/008703/
⑧ ハッカソン開催:学生59名が“エンジニア・フレンドリー・シティ“福岡に集い、制限時間内に企画開発したアプリ・ゲーム作品を発表し、成果を競う!「Open Hack U 2024 FUKUOKA」開催
福岡市および福岡市が推進する「Engineer Friendly City Fukuoka」後援のもと、児童・学生対象ハッカソン「Open Hack U 2024 FUKUOKA」 の発表会を、7月20日(土)13:00-18:00に、福岡市博多区の福岡ファッションビルにて開催いたします。
「Open Hack U」は児童・学生が地域・学年・学校の垣根を越えてチームを組み、 限られた時間の中でアプリ・Webサービス・ゲーム・ロボットなどのソフトウェア・ハードウェア作品を企画・開発し、最後に3分間で発表して成果を競う、LINEヤフーが主催するハッカソンです。東京(2024年2月開催)、大阪(同3月開催)に続く3回目の開催であり、本ハッカソンは初の福岡開催となります。九州大学、九州工業大学、麻生情報ビジネス専門学校などの参加校16校から59名(16チーム)が参加予定です。
【「Hack U」公式サイト】
https://hacku.yahoo.co.jp/
⑨ LINEヤフー研究成果:2023年、192本(うち、海外101本、国内91本)の論文を発表、科学技術分野の文部科学大臣表彰の科学技術賞(開発部門)の受賞等の成果
LINEヤフー株式会社の発足にともない、旧ヤフー株式会社で先進的なビッグデータ・AI技術の研究開発を担っていた「Yahoo! JAPAN研究所」と、旧LINE株式会社でAI、機械学習などの基礎研究を担っていた組織が合併し、「LINEヤフー研究所」として2023年10月に設立されました。また2024年4月には、LINEヤフー研究所のリードにより、「未知の状況にも対応可能な高精度混雑予測と商用システム開発」を業績として、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者に授与される文部科学大臣表彰の科学技術賞(開発部門)を受賞いたしました。
LINEヤフーでは、2023年、192本(うち、海外101本、国内91本)の論文を発表しました。ミッション『「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。』のもと、これらの研究成果を活用し、サービスの品質向上および利便性向上を図ります。
・「LINEヤフー研究所」の主な研究領域:AI、データサイエンス、インタラクション、セキュリティ・プライバシー
・「LINEヤフー研究所」公式サイト:
https://research.lycorp.co.jp/jp
【関連プレスリリース】
・令和6年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰の科学技術賞(開発部門)をLINEヤフーの3名が受賞
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/008510/
⑩ LINEヤフー研究所成果:検索情報と位置情報を解析し、能登半島地震における被災地情報ニーズを発信
LINEヤフー研究所では、大雪の影響で起きた立往生や台風の被害状況について、個人を識別しない形で、平常時と比べた混雑状況や検索ワードを分析し、地域ごとの特徴や災害時に必要とされる情報の傾向を探るという研究を行っています。
2024年1月1日の能登半島地震においては、発災当日より、LINEヤフー研究所とNHKの共同研究として、被災地にて平常時と比較して特に多く検索されているワードを解析しました。発災一週間では「断水」など水に関する検索が多く、入浴支援が開始された次の一週間では「トイレ」「風呂」「銭湯」、発災後二週間では「コインランドリー」と時間の経過とともに検索ワードに変化が見られ、被災地の情報ニーズを発信しました。
【関連オウンドメディア記事】
・災害時、避難行動につながる情報は? LINEヤフー研究所とNHKの共同研究
https://www.lycorp.co.jp/ja/story/20240117/bigdata.html
⑪ 人事:エンジニア含む社員の成長支援・環境づくりとしてのLINEヤフーの「人材強化」施策、働く環境や各種制度
社員がパフォーマンスを最大限に発揮し、組織全体の成長力向上に寄与するために行っている「人材強化」と「環境・制度整備」の中から、エンジニア・テクノロジーに関する内容の一部を抜粋し、ご紹介します。
●「リモートワーク制度」:一定の条件のもと、職種に関わらず、オフィスでも自宅でも、自身が最も業務パフォーマンスを発揮できる場所を選択できる制度。日本全国どこにでも居住することができ、飛行機での出社も可能です(通勤費上限 15万円/月)。
●「LINEヤフー Job Challenge」(公募制度):社員一人ひとりがさらなる成長を目指すための機会の一つとして、自らエントリーできる社内公募・グループ会社間公募制度を設けており、通年で実施しています。
●「LINEヤフー ChatAI CHALLENGE」(社内アワード):社内からデータ活用に関する優れた取り組みを発掘し、ナレッジを共有することによって、新たな活用へと繋げる「データアワード」をはじめ、生成AIを活用した有用なユースケースを社内展開することによって、生成AIに関する社内活用の促進や社員のスキル向上を図る「LINEヤフー ChatAI CHALLENGE」など、様々な社内アワードを開催しています。
●「LINEヤフーアカデミア」:ビッグデータや生成AIなど、一部実践型を含むさまざまなスキルアップやリスキリングプログラムを展開しています。また、プログラムのコンテンツの一部はグループ会社や社外にも提供しており、LINEヤフーグループのみならず、テクノロジーに関する日本全体のリスキリングへの貢献も目指しています。
【関連ページ】LINEヤフーの人材戦略(人材強化とカルチャー醸成)
https://www.lycorp.co.jp/ja/sustainability/esg/social/human-capital/
⑫ インターンシップ:LINEヤフーのインターンシップ1期生のインターンが、まもなく開始!エンジニアや企画、セールスなど5職種で計約150名、90ポジションにて受け入れ
2024年度のインターンシップは、LINEヤフーとして初めてのインターンシップです。エンジニアやデータアナリストを含む5職種で計約150名を受け入れるインターンシップのエントリーが終了し、8月から各ポジションにて、順次インターンが開始されます。期間は最短5日間から最長2か月間までとなっており、約90のポジションにて受け入れ開始予定です。学生にとっては、実務に近い経験を通じて、仕事の面白さや難しさをリアルに体験できる機会となります。
【関連プレスリリース】
LINEヤフー、エンジニアや企画、セールスなど5職種計約150名を受け入れるインターンシップのエントリー受付開始
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/008014/
※1:本機能はスマートフォンに対応し、「LINE」アプリ、「Yahoo! JAPAN」アプリ(iOS版、Android版)およびスマートフォンブラウザー版「Yahoo! JAPAN」で表示されます。
※2: 都道府県と主要な市区町村を中心に約200エリアに対応しています。(2024年7月4日時点)