東急不動産株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:星野 浩明、以下、「東急不動産」)は、令和6年3月29日、埼玉県春日部市役所外20施設程度を対象とした、PPA※1による太陽光発電設備の導入事業の実施事業者として、公募型プロポーザル方式により選定されましたのでお知らせいたします。再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)を「地産地消」することで二酸化炭素(CO2)排出を削減し、蓄電池の併設により震災など非常時には避難所等での防災用電源として活用いたします。令和6年度から令和10年度の間で、合計20施設程度の設備導入を予定しています。
※1「Power Purchase Agreement(電力販売契約)」の略
■選定の背景
春日部市は、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとする「ゼロカーボンシティ」を目指す旨を令和3年3月に宣言しました。国においては、太陽光発電設備の導入の公共部門での率先実行を求めており、「春日部市役所が取り組む地球温暖化対策実行計画」においては、国の目標を定める政府実行計画と整合をとり、「設置可能な市保有の建築物の約50%以上に太陽光発電設備等の再エネ発電設備や蓄電池などを設置することを目指し、環境面及び防災面の機能強化を図る。」という目標を掲げています。東急不動産は、春日部市の脱炭素化の実現を目指し、対象施設の屋上部分を活用した再エネ設備の導入および再エネ電力の活用を提案(以下、「本事業」という)するに至りました。
本事業は、市が所有する公共施設に太陽光発電設備と蓄電池等を導入、運転管理及び維持管理等を行い、脱炭素の推進と防災機能の強化を図ることを目的としています。
■本事業の内容
東急不動産は、太陽光発電設備および蓄電池の導入により、発電した電力を昼間は施設で使用するほか、余剰分は蓄電池に充電し、夜間や雨天時等は蓄電池の電力を使用できるようにします。これにより、対象施設合計で約733,700kg-CO2/年のCO2排出量削減※2を実現します。発電した電力の一部は地域の施設等へ供給することで、再エネ電力を最大限地産地消でき、市内の再エネ電気比率向上に貢献してまいります。
また、非常時には蓄電池からの電力も活用することで、防災機能の強化を図ります。
※2想定自家消費量へ前提条件となるCO2排出計数0.441kgCO2/kWhを乗じて算出
■
春日部市の概要
春日部市は、都心から約35キロメートル圏内の関東平野のほぼ中央にあり、県東部に位置しています。市内には八つの駅があり、首都圏や郊外への交通アクセスも良好。春は菜の花畑と桜の回廊、夏は青々と広がる田園風景やひまわり畑、秋は紅葉、冬は古利根川に集まるゆりかもめ。水と緑が生み出す豊かな自然と隣り合わせの町です。
名称:春日部市
所在地:埼玉県春日部市中央七丁目2番地1
代表者:市長 岩谷 一弘
人口:230,137人(令和6年7月1日現在)
■今後の展開
東急不動産は、今回のような対象施設における再エネ導入および地産地消の推進のみならず、将来的には特定エリアにおける地域レジリエンス向上(災害や感染症に対する強靭性の向上)を目的とし、既設発電設備とともに「地域マイクログリッド」(災害などで広域停電が起こった時に、小さな地域単位で電力の自給自足ができるようにする)を構築し、短期的・長期的な視点での脱炭素に向けた取り組みを提案しております。
■東急不動産の再生可能エネルギー事業「ReENE(リエネ)」について
東急不動産は、「ReENE(リエネ)」という事業ブランドで、再生可能エネルギー事業を展開しています。「Re-Creating the Value(未来に、新しい価値を)」と「Edit Next Energy(次の時代を作るエネルギーを)」という2つの志を組み合わせ、2018年に誕生しました。
これまで東急不動産は、総合不動産デベロッパーとして都市再開発、宅地やリゾートなど大規模な街づくりをはじめ、多岐にわたる開発事業を行ってきました。地域・社会・環境にかかわる様々な課題とも向き合い解決策を模索する中で培われてきた経験はリエネの中でも活かされています。
