株式会社日本総合研究所(本社:東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教、以下「日本総研」)は、厚生労働省令和6年度老人保健健康増進等事業の国庫補助の内示を受け、令和7年3月31日までの間、下記の14事業を実施します。
これらの事業はそれぞれ、ケアマネジメント、介護支援専門員法定研修、リスクマネジメント強化、認知症施策のあり方および介護現場におけるAI技術の活用などといったテーマを取り上げ、調査研究を行うものです。
日本総研では、政策の動きを踏まえながら、介護サービスの円滑な提供や質の向上に資する調査研究を実施します。
事業名 |
事業実施目的・事業内容 |
「効率的な施策を展開するための考え方の点検ツール」の都道府県による市町村支援への活用に関する調査研究 |
第10期介護保険事業計画期間を見据え、市町村には地域のビジョンの実現に向けた施策・事業のマネジメントが求められる。本調査研究では、令和5年度までに策定された「効率的な施策を展開するための考え方の点検ツール」を都道府県が市町村支援に活用する方法を実証的に検討し、活用における工夫や留意点とともにとりまとめる。 |
適切なケアマネジメント手法の策定、普及推進に向けた調査研究事業 |
「適切なケアマネジメント手法」の全国での普及・活用促進に向け、実践で活用可能なツールや冊子の作成、「基本ケア」のブラッシュアップ、事例に応じて着目すべき「想定される支援内容」をガイドすることを目指したデータセットの作成を行う。また、地域のケアマネジメントに関わる関係者に向けた普及方策の検討を行う。 |
介護支援専門員法定研修の効果的な実施に関する調査研究事業 |
各都道府県における介護支援専門員の法定研修について、受講者の満足度や評価、受講料に地域差が生じる要因等に関する調査を行うとともに、好事例を収集することにより、法定研修の受講環境の改善に向けた方策を検討する。 |
介護保険施設等におけるリスクマネジメントの推進に資する調査研究事業 |
平成24年度老健事業において作成された「特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン」の見直しについて検討する。施設等における事故発生時の対応と再発防止策の体制整備の事例を施設へのヒアリング等で収集し、好事例集としてとりまとめ、必要に応じて全介護事業所向けのガイドラインへと見直しを行う。また、別途実施予定の介護現場におけるリスクマネジメントに関する議論の基礎資料とするため、介護サービス事業所及び自治体等の同意を得て、事故報告の内容(調査項目、報告事項等)についてデータ収集を行う。 |
ユニット型施設等における人材育成に関する調査研究事業 |
本事業では、有識者(研修実施団体や自治体職員を含む)による検討委員会を設置し、ユニットリーダー及びユニット施設管理者に対する研修内容等の見直しを行う。カリキュラム等の見直しにあたっては、ユニット型施設及びユニットケアに携わる職員に対してアンケート調査を実施し、今後のユニットケアに求められる役割を明らかにした上で必要な研修内容を検討し、報告書をとりまとめる。また、ユニットリーダー研修における実地研修施設選定調査票の改定(案)を示す。 |
サービス付き高齢者向け住宅等における介護サービス提供のあり方に関する調査研究事業 |
サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホーム等(サ高住等)に居住している入居者への適切な介護サービス提供に向け、これらの住宅等の事業者の経営及び運営の実態について調査し、介護サービス提供のあり方について検討する。併せて、サ高住等の入居者に対して適切なケアプラン作成がなされるよう、周知活動を行う。 |
高齢者の地域での日常生活における「選択肢」の拡大に関する調査研究事業 |
高齢者は、要介護・要支援になると、医療・介護との関わりが主となり、それ以外の主体との関わりが薄れ、日常生活における「選択肢」が少なくなることが指摘されている。そこで、高齢者が地域でのこれまでの日常生活を自身の能力と選択に応じて継続することができるよう、日常生活と関わる地域の多様な主体が介護予防・日常生活支援総合事業によるサービスに参画するための方策や、高齢者が継続的にサービスを利用するための方策等を整理する。 |
地域の多様な主体が介護予防・日常生活支援総合事業に参画しやすくなる枠組みの構築に資する調査研究事業 |
高齢者の地域での日常生活を支えるためには、高齢者の日常と深く関わる分野の多様な主体との連携が必要である。そこで、高齢者の介護予防や日常生活に関連する幅広い分野・地域で活動する多様な主体と、市町村・生活支援コーディネーター等との接続を促進するために、都道府県の生活支援体制整備事業のプラットフォーム構築や、市町村の生活支援体制強化のための方策等を整理する。 |
共生社会の実現を推進するための認知症基本法に基づく認知症施策のあり方に関する調査研究事業 |
令和6年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」に基づき策定が進む認知症施策推進基本計画の内容を踏まえつつ、各種の調査や検討委員会での議論を通じて、今後の認知症施策のあり方について政策提言としてとりまとめる。また、都道府県や市町村で認知症施策推進計画を策定する際に参考となる手引きを作成する。 |
介護人材の定着促進がもたらす様々な効果分析等に関する調査研究 |
介護人材のさらなる定着促進に向けて、人材定着に資する各事業所の取組や、定着促進による経営面・運営面での効果に対する事業所属性の影響等を把握・検討するため、事業所に対するヒアリング調査等の実態把握を実施する。 |
総合的な介護人材確保策の推進に関する調査研究事業 |
介護人材確保策のさらなる推進の基礎資料として、これまでに実施されてきた介護人材確保の施策・取組、好事例、課題等について情報を収集、整理し、有識者等の意見を踏まえて今後の論点や対応の方向性について検討・整理する。 |
訪問系や通所系サービスにおける介護ロボット・ICT等のテクノロジー活用及び介護現場におけるAI技術の活用などを通じた生産性向上の取組の実態調査研究事業 |
介護分野におけるテクノロジー活用の先進的な取組の一つとして、AI技術の活用が挙げられる。介護現場におけるAI技術の開発状況及び活用実態を把握し、介護現場における生産性向上等の推進に向けたAI技術の活用余地及び活用の際の留意点について検討する。 |
介護職員等における身寄りのない高齢者等に対する支援の実態に対する調査研究事業 |
高齢期から死後にかけての様々な手続きを支援・代理する家族の機能が低下する中、広く利用可能な代替策は見出されていない。本調査研究では、家族の存在が無くとも円滑に必要な課題解決が行える仕組を提案するために、在宅生活、また死後においてどのような支援が必要であるかを把握する。また、現状で在宅介護関連事業所の職員が提供している支援についてその困難さや負担感を把握する。 |
介護現場における身寄りのない高齢者等に対するサービス提供の実態にかかる調査研究事業 |
高齢期から死後にかけての様々な手続きを支援・代理する家族の機能が低下する中、広く利用可能な代替策は見出されていない。特に、家族の不在によって介護施設のサービス利用から排除されるという問題は、身寄りのない高齢者の生活の質の維持にとって大きな不利益であるだけでなく、周囲の支援者にとっても負担となっている。地域共生社会において介護施設が適切な役割を果たすための障壁を取り除くため、入所時だけでなく、入所中や死亡を含む退所時の課題、やむを得ず提供する支援も含めて実態を把握する。 |
以上
本件に関するお問い合わせ先
リサーチ・コンサルティング部門 シニアマネジャー 石田 遥太郎
TEL:080-7938-4740 E-mail:ishida.yotaro@jri.co.jp