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背景
令和6年1月1日16時10分に発生した能登半島地震は、石川県珠洲市内を震央として最大震度7にて能登半島全域、特に北部において深刻な被害をもたらしました。
北陸電力送配電においては、管内の停電は最大4万戸におよび、その早期復旧のため社内外の様々な情報や電子データの集中管理を要しました。これらの情報のうち、場所に関連するものは地理情報システム(GIS)を用いて収集・管理されました。
また、発災直後から催された北陸電力グループによる連絡会議においても、このGISを用いた被災状況分析や復旧計画の説明・情報提供が行われました。
関係各所との詳細かつ緊密な情報共有のもと、同年3月15日には管内停電の全面解消に至りました。(顧客設備の健全性未確認の場合を除く。)
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全体像
■GISで管理したデータ
GISでの管理対象となった主な震災関連情報は次表のとおりです。
今回の取り組みでは、上述の震災情報を集中管理するWebGIS(株式会社インフォマティクス製 GeoCloud)と、これに現地調査結果を提供する「設備被害情報共有システム(EDISS)」の2種類のGISを組み合わせて運用されました。EDISSは現地被災写真をスマートフォンで収集・集約することを目的に、2021年にGeoCloudをベースとして開発された災害対応向けのGISです。
EDISSで収集された被害情報・復旧情報と、系統システムから得られる停電情報の上に各種社外情報を重ね合わせることで、優先的に対処すべきエリアを導き出しつつ復旧計画の立案が行われました。
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システムの画面イメージ
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システムの活用効果
復旧計画立案においては、復旧エリア内の配電設備の数等を参照しつつ検討が行われましたが、これらの数値をGISの空間関数機能を用いて自動抽出することにより、立案の迅速化を図れました。(図1参照)
また、EDISSには写真収集・集約機能の他に、作業員や作業車の現在位置を地図上に表示する動態表示機能が備わっており、これにより現地作業の状況を本店内のPCにてリアルタイムに把握することができます。
災害対応が進むにつれ、避難所の最適配置の為に開設されていた避難所の閉所や新しい場所での開設が随時行われ、これに伴い発電機車の出向先もたびたび変更となりました。EDISS動態表示機能の活用により、他電力会社の車両も含めて常に最新の配車状況を確認できたことで、全体最適化を図れました。(図2参照)
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今後の展望
今回GIS上で重ね合わせた各種の社内データについては、システム間連携機能を装備することで常に最新のデータに自動更新できるよう、現在準備が進められています。
また、社外から入手するデータについても、GISの標準フォーマットやデジタル田園都市構想に則ったAPI Gatewayを用いての自動更新手段が検討されています。
さらに全社員がGISを活用した業務改善が進められるよう、全PCおよびスマートフォンからGISが利用できる環境を準備しており、全社大でのDX推進が行われています。
インフォマティクスについて
株式会社インフォマティクスは、1981年の設立以来、建築・設計向けのCAD/CGシステムおよび地理情報システムの開発、販売、保守サポートを行うシステムインテグレータとして成長を続けており、本社(川崎市)、営業所(大阪、名古屋)の総勢約250名(2024年6月末現在)の社員から成る企業です。国内の中央官庁、地方自治体、社会インフラ事業者、建設・土木・エンジニアリングなど公共・民間の分野で多数の導入実績があります。
会社ホームページ:
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本サービスに関するお問い合わせ
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GeoCloudについて詳しい製品情報はこちら:
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