東急不動産は、2016年に専任部門を設立して本格的な取り組みを開始しました。「脱炭素社会の実現」「地域との共生と相互発展」「日本のエネルギー自給率の向上」の3つの社会課題の解決を掲げ、これまでに開発中事業を含め全国113事業(内訳:太陽光発電事業(ルーフトップ1事業含む)94事業、風力発電事業14事業、バイオマス発電事業5事業)、定格容量1,763MWの事業に携わってきました(2024年6月末現在)。
今後も、再生可能エネルギーの成長とともに、再生可能エネルギーをベースとした地域社会へのソリューション提供を図ってまいります。
<ルーフトップ事業の取り組みについて>
2019年より全国の旧雇用促進住宅900棟以上の屋根上に太陽光パネルを設置して以来、ルーフトップ事業を全国で展開しています。
さらに、2023年2月には、横浜市立の学校53校を対象としたPPAによる太陽光発電設備等の導入事業の実施事業者として、2024年3月には相模原市の学校74校を対象としたとPPAによる太陽光発電設備の導入実施事業者として選定されるなど、民間・公共施設への再エネ導入も進め、日本の脱炭素化に貢献してまいります。
<地域マイクログリッドの取り組みについて>
北海道松前町において、北海道電力ネットワークが所有する既存の一般送配電網を活用した地域マイクログリッド構築を松前町と検討し、2024年2月に運転を開始しました。これにより、非常時に「リエネ松前風力発電所」の再エネ電力が松前町に供給され、役場や避難所、一般家庭(一部)で安定して電気が使えるようになり、地域レジリエンス(災害等に対する強靭性の向上)の強化につながります。
参照:3ea78dabd0e0173afc44e4948571e5ded781d183.pdf (
tokyu-land.co.jp
)
<営農型太陽光発電事業の取り組みについて>
東急不動産は全国でエネルギー及び農業問題の課題解決に向けて2018年より営農型太陽光発電事業に取り組んでいます。2022 年 12月に運転開始した埼玉県東松山市「リエネソーラーファーム東松山太陽光発電所」のほか、2024年3月には静岡県裾野市でも運転を開始するなど取り組みを全国に広げています。また、埼玉県の川島町や美里町においては、事業化に向けた協定を締結し、官民連携の上で持続可能なまちづくり及び地域の脱炭素導入を推進しています。埼玉県春日部市においては、2024年1月19日付で「ゼロカーボンシティの実現に向けての連携協定書」を締結しており、営農型太陽光発電を含む春日部市内での再生可能エネルギーの積極的な導入促進に向けて相互に連携を進めております。
<ReENE ÉCOLE(リエネ エコール)環境教育プログラム>
東急不動産の再生可能エネルギー事業「ReENE(リエネ)」のブランド名と、フランス語で学校・学び舎を指す「ÉCOLE」を組み合わせ、”地域や地球の環境を大切にする学びの場”という意味を込めた環境教育プログラムを展開しています。
発電所のある地域を始め、全国の子ども達を対象に、発電所の見学会や出前授業、環境イベント等を通じて、環境問題や再生可能エネルギーについて考え、学んでいただく機会を提供しています。
■
長期ビジョン「GROUP VISION 2030」でめざす、「環境経営」と「DX」の取り組み
東急不動産ホールディングスは2021年に長期ビジョン「GROUP VISION 2030」を発表しました。多様なグリーンの力で2030年にありたい姿を実現していく私たちの姿勢を表現する「WE ARE GREEN」をスローガンに、「環境経営」「DX」を全社方針として取り組んでいます。
中核企業である東急不動産では「環境先進企業」をめざして様々な取り組みを積極的に進めております。2022年末には事業所及び保有施設
※
の100%再生可能エネルギーへの切り替えを完了し、 2024年にはRE100事務局であるCDPより「RE100」の目標達成を、国内事業会社として初めて認定されました。
※一部の共同事業案件などを除く
東急不動産ホールディングス「GROUP VISION 2030」について
https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/group-vision-2030/
東急不動産ホールディングス「中期経営計画2025」について
https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/ir/mgtpolicy/mid-term-plan